五木ひろし「遠き昭和の…」 元気でいるかい?

歌手として観客の前で歌えない日々が続くが、挑戦と継承をモットーとする五木ひろしは、立ちどまっていない。五木の願いはとにかく歌を届けることだった。


1971年、「よこはま・たそがれ」をヒットさせ、一躍人気歌手となった五木ひろしは、あれから50年目を迎えている。歌手生活は56年目に入ったが、“五木ひろし”となって50年、つねに歌謡界の第一線を走ってきた。

――新型コロナウイルスによる感染防止のために、当たり前だった日常生活が送れなくなりました。

五木 私も長いこと歌手生活をしていまして、もう56年目に入ります。売れない時代がありましたが、忙しくなって以降、50数年を振り返っても、これだけの期間、歌手としてお客様を前にして歌をお届けできない日々が続くのは初めてです。大変苦しい時間が続いているわけですが、あらためて歌えることの喜びを感じています。

――劇場公演やコンサートも中止や延期を余儀なくされています。

五木 通常の形に戻る日は一体いつになるのかと、そればかりを考える毎日です。歌手にとっては、目の前にいらっしゃるお客様の表情を見て歌を歌うことがいちばんの喜びですから。でも、そんななかでも次の企画を考えたり、 新曲のレコーディングを、本当に最小限の人数で行ったりしています。

――こんな時だからこそできたことはありますか?

五木 朝から晩まで家族といっしょにいて、家族団らんの時間を持てたことですね。年間のうち、3分の1は東京にいない生活をこれまで続けてきましたが、ずっと自宅にいます。飼っているワンちゃんが、とても不思議がっていますが(笑)、喜んでくれています。家族がひとつになっていい時間を過ごすことはできていますね。

――コロナ禍により、新曲のリリースを延期される歌手の方もいますが、五木さんが新曲「遠き昭和の…」を予定通り発売しようと思われた思いを聞かせてください。

五木 皆さんのお近くにうかがって、直接歌をお届けするには、まだ少し時間がかかるかもしれませんが、CDを聴いていただくことはできます。また今はスマホなど、いろんな方法で音楽を楽しむことができます。ですから、毎年のローテーションを崩さずに作品を発表していこうと思いまして、8月26日にはアルバム「演歌っていいね!」のリリースも予定しています。

――「遠き昭和の…」との巡り合わせについて教えてください。

五木 この曲は、小林 旭さんがオリジナルなんです。ここ一、二年、YouTubeなどを通じていろんな曲を聴いていますが、昨年の秋ごろ、この曲を初めて聴きました。「いい、歌だな」と思ったと同時に、「あれ?」と思ったんです。と、いいますのも、再生回数が多いにもかかわらず、どうして私はこの曲を知らなかったんだろうと。たぶん、テレビではあまり歌われなかったのでしょう。でも、YouTubeを観る人にとってみれば、この曲はいい歌だったんです。

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2020年8月26日発売
五木ひろしの新たなチャレンジ
カバーアルバム「演歌っていいね!」

五木ひろし 演歌っていいね!

ファイブズエンタテインメント FKCX-5097 ¥3,000+税

若手からベテラン歌手の様々なヒットソングを五木自ら厳選。新たにすべての楽曲をレコーディングした至極のカバーアルバム

五木ひろしの歌手人生は挑戦と継承でつくられている。歌謡界の第一人者でありながら、歌謡界を盛り上げるために後輩歌手の育成にも力を入れている。そんな五木が後輩歌手に挑戦する。これまで先輩歌手の曲を歌い継いできたことはあるが、8月26日に発売されるカバーアルバム「演歌っていいね!」では、後輩歌手の曲を13曲(全15曲入り。内2曲は五木の既発曲)カバーする。
「五木ひろしとなって50年という節目にふさわしい企画だと思っていますが、私自身がどこまで歌い続けられるかは、ここ数年の課題です。72歳という今の年齢で、若手の歌にチャレンジすることは、大きな勝負だと思っていました。レコーディングもしっかりとやり遂げましたので、発売を楽しみにしていてください」(五木)

【収録曲】
1.VIVA LA VIDA!(五木ひろし)
2.俺でいいのか(坂本冬美)
3.男の庵(鳥羽一郎)
4.満ち潮(川野夏美)
5.唇スカーレット(山内惠介)
6.雪恋華(市川由紀乃)
7.望郷山河(三山ひろし)
8.水に咲く花・支笏湖へ(水森かおり)
9.アイヤ子守唄(福田こうへい)
10.紙の鶴(丘みどり)
11.倖せの隠れ場所(北川大介)
12.尾曳の渡し(森山愛子)
13.純烈のハッピーバースデー(純烈)
14.最上の船頭(氷川きよし)
15.春夏秋冬・夢祭り(五木ひろし)
※(  )内はオリジナル歌手

 

2020年7月8日発売
昭和の時代を懐かしむ
五木ひろし「遠き昭和の…」

五木ひろし「遠き昭和の…」

「遠き昭和の…」
作詞/高田ひろお 作曲/杉本眞人 編曲/義野裕明
c/w「365本のひまわり」
作詞/田久保真見 作曲/五木ひろし 編曲/猪股義周
c/w「愛は永遠に」 
作詞/田久保真見 作曲/五木ひろし 編曲/若草 恵  
ファイブズエンタテインメント FKCM-45 ¥1,364+税

「遠き昭和の…」は小林 旭が2010年に発売した同曲のカバー。五木ひろしがしみじみと心を込めて歌い上げている。令和の時代になって、よりいっそう遠くなった「昭和」の時代を懐かしく振り返る作品だ。カップリング曲の「365本のひまわり」はコロナ禍により、自粛生活を余儀なくされているすべての人に、元気と勇気を届けたいという思いが込められた曲。もう一曲のカップリング曲「愛は永遠に」は洋楽のバラードをイメージし、「愛」と「永遠」という人類恒久のテーマを壮大なアレンジで仕上げた。どちらも五木がメロディーを手がけた。