• HOME
  • 全ての記事
  • ニュース
  • 一条貫太、亡き祖父へ涙の絶唱…新曲「兄弟波止場」を捧げる。浅草公会堂で魅せた“殺陣”と“女唄”、10周年に向けた熱き誓い
一条貫太

一条貫太、亡き祖父へ涙の絶唱…新曲「兄弟波止場」を捧げる。浅草公会堂で魅せた“殺陣”と“女唄”、10周年に向けた熱き誓い

“平成生まれの昭和なボイス” 一条貫太が2月28日、東京・台東区の浅草公会堂にて「8周年記念コンサート・ファイナル 一条貫太2026リサイタル~魅力のすべて2~」を開催した。

2024年11月に同会場で行ったリサイタルが大好評を博したことを受け、約1年3ヶ月ぶり、2度目となる浅草公会堂への凱旋。2027年のデビュー10周年という大きな節目に向けて弾みをつけるべく、自身の“魅力のすべて”を詰め込んだステージを展開した。

一条貫太

この日の最大の見どころとなったのは、殺陣や女唄への挑戦、そして何より、先日亡くなったという祖父への想いを込めた新曲「兄弟波止場」の涙の絶唱だった。

海の歌シリーズ第4弾「兄弟波止場」は男の約束の物語

今年1月に発売されたばかりの新曲「兄弟波止場」は、第1部のラストとアンコールの大ラスで披露された。

一条といえば、「男の漁場」や「大漁太鼓」といった楽曲に見られる、突き抜けるような高音と、北島三郎や鳥羽一郎を彷彿とさせる骨太な歌唱が持ち味だ。これまでは海に生きる男のエネルギーを外へ外へと発散させる“陽”の作品が目立っていたが、今作は一味違う。テーマは同じ“海”だが、ここで描かれているのは慟哭と絆の人間ドラマだ。

一条貫太

一条貫太

一条貫太

一条は、「海の歌シリーズの第4弾です。兄弟の物語ですが、残念ながら兄が海で亡くなってしまった弟の物語です。兄の想いを弟が継ぐという、悲しい歌ですが、希望の持てる作品です」と語る。

一条貫太

一条貫太

冒頭の歌詞では「五つ違いの 兄貴を さらった海よ」と歌われるが、それは単なる兄ではなく、憧れだった兄の背中を追ってきた主人公の切なる想いが透けて見える。そして、主人公は決意する。「やっぱり漁師に なってやる」。それは喪失を決意に変える、男の約束の物語だった。

亡き祖父への想い溢れ… 涙の絶唱

一条貫太

一条貫太

アンコールの1曲目は「イヨマンテの夜」。この曲を高らかに歌い上げると、「残りはあと1曲となりました」と静かに口を開いた。

「個人的なことですが、ずっと応援してくれていた母方のおじいちゃんが亡くなりました。88歳でした」

教師をしていた祖父は、一条が歌手デビューする際、「普通の仕事に就いたほうがいいんじゃないか」と誰よりも猛反対したという。しかし、孫の決意と挑戦を受け入れてからは、誰よりも熱心な応援者となった。

一条貫太

一条貫太

「お酒が大好きで、二十歳になった時にお酒の飲み方を教えてくれました。『どのくらいお酒が飲めるのか、自分の限度を知るように』と」。そんな祖父との思い出を語り、「爺ちゃん自慢の 親子船」というフレーズで始まる『兄弟波止場』の2番の歌詞について、「亡くなった祖父と重なる部分があるんです」と吐露。「泣かずに歌います」と自らに言い聞かせるように前を向き、色鮮やかな大漁旗がはためくステージで歌い始めた。

一条貫太

一条貫太

しかし、1番の歌唱中、こみ上げる想いを抑えきれず、一条の目から涙が溢れた。歌声をつまらせながらも、祖父と重なるという2番以降は、天国の祖父へ届けるかのように、渾身の力を込めて歌いきった。会場からは、その熱き想いに寄り添うような温かく盛大な拍手が送られた。

大衆演劇のメッカで挑んだ決死の“殺陣”

一条のリサイタルといえば、歌以外の新たな挑戦も見どころの一つ。昨年の地元・千葉公演では和太鼓に挑戦し披露したが、今回は本格的な「殺陣(たて)」に初挑戦した。

一条貫太

挑戦の理由について一条は、「演歌には『義理と人情』の世界観がありますが、これは任侠映画や時代劇にも通じます。浅草という街は大衆演劇のメッカでもありますので、殺陣を披露するのにふさわしい場所かなと思い、挑戦させていただきました」と語る。

一条貫太

一条貫太

一条貫太

ただ、「スケジュールの関係で、先生に指導していただいたのは実質3〜4回ほどでした」とも告白。「基礎からじっくり学ぶ時間はなかった」と苦笑いを見せたが、本番では見事な立ち回りを見せた。

一条貫太

一条貫太

一条貫太

第2部の幕開け、着流し姿の一条が登場すると、客席から刀を持った浪人が現れる演出で会場を驚かせた。舞台に上がった浪人を相手に、一条は舞台映えを意識した実践的な殺陣を披露。

