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五木ひろし劇場

明治座での「五木ひろし劇場」が開幕。台本なし、アドリブ満載の歌謡エンタメに、若手歌手はグッタリ、観客はホッコリ!?

東京・明治座での「五木ひろし劇場」が5月13日に開幕し、終演後、出演者が会見に臨んだ。同公演は三部構成となっており、第一部では「不滅のメロディ 昭和の五大作曲家を歌う」と題して、五木が五大作曲家たちに扮し、弟子(生徒)を演じる若手歌手に魂の歌唱指導を行う。

初日は五木が遠藤実氏として登場し、来る歌謡ショーに向けて山本リンダと島倉千代子(ともに市川由紀乃)、一節太郎(ベイビーブーのケン)、北原健二(辰巳ゆうと)、渡哲也と小林旭(ベイビーブーのチェリー)、舟木一夫(新浜レオン)、三船和子(朝花美穂)と軽妙なやりとりを見せた。

五木は遠藤氏の弟子である千昌夫としても登場し、名曲にまつわるエピソードを披露しつつ、五木のアドリブに奮闘する若手とのやりとりに観客は笑った。

五木ひろし劇場

遠藤実氏に扮して、舟木一夫役の新浜レオンに歌唱指導を行う五木ひろし。(C )明治座

この日は遠藤実氏の遺族も客席で見守っていた。五木は「人づてですが、私のいろんな話を聞いて、娘さんが父とそっくり。とくに指揮をしているときの姿がそっくりで、私が話した内容に、驚くほどよく知っていらっしゃると言ってくださったそうです。うれしく思います」と、初日を終え手応えを感じていた。

明治座での「五木ひろし劇場」は5月22日まで行われ、五大作曲家として遠藤氏のほか、𠮷田正氏、船村徹氏、服部良一氏、古賀政男氏が順次登場する。

五大作曲家をテーマに歌謡エンターテイメントを届けるのは、五木にとって初の試みだった。

「日本を代表する作曲家へのリスペクトもありますし、作曲家の先生が残された名曲を継承していきたいという思いがありました。ですからこの企画のために準備したのではなく、前々からこうした企画をやりたいと思ってしました。プロ歌手になって57年目。どこまで頑張れるかわかりませんが、先輩方が築き上げた歴史をしっかりと若手の皆さんにつないでいくのが自分の使命だと思っています。もちろん、お客様には歌をじっくり聴いていただきたいですし、楽しい舞台だったなと思っていただきたいですね」

五木ひろし劇場

初日の舞台では新浜レオンが舟木一夫役として「高校三年生」を歌唱。レッスンシーンでは「舟木一夫です」と挨拶する新浜に、五木扮する遠藤実先生が「本名はなんて言うの?」とアドリブで質問。「本名ですか!? 何だっけなあ」とタジタジにさせられる場面も。(C )明治座

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朝花美穂は、のちに遠藤実氏が社長を務めたミノルフォンレコード第1号歌手としてデビューした三船和子を演じ、「他人船」を披露した。(C )明治座

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辰巳ゆうとは北原健二を演じ、「若いふたり」を歌った。レッスンシーンでは五木が北原独自の歌い方を辰巳に指導するが、手振り身振りでやり過ぎてしまう辰巳に「虫とってんじゃないんだから」とダメだし!?(C )明治座

五木ひろし劇場

市川由紀乃は自身の座長公演でも演じた島倉千代子として「からたち日記」を届けた。レッスンでは山本リンダも演じ、五木ひろし演じる遠藤実先生との“こまっちゃうナ”レッスンで、セクシーに腰をフリフリしていた。(C )明治座

五木ひろし劇場

五木ひろしは公演を通じて二役を演じる。初日の「遠藤実歌謡ショー」のシーンでは遠藤実氏として指揮者を、千昌夫として「星影のワルツ」を歌った。(C )明治座

台本なしの熱血指導が楽しかった「五木先生の歌う! SHOW学校」の舞台で鍛えられた市川由紀乃は、セクシーな山本リンダや、おしとやかな島倉千代子を演じて笑いと感動を与えていたが、まな板の鯉状態となった他の出演者はタジタジとなる場面も。新浜は「緊張しっぱなしだった」、ベイビーブーのチェリーは「何も応えられなくて・・・。でも、そんな時は五木さんが客席にバレないようにパスを出してくださって。神様にみえました(笑)」と話していた。

しかし、その必死さが笑いを生み、作家の先生と弟子とのエピソードの披露につながり、観客は「へぇ、そうなんだ」と納得させられていた。

共演者も市川が「新たな発見があった」と言えば、ベイビーブーのユースケは「身が引き締まる思いで挑戦した」、「いろんなことを吸収したい」(辰巳)、「今回学ぶことを今後に活かしたい」(朝花)、「僕にとっての財産になる」(新浜)と、残りの公演に向けて意気込んだ。

五木ひろし劇場

第三部の五木ひろしビッグショーでは「契り」「山河」など自身のヒット曲を披露。着物姿ではベイビーブーのコーラスで、新曲「北前船」を熱唱した。(C )明治座

「五木ひろし劇場」の第二部では五木が司会者となり、若手が持ち歌を披露し、第三部では五木ひろしが自身のヒット曲を昭和~平成~令和と歌い継ぎ、劇場での歌唱は初となる5月25日発売の新曲「北前船」を披露した。

