
【ライブレポート】石原詢子がバースデーライブで届けた“悲しい恋の歌”と、初挑戦のギターの弾き語り
石原詢子が1月12日、東京・品川区のライブハウス「天王洲アイルKIWA」にて、58歳の誕生日を祝う恒例のバースデーライブを開催。昨秋発売した新曲「恋雨~KOISAME~」の世界観に合わせ、“切なく悲しい歌”をメインテーマに、自身のヒット曲からジャンルの垣根を越えたカバー曲までを熱唱。さらに、この日のために練習を重ねてきたギターの弾き語りをファンの前で初披露し、会場を感動と温かい拍手で満たした。

運河の夜景に誘われて
会場となった「天王洲アイルKIWA」は、運河沿いに佇む大人のための音楽空間。ライトアップされた運河沿いの夜景が、これから始まる特別な一夜への期待感を高めた。
1988年にデビューし、気さくで天真爛漫なキャラクターと、詩吟の師範でもある確かな歌唱力で長年ファンを魅了してきた石原詢子は、2025年9月17日にシングル「恋雨~KOISAME~」をリリースした。石原自身が“いとう冨士子”名義で作詞を手掛け、作曲はフォーク・デュオ「雅夢」時代に「愛はかげろう」を大ヒットさせたレジェンド・アーティスト、三浦和人が担当。石原が雅夢時代から三浦の大ファンだったことから実現した作品。悲しい時に聴きたい、究極のバラードとして話題を呼んでいる。


テーマは“悲しい恋の歌”
誕生日に開催される「石原詢子アコースティックライブ」。“悲しいしい恋の歌セレクション”と題された今年は、オリジナルソング「三日月情話」「桟橋」、そして大表曲「みれん酒」から幕を開けた。
二胡やヴァイオリンのイメージが強い「三日月情話」は、ギターサウンドが印象的なアレンジに様変わり。また、「みれん酒」はアコースティックな雰囲気で、まったく新しいアレンジ。「この形で再び発売したいほどお気に入りです」と、石原も笑顔で語るほどだった。


「桟橋」は船が行き交う桟橋を舞台に、失恋の現実を受け入れられない女性の切なさが歌われている。まさに、ライブ会場のロケーションに相応しい選曲だった。
“悲しい恋の歌”の選曲は、ファンからのリクエストをもとに行われた。ほか、髙橋真梨子の「ごめんね…」、竹内まりあの「駅」といったポップス、「やっぱり演歌はいいですよね」と、吉幾三の「情炎」や大月みやこの「白い海峡」といった演歌作品も歌唱された。

「モテなかったんです」と告白
ライブ中盤には、ファンとの温かい交流の中で彼女の人柄も垣間見えた。
「よく取材で、『石原さんってモテましたでしょ?』って言われるんですよ。全然モテなかったんです!」と自身の恋愛体験を語り始めたのだ。
「うちの父親が詩吟の家元だったので、何かにつけて出たがるんですよね。で、私を引っ張り出してくるんで、目立つ子にはなっていました。でも、だからといってモテるというわけではなくて、あんまり告白をされたっていう記憶はないんです。『付き合えない』って断られたことは何回もありますけど(苦笑)」と会場を沸かせると、「これからですよね!」と、ファンに語りかけていた。

自身の音楽体験を歌で綴る
さらに、自身の音楽体験を語りつつ、70年代~80年代のヒット曲にも挑戦した。
「私が物心ついた頃はアイドル全盛の時代でした。音楽番組ではジャンル分けもなく、山本譲二さんがふんどし姿で『みちくひとり旅』を歌われていたり、大川栄策さんが箪笥を担いだりしていました(笑)。佳山明生さんと日野美歌さんが歌われた『氷雨』がランキング番組で、1位と2位になったこともありました」
そんな思い出を語りながら、石原は「悲しみがとまらない」(杏里)、「難破船」(中森明菜)、「池上線」(西島三重子)の3曲を連続して届けた。「いい歌ですよね」と話していた「池上線」は、ファンからのリクエストがもっとも多かった一曲だ。


新たな挑戦、新曲「恋雨~KOISAME~」を披露
「昨年は、吉祥寺のライブハウスで歌わせていただきましたが、つい3日ほど前のような気がします。楽しい時間はあっという間です。最後にこの曲を歌わせていただきます」
「ええ~!?」というファンの反応を楽しむように、石原は本編の最後に新曲「恋雨~KOISAME~」を披露した。“冷たい雨がやがて雪に変わる”という歌詞があるが、痛切な心情を、冬の情景に重ねて描き出した同曲。“演歌歌手”を芯に起きつつも、芸の幅を広げたいと挑戦したニューミュージックの一曲だった。


