『知里のミュージックエッセンス』が放送500回記念コンサートを開催。鳥羽一郎や山川豊、渥美二郎ら総勢22名の歌手が熱唱
千葉テレビで放送中の番組『知里のミュージックエッセンス』が放送500回を記念して6月26日、千葉県の市川市民会館大ホールでコンサートを開催した。このコンサートは日本移植支援&ウクライナ支援のチャリティーコンサートとして行われ、開演前には支援贈呈式が行われた。
知里による「ひこうき雲の先に・・・」の歌唱により始まったコンサート。同曲はデビューシングルであり、番組が始まった2010年6月にリリースされた「やさしい日々」のカップリング曲で、当時、オープニングテーマとして採用された思い出の曲でもあった。
「今日の日を迎えることができて胸がいっぱいです」と口火を切った知里は、「ミュージックエッセンスもおかげさまで500回を迎えました。地元の市川市民会館にたくさんの方がお越しいただきました。本当にありがとうございます」と観客に笑顔を見せた。
大きな拍手に包まれる中、まずはウクライナ出身の歌手・カテリーナがステージに呼び込まれた。来日16年になるカテリーナと知里は今年1月に知り合ったそうだが、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、記念コンサートへの出演を打診した。
カテリーナは民族楽器バンドゥーラの弾き語りで「幸せの鳥」を披露した。同曲は古くから歌われているウクライナ民謡で「木を切らないでください。花を切らないでください。その花はもしかすると、あなたのお母さんかもしれませんよ」という内容の歌だ。カテリーナが歌う間、客席にはウクライナ国旗を掲げる観客もいた。
記念コンサートは一般歌唱部門を経て、まずは杉本真人や西山ひとみら歌手5人が登場。西山は杉本作曲による「ゆうぐれ文庫(ものがたり)」を披露し、すぎもと(杉本氏の歌手活動名)が亡き母のことを歌った「吾亦紅」を、また知里と「時間を止まれ」をデュエットするなどなした。
コンサート前半のフィナーレは知里がソロステージを務めた。太鼓を打ち鳴らして「風林火山」「祭りばやし」で元気よく登場した知里は、「華ロック」「イヨマンテの夜」のほか、華麗なるドレス姿でロングヒット中の新曲「永遠の人」「ひとりにしないで」(「永遠の人」Bタイプカップリング)などを聴かせた。
「ひとりにしないで」はデビュー曲などを手がけてくれた恩師・三島大輔氏が台湾出身の歌手・真唯林(マユリン)」に授けた作品。どちらもすでに他界しているが、知里が引き継いだ。ちなみに知里を歌謡界に導いた三島氏は知里の声を聴いて、「鞍馬天狗がやってくるような、勢いのある少年のような声だ」と評したという。
後半は、山川豊、鳥羽一郎、渥美二郎がそれぞれゲスト歌手らを率いて登場。新曲から、みつき愛が「想人~オモイビト~」、六本木ヒロシが「切札」、竹川美子が「ひとり岬宿」、瀬口侑希が「運命の悪戯」を歌った。もちろん山川は「アメリカ橋」や、鳥羽一郎は「兄弟船」、渥美二郎は「釜山港へ帰れ」といったヒット曲をはじめオリジナル曲で観客を楽しませた。
ゲスト出演を含め総勢22人の歌手が約4時間繰り広げた歌謡コンサートは、渥美二郎と知里のデュエットで「永遠鉄道」を歌唱し、最後にもう一度、知里が「永遠の人」を歌って大エンディングを迎えた。
なお、『知里のミュージックエッセンス』ではこの日のコンサートの模様を7月28日放送回から9月下旬にかけて全5回で放送される。