一条貫太

一条貫太

一条貫太

気迫のこもった剣さばきで浪人を成敗すると、そのまま「兄弟仁義」を熱唱。さらに五木ひろしの「旅鴉」、美空ひばりの「関東春雨傘」を立て続けに歌い、「関東春雨傘」の間奏では再び激しい立ち回りを演じてみせた。

一条貫太

“女心”と“浅草”へのオマージュ、細川たかしの金言

第1部では、新たな挑戦として女唄も披露。細川たかしの「心のこり」、矢吹健の「あなたのブルース」、ぴんからトリオの「女のみち」を艶やかに歌い上げた。きっかけは、細川たかしからのアドバイスだったという。

「姫路での仕事の帰り、新幹線で細川たかし先輩と偶然お会いしたんです。その時、『歌の幅を広げるためにいろんな歌を歌ったほうがいい。女唄も歌ってみなさい』と勧められました」

一条貫太

一条貫太

一条貫太

▲浅草公会堂で開催された「一条貫太2026リサイタル~魅力のすべて2~」。司会を務めたのはナナオ。一条とは初の組み合わせだった。「最初、”奈々緒”さんが司会をしてくださると聞いて、喜んだんですが・・・(苦笑)」と一条。息の合った掛け合いで観客を楽しませた。

その金言を胸に挑んだステージで、普段の勇壮な男歌とは異なる繊細な表現力を見せつけ、観客を魅了。なかでも「あなたのブルース」は、会場を痺れさせるほどの圧巻の出来栄えだった。

一条貫太

一条貫太

一条貫太

また、セットリストには開催地・浅草にちなんだ名曲も並んだ。「東京だョおっかさん」「お祭りマンボ」、そしてギターを演奏しながらビートたけしの「浅草キッド」を情感たっぷりに歌い上げ、歴史ある浅草公会堂の舞台に敬意を表した。

一条貫太

師匠・宮下健治氏と「流し」の原点へ

会場には恩師である作詞家・万城たかし氏の姿もあったが、中盤ではもう一人の恩師である作曲家・宮下健治氏との共演も実現した。

一条貫太

二人でギターを抱えて登場すると、宮下氏自身が「流し」から歌手、そして作曲家になった経歴を持つことから、北島三郎の「ギター仁義」を共演した。一条がギターを弾きながら歌い、宮下氏が熟練のギター演奏で支える師弟の絆が垣間見えるステージとなった。

一条貫太

宮下氏は「一条くんは本当に成長した」と目を細め、続くコーナーでは客席からのリクエストに即興で応える「流しコーナー」を展開。「湯の町エレジー」「北の旅人」「悲しい酒」「あゝ上野駅」などの楽曲をぶっつけ本番で次々と歌い上げた。

一条貫太

デビュー当時に門前仲町の辰巳新道(スナック街)で流しを体験したことがある一条。昭和時代のレコード収集が趣味でもある一条の、高い対応力と歌唱力が光った。

3時間を超える熱狂、10周年に向けた「男の誓い」

本編終盤は、「やんちゃ船」「男の漁場」「大漁太鼓」といった、一条の真骨頂である海をテーマにした男歌で畳み掛けた。

一条貫太

一条貫太

一条貫太

一条貫太

本編最後は、今や彼の代名詞ともなった「北海の篝火」。エンディングではマイクを通さず、圧倒的な声量の“地声”で歌を届け、900名の観客の心を震わせた。

一条貫太

一条貫太

「目標はNHK紅白歌合戦と日本レコード大賞のステージに立つこと。今年も年末の2日間(12月30日・31日)はスケジュールを空けて待っています。軸はぶれずに、男の歌、海の歌といえば一条貫太と言われるように精進して歌っていきます」

来る10周年に向け、本番前にそう語っていた一条。本番のステージでも「これからも歌の道を頑張って、男の歌を歌い続けます」とその決意を熱く語った。

予定時間を大幅にオーバーし、休憩を挟んで約3時間に及んだ“胸熱”のリサイタル。「今日が10周年に向けての一歩です」と語った一条貫太の目には、さらなる荒波を乗り越えていく覚悟が宿っていた。

一条貫太

 


2026年1月14日発売
一条貫太「兄弟波止場」
タイプA
一条貫太

「兄弟波止場」
作詩/万城たかし 作曲/中谷照明 編曲/竹内弘一
c/w「生意気酒」
作詩/水木れいじ 作曲/池田健太郎 編曲/竹内弘一
日本クラウン CRCN-8810 ¥1,500(税込)

【Amazon】一条貫太「兄弟波止場」(タイプA)

タイプB
一条貫太

「兄弟波止場」
作詩/万城たかし 作曲/中谷照明 編曲/竹内弘一
c/w「野良犬のブルース」
作詩/海峡わたる 作曲/川口哲也 編曲/水谷高志
日本クラウン CRCN-8811 ¥1,500(税込)

【Amazon】一条貫太「兄弟波止場」(タイプB)

関連記事一覧