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北岡ひろし

デビュー40周年に向かって! 女形歌手の北岡ひろしが新春公演でファンを魅了。ゲストの吉田ひろきとはデュエットも披露。

北岡ひろしが1月22日、東京・台東区の浅草5656会館(ときわホール)で「北岡ひろし新春特別公演」を開催。恒例となりつつある同会館での新春公演だが、ゲストに吉田ひろきを迎え、個性豊かで鮮やかな「和」のステージを見せてファンを魅了した。

北岡ひろし

北岡ひろし

「この3年間はコロナ禍でございましたが、今年は少しずつ明るさを取り戻していくんじゃないかなと思っております。昨年と同じ会場で新春公演をさせていただきますが、昨年は大変な時期でして、お客様も少なかったんでございますが、今年は会場いっぱいのお客様が来てくださり大変うれしく思います」

唯一無二の女形歌手として確固たる地位を築く北岡は、デビュー35周年記念曲「不滅の愛」をオープニング曲に、そのカップリング曲「紅の蝶」、2015年リリースの「寂しいっしょ」とそのカップリング曲「雨の鶴岡」を披露する。「雨の鶴岡」は故郷(山形県鶴岡市)を舞台にした失恋の歌。北岡自らが作家名・南波洸として作詞した作品だ。

北岡ひろし

1984年6月、16歳の時に「根本ひろし」としてデビューした北岡。1991年に出身地の北国・鶴岡にちなんで、北岡ひろしと改名し、歌手として岐路に立った10年目には、幼い頃から習っていた日本舞踊を活かして、唯一無二の女形歌手として再始動。以来、ファンを夢の世界へと誘ってきた。

「おかげさまで歌手になって39年になったんですよ。早いでしょう? 3つの時にデビューしたのでございます。アハハハ・・・。でも、いい年齢になってきまして、歌の意味がわかって歌えるようになったかなと思っています。40周年に向かって歌っていきたいと思います」

軽口でも観客を笑わせると、北岡は浅草が舞台の作品として、「浅草メロドラマ」(島倉千代子)、「あさくさ物語」(水前寺清子)、「竹屋の渡し」の3曲を披露すると、ここでいったん、ゲストの吉田ひろきにステージを任せた。

吉田ひろき

北岡ひろしがMCを務めるラジオへの出演をきっかけに、この日のゲスト歌手として登場した吉田ひろき。

吉田ひろき

吉田ひろきは「あの日の恋」「無償の愛」「瞳の願い」の3曲を披露した。

吉田ひろきは、東京藝術大学で声楽を学び、クラシックを中心にオペラ公演やコンサートに出演。学校で音楽教師を務めたこともある。北岡のラジオ番組に吉田が出演したことが縁となり、この日のゲスト出演となった。

「皆さんとできたご縁を大切に一生懸命歌わせていただきます」と、吉田は2018年のデビュー曲「無償の愛」や新曲「あの日の恋」などを届け、北岡にステージを返した。

北岡ひろし

北岡ひろし

北岡ひろし

筑紫霞弥、尾上嘉之介による舞踊のあと、古式宮中のイメージで大垂髪(おおすべらかし)の髪型で登場した北岡は五輪真弓の「恋人よ」などのカバー曲を独自の雰囲気で歌唱し、後半のステージへ。

北岡ひろし

北岡ひろし

金屏風の前で、所作の美しさが問われる「六段くずし」を舞う芸妓姿の北岡ひろし。

北岡ひろし

「木遣りくずし」「芸者音頭」では、日本舞踊の筑紫霞弥と尾上嘉之介が立方として華を添えた。

北岡ひろし

まずは端唄「六段くずし」で日本舞踊を披露すると、北岡は吉田ひろきとのデュエットで「忘れな草をあなたに」、そして自身の作品から「おんな雪」「三つの氷」などを聴かせた。

北岡ひろし

北岡ひろしと吉田ひろきと名曲「忘れな草をあなたに」をデュエット。

北岡ひろし

吉田ひろきは北岡ひろしのことを「マイナスイオンのような人」と評した。

「この6月で40周年になります。ひとつずつ丁寧に歌っていきたいと思います。北岡ひろしがやっている女形(の歌手)は、日本にひとりしかいません。日本の女形の文化をひとりでも多くの方に知っていただくためにも、いつまでも綺麗でいたい。40年も歌って来ることができたのはお客様のおかげです。いろんなことがありますが、常にいいことを胸に置いておき、いつも心に花を咲かせるような生き方をしたいなと思います。いつも思っていることがあります。『置かれた場所で咲きなさい』(渡辺和子・著)という本があります。その言葉がとっても好きです。自分が置かれた環境の中で、一生懸命、花を咲かせていきたいと思います」

北岡ひろし

北岡ひろし

北岡はラストの曲として、最新曲「伏見十石舟」を披露した。同曲は京都・濠川に架かる弁天橋のたもとから発着する遊覧船が舞台。もしかして千年前に逢ってた? 船で出会った東男と京女の新しい恋の物語だ。北岡は作詞の本橋夏蘭氏が会場で見守る中、これまで支えてくれたファンに感謝の歌声を届けた。

北岡ひろし

鳴りやまない拍手。アンコールに登場した北岡ひろしが選んだ楽曲は、美輪明宏が歌った「老女優は去り行く」だった。美輪自身が作詞・作曲したシャンソンで、舞台に人生を賭けた年老いた女優の人生が歌われている。主人公は16歳の時に夢を描いて街へやって来た少女。16歳で歌手デビューした北岡自身と重なる部分もあり、歌い終えた北岡は「ありがとう~ッ、ありがとう~ッ」と客席に叫んでいた。

北岡ひろし

 

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2021年6月16日発売
北岡ひろし「伏見十石舟」
北岡ひろし

「伏見十石舟」
作詩/本橋夏蘭 作曲/岡千秋 編曲/竹内弘一
c/w「三つの氷」
作詩/南波洸 作曲/岡千秋 編曲/竹内弘一
徳間ジャパンコミュニケーションズ TKCA-91354 ¥1,350(税込)