伍代夏子

伍代夏子の“時の流れを川にたとえて”・・・~純演歌「時の川」で新たな一歩を~

「人生を歌いたい」。昨年、そう切望して歌った作品が芸能活動40周年記念曲「人生にありがとう」だった。そんな伍代夏子が41年目に新たな一歩を踏み出す作品「時の川」をリリースした。時の流れを“川”にたとえ、伍代の真骨頂とも言える、ファン待望の純演歌となっている。

文=藤井利香

41年目の原点回帰。新たな一歩を

「時」はその人の人生をさまざまなかたちで彩り、操る。伍代夏子の新曲「時の川」は、デビュー41年目に入るにあたり、伍代本人がこれまで歩んだ時の流れを「川」にたとえ、歌にしたいと希望して生まれた。内陸では細かな支流に分かれる川も、最後は一つになって大海へと流れ出ていく。40年という時を刻んだ川が、大海原で新たな一歩を踏み出せるように。伍代のそんな願いが込められた楽曲は、誰もが受け入れやすい純演歌となっている。

――曲作りの段階で、最初に決まったのが「川」をテーマにすることだったそうですね。

伍代 どこどこの川と情景を決めてしまわずに、漢字も「川」「河」のどちらでもいい。できれば時の流れを感じさせるもので、私の歩んできた道のりや、大きくは人生そのものをとらえた作品にしてほしいとお願いしました。デビューして40年が経って私もいろいろな意味で成長し、そういった心情を歌う「川」があっていいいと思ったんです。

イメージとしては、デビュー曲の「戻り川」ですね。原点回帰じゃないけど41年目だし、新たな気持ちでスタートしたい。また1年目が始まると考えれば、「戻り川」に戻ってもいいのかなと。

伍代夏子

――女性の人生を川にたとえ、つらい過去もあったけれど明日を信じて生きていこうという、ひたむきな思いが描かれています。

伍代 作詞の田久保(真見)先生には2014年にリリースした「女のまこと」で一度お世話になり、今回が2回目になります。凛とした女性像を描いていただきたくて田久保先生にお願いしました。

私自身を振り返ると、若い頃はがむしゃらに何でもできたけれど、途中結婚もしてだんだんとそうもいかなくなってきました。でも常に完璧をめざして努力したおかげで無事40周年を超えることができ、その経験は間違いなく自信とゆとりを得ることにつながったなと思っています。だからこの先何かあってもきっと自分らしく、安心して生きていける。今後はゆったりとした流れに身を任せ、めざす目的地までひたむきに歩んでいきたい。そんな気持ちを「川」にたとえて描いてもらった作品です。

詩のなかには“あなた一筋”など男性のシルエットが見え隠れしていますが、男性への直接的な愛ではなく、私はもっと漠然と人への「愛」ととらえています。“裏切り滝”という印象的な歌詞も男性に騙された過去というわけではなく、紆余曲折いろいろあった人生と解釈していただければいいですね。

羽ばたくために必要だった試練

――紆余曲折というと、40周年の年に声が出なくなるという喉のジストニア(痙攣性発声障害)という病で、大変な日々を過ごされました。

伍代 公表してお休みしたのが”60”歳のとき。ちょうど”40”周年で両方を足すとぴったり100なので、いいように考えています(笑)。小柳ルミ子さんからも言われたんです。「神様は越えられない人には試練を与えないのよ」って。ここから先、羽ばたくために私には必要だったんでしょうね。

でも元来凝り性で、何事も自分で決めるタイプ。声が出なくなった原因がストレスだったと知ったときはとても驚いて、納得のいく治療法を探して何軒も病院に行きました。ストレスの元を絶てばいいんですがこれがまた難しく、カイロプラクティックをはじめ催眠療法などのセラピーも受けて、脳の仕組みなんかも詳しくなりました。

――いろいろ不安やご苦労もあったと思いますが、復調できて本当によかったですね。

伍代 コロナ禍で歌手としての活動が止ってしまったこともあり、治療に十分な時間を割きました。そうそう、脳の寿命って実は200歳くらいまであるらしいんです。でも内臓系がその前にダメになるから人は亡くなってしまうらしいのですが、要は使いきれないまま終わるというのが脳。そこに着目して、脳をもっとうまく使えるようにするとまだまだいろいろできるみたいなの。そうすると、高齢になっても新しい外国語の習得ができるとかね。私はとてもやれませんけど(笑)。

伍代夏子

聴く人にしっかりと届けたい

――そんな日々を経て新たに進む41年目。「時の川」は未来へのメッセージ性も強いので、イントロから明るいメジャー演歌になっています。

伍代 サラッとした純演歌で、強さや明るさがこの曲にはあります。ひたむきに生きて来て、私としては41年目に入りいよいよ大海原に出たと思うので、これからは流れ着いたところで開拓民の気分になって新しいことに挑戦していきたい。種を撒いて、何ができるかなと楽しみにしたいですね。

そんな歌なので、あまり強く歌わず、私は優しく歌うことを心掛けています。「過去にはあんなこともあったわね」としみじみ思い出しながら、含みのある哀愁をちょっと漂わせて。だから、とくに人生経験を積んだ70~80代の方などが、カラオケでは比較的歌いやすいのではないかと思います。どなたでもサラッと歌うことはできますが、ただその心情を伝えようとすると意外に難しい。そこを聴く人にしっかり届けられるよう意識して歌っていただけたらと思っています。

 

伍代夏子「時の川」特設サイト
▶伍代夏子「時の川」特設サイト

 

写真家・伍代夏子さん
「北島三郎御大や五木ひろし先輩をぜひ撮影させていただければ」

芸能活動40周年を迎えた2021年に写真展「残像~アフターイメージ~」を開催するほどに日々、写真と向き合っている伍代夏子さん。そんな伍代さん狙う次なる被写体は?