ギター弾き語りを初披露!
そして、この日のハイライトが、ギターの弾き語り初披露だった。「112」と背番号がプリントされた新作の応援ユニフォームをアレンジして着用し、アンコールに登場した石原はギターを手にしたのだ。この日、演奏でも石原を支えていたギタリストの近野真一氏に師事し、昨年の7月頃からギターの練習を重ねてきたという。



「デビュー30周年の中野サンプラザでは、2200人のお客様の前でピアノを披露しました。『やりたかったけど、できなかったことをやろう』と思って、五十の手習いではありませんが、挑戦しました。一曲入魂と言いますが、我ながらあとにも先にも、あの時のピアノが一番でした(笑)。そして、今日のライブでも同じように、やりたかったけどできなかったことをやろうと、ギターを練習してきました」
ファンは合唱で石原詢子にエール
30周年ライブとも想い出と重ね合わせる石原だったが、「言っときます、期待しないでください」と続けると、緊張の面持ちでアコースティックギターを構えた。
「ああ~、こっち(ギター演奏)に集中して、歌えないかもしれない……。この曲(コード進行が)むずかしいんですよね」

不安をのぞかせながらも、自身のヒット曲「風花岬」を披露する石原。切ない歌声と、半年間の練習の成果が詰まった懸命なギターの音色に、客席からはエールを送るような温かい合唱が自然と湧き起こった。
「やったー!」。石原は見事に歌い終えると安堵の表情を見せた。


会場は大きな拍手に包まれたが、石原は「まだ、終わりじゃないんです(苦笑)。もう一曲あるんです」と、さらにフォークの名曲「神田川」(かぐや姫)も弾き語りで披露し、ファンを喜ばせた。

ギタリスト 近野真一に就いてギターを練習してきた石原詢子。無事、弾き語りで「風花岬」を歌い終えると、石原は近野とグータッチをして喜んだ。
ファンと共に歩む未来への誓い
ライブの大ラスは、新曲「恋雨~KOISAME~」へとつながった一曲。作曲を手掛けた三浦和人(元・雅夢)の不朽の名作「愛はかげろう」をカバーした。
「新しい扉を開けたからには、ここからまだまだいろんな道が私には待ってるんだなと、そう思いながら新曲(『恋雨~KOISAME~』)も大切に歌っていきたいと思います。私も元気でいなきゃいけないんですけども、皆様の方がもっと元気でいていただかないと困ります。少なくとも半分以上の方が私より年上でございますから(苦笑)。とにかく一日一日を大切に、これからも健康に気をつけて、皆様もどうぞ長生きをしていただいて、これからもずっと石原詢子を応援していただいて、一緒に歩んでいただけたらと思います」


そして、未来への決意を語った。
「まだまだやりたいこともたくさんあるし、挑戦したいこともたくさんあります。その自分らしさを忘れないで、これからもコツコツと歌ってまいりたいと思います」
この日、石原詢子は歌とギター、そして心からの言葉で、ファン一人ひとりの心に想い出を刻んだ。
記憶に残るバースデーライブ

なお、ギター披露の前には何度もため息をついていた石原。弾き語りが無事終わり、「終わった~」とホッとした表情をみせた瞬間、キーボード奏者が「ハッピーバースデートゥーユー」の演奏で祝福する場門もあった。ステージにはバースデーケーキが運び込まれ、ファンも手拍子と合唱で彼女を祝った。
「は~い、ここからは写真撮影もOKですよ。終わったので万遍の笑みです! きれいに撮ってくださいね!」
その笑顔は、挑戦を乗り越えた達成感と、ファンへの感謝の気持ちに満ち溢れていた。この日、会場は終始、石原の人柄が作り出す温かい空気に包まれていた。大きなステージで魅せるいつもの石原とは異なる魅力が凝縮された、記憶に残るバースデーライブだった。
石原詢子 コメント
改めて“切ない歌”って多いのだなと思いました。詩を細かく解釈していくと、とても奥が深く、一曲一曲、一言一言、丁寧に歌わせて頂きました。ギターは初挑戦でしたが、練習の苦しみの後に得る達成感は大きかったです。ファンの方も「風花岬」「神田川」を大合唱して盛り上げてくださって、とてもうれしかったです! これからも色々なことにチャレンジしていきたいと思います。
2025年9月17日発売
石原詢子「恋雨~KOISAME~」

「恋雨~KOISAME~」
作詞/いとう冨士子 作曲/三浦和人 編曲/樫原伸彦
C/W「愛はかげろう」
作詞/三浦和人 作曲/三浦和人 編曲/樫原伸彦
ソニー・ミュージックレーベルズ MHCL-3141 ¥1,600(税込)






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