伍代夏子 相変わらず写真には凝っています。被写体が花鳥風月に加えて、うちの犬が仲間入りしました。ダックスフンドで可愛いんですよ。「人」はまだで、タイミングを探しています。ぜひ北島三郎御大をって思うんですが・・・。夢なのですが、歌謡界の大先輩でいらっしゃる北島三郎御大や五木ひろし先輩を、いつかぜひ私のカメラで撮影させていただければ本当に嬉しいですね。

 

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INFORMATION

伍代夏子・藤あや子スペシャルコンサート 明治座
[公演期間]
9月2日(土) 12:00/17:00
9月3日(日) 12:00
出演:伍代夏子 藤あや子 新浜レオン 青山新
S席:11,000円(税込み)
詳細は明治座ホームページ

【ファンクラブ先行受付】
チケットをご希望の夏子組の方は、人数分のチケット代金と発送手数料600円を
郵便局にてお振込みください。
【全席指定】S席:11,000円(税込み)【発送手数料】600円
◆FC先行締切◆2023年6月23日(金)お振込み分まで
口座番号:00190-0-34536
加入者名:伍代夏子支援会事務局
※通信欄に会員番号、希望日、時間、希望枚数を必ずご記入ください。

一般販売:7月29日(土)10:00~
問い合わせ:明治座チケットセンター
03-3666-6666(10:00~17:00)

 


2023年5月31日発売
伍代夏子「時の川」
伍代夏子

「時の川」
作詞/田久保真見 作曲/徳久広司 編曲/南郷達也
C/W「千本曼殊沙華」
作詞/田久保真見 作曲/若草恵 編曲/南郷達也
ソニー・ミュージックレーベルズ MHCL-3036 ¥1,300(税込)

“女ひとりの 笹舟で 流れてきました 時の川”の冒頭から始まる伍代夏子、デビュー41年目の「時の川」。伍代自身が“川”をテーマにした作品を歌いたいと要望しできあがった作品。愛を信じ貫き生きて行く、強くしなやかな女心を歌った純演歌だが、伍代自身は時に激しく、時に穏やかに流れる人生を歌っている。
カップリング曲「千本曼殊沙華」はドラマティックな情念の作品。表題曲とは対照的に作品の目の前に情景が浮かんできそうな言葉が綴られている。
「こちらのほうは歌いがいのある歌だと思います。盛り上がりのあるインパクトのある曲調で、妖しい情念の歌。目をつぶると真っ赤な曼殊沙華が咲き乱れる風景が現れ、田久保先生らしい詩だと感じています。私が今回歌を通じて伝えたかったのが「時の川」ですが、こちらもステージで積極的に歌っていきたい楽曲です」(伍代)

【Amazon】伍代夏子「時の川」


伍代夏子

profile
伍代夏子(ごだい・なつこ)
1961年12月18日、東京都生まれ。1982年7月、星ひろみとして「恋の家なき子」でデビュー。3度の改名を経て、1987年、伍代夏子として「戻り川」でデビュー。同曲は35万枚を超すヒットとなり、翌1988年に「第21回日本有線大賞」と「第21回全日本有線放送大賞」の最優秀新人賞を史上初のW受賞。1990年には「忍ぶ雨」で『NHK 紅白歌合戦』に初出場を果たし、以来、通算22回出場。1994年、新宿コマ劇場で初座長公演「歌手生活10周年記念 伍代夏子特別公演」を上演。1999年、初のTVドラマ『霧の橋の決闘!みちのく紅花女と必殺男』に出演。2015年には、歌手活動30周年記念を記念して 自叙伝『人生めぐり愛 ~いまがいちばん幸せ~』を出版。同年、「30周年記念コンサート~心より感謝を込めて~」を渋谷公会堂にて開催する。
プライベートでは1999年に俳優の杉良太郎と結婚。夫のライフワークでもある福祉活動に、夫婦で熱心に取り組んでいる。2012年、厚生労働省より「肝炎対策特別大使」を拝命。C型肝炎を克服した自身の経験をもとに、肝炎の正しい知識と検査受検を広く呼びかけている。 2018年、全国で被害が相次ぐオレオレ詐欺を食い止めるため、オレオレ詐欺予防プロジェクトチーム「ストップ・オレオレ詐欺47~家族の絆作戦〜(略称:SOS47)」を結成。同年、警察庁より「特別防犯支援官」を拝命。
2021年3月、喉のジストニア(痙攣性発声障害)であることを公表し、歌手活動を休止するが、2022年7月、新曲「人生にありがとう」を芸能活動40周年記念曲として発表。同年10月からは、NHKラジオ第1「らじるラボ」の水曜日レギュラーパーソナリティーに抜擢され出演中。趣味のカメラでは Instagram(@godai725_official)で日々作品を公開。2021年10月には伍代夏子写真展「残像~アフターイメージ~」を開催した。

伍代夏子公式ホームページ
伍代夏子「時の川」特設ページ
「時の川」ミュージックビデオ
「時の川」配信サイト
伍代夏子 YouTubeチャンネル
伍代夏子 公式Instagram
伍代夏子(なっちゃん&りく)Instagram

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