「コーラスのベイビーブーが盛り上げてくれました。『北前船』を初めて聴いたというお客様がほとんどだと思いますが、着物姿で歌う『北前船』に期待をしてくださっている感じがヒシヒシと伝わってきました。“動く総合商社”と言われた北前船の寄港地は日本遺産にもなっています。そんな歴史も歌を通じて我々がつないでいかないといけないと思います」

盛況のうちに初日を終えた五木は、「大勢のお客様が来てくださり、初日を盛り上げてくださいました。また共演者も頑張ってくれました。この勢いで千穐楽まで頑張って務めていきたいと思います」とコメント。公演のフィナーレでは、「先生方も替わりますので、1回と言わず、ちょこちょこと足を運んでいただければうれしく思います」と観客に訴えていた。

 

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初日を終えた共演者コメント

五木ひろし劇場

経験豊富な市川由紀乃は他の若手とは異なり、第一部では舞台を支えてもいた。ゲストオンステージでは新曲「都わすれ」など全3曲のオリジナル曲を観客に聴かせた。(C )明治座

市川由紀乃
コロナ禍の中で、お客様の前で歌わせていただける機会は本当にありがたくて、こういう機会をいただけたことに感謝の気持ちでいっぱいです。日本を代表する素晴らしい作曲家の作品にチャレンジできることがうれしいですし、作品に関する新たな発見もありました。「五木先生の歌う! SHOW学校」では、五木先輩にお笑いの方でもビシバシ育てていただいていますので、そんなことを思い出しながら演じました。皆様がマスクの内側で笑顔になっていただいていることがすごくうれしかったです。


五木ひろし劇場

五木ひろし劇場で陰に日向に大活躍したのがベイビーブー。弟子を演じたり、五木の代わりに代稽古をしたり、歌謡ショーの司会をしたり、そして五木の新曲披露にはコーラスとしてステージに上った。(C )明治座

ベイビーブー(ユースケ)
五大作曲家を歌うということで、五木さんからベイビーブーに「君たちは知っている曲もたくさんあるだろうから、オープニングで歌うところを任せたんだ」というお話をいただきました。また五木さんが五大作曲家の先生方から学ばれてきたことを、僕たちのような下の世代に伝えてくださっていますので、身が引き締まる思いで挑戦させていただきました。開演前のミーティングでは、「とりあえず楽しんでいこう」と五木さんがおっしゃってくださって、本当に準備さえしていれば本番は楽しく過ごせるんだという、五木さんの姿を近くで学ばせていただきました。残り9日間、楽しく過ごせるようにしていきたいと思います。


五木ひろし劇場

辰巳ゆうとは新装盤がリリースされたばかりの新曲「雪月花」などを披露。こちらは沖田聡司の生き方をモチーフにした作品。(C )明治座

辰巳ゆうと
五木先輩と一緒に明治座さんのステージに立たせてもらえて夢のような時間でした。五木先輩のピアノで歌わせていただいて、(公演とはいえ)この時間自体が貴重な経験ですし、誰しもが経験できることじゃないと思います。人生のおいても、すごく大事な時間を過ごしていると感じました。また、五大作曲家の歌を歌い継いでいくことに、勉強になることがたくさんありました。いろんなことを吸収しながら、でも、来ていただいたお客様にたくさん笑顔に、幸せになっていただけるよう自分自身も力になれたらなと思いました。


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デビュー5年目の朝花美穂は新境地を開く「しゃくなげ峠」などを披露。こちらは4月に発売された5枚のシングルとなる。(C )明治座

朝花美穂
今回、明治座様の舞台に立たせていただきまして、何よりも五木ひろしさんはじめ先輩方と共演させていただくことは、私にとって本当に夢のようでした。舞台に立ちながらも、また楽屋にいるときも信じられない気持ちでした。五大作曲家の先生方の作品では、初めて聴かせていただいた曲もたくさんあります。今回学ぶことを今後に活かせるように頑張りたいと思います。千穐楽まで一生懸命頑張ります。

五木ひろし劇場

新浜レオンはデビュー記念日である5月1日にリリースした配信シングル「ジェラシー~運命にKissをしよう~」などを元気よく歌った。(C )明治座

新浜レオン
緊張の連続でしたが、五木さんのステージを袖で見させていただくことができたのは僕にとって財産です。この公演では一分一秒、五木さんの姿を見逃さないようにしていきたいですね。また今回、明治座さんのステージで歌えたことは、五木さんはじめ素晴らしい先輩方のおかげです。ですから、僕と同世代の人に、こんなにも素晴らしい日本の歌がたくさんあるんだということを伝えていきたい。それが僕たちの使命でもあると思うので、少しでも継承して伝えられるよう、“がんばレオン”していきたいと思います。

 

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INFORMATION

五木ひろし

2022年5月13日(金)~5月22日(日)
五木ひろし劇場
こんな時代だからこそ届けたい歌があるー。昭和を彩った名曲とともにお贈りする五木劇場、ここに開幕!

第一部 不滅のメロディ 昭和の五大作曲家を歌う
五木ひろしが五大作曲家たちに扮して若手歌手に魂の歌唱指導! 日替わりで昭和を彩った音楽の魅力をひもといていくー

5月13-14日 遠藤実
5月15-16日 𠮷田正
5月17-18日 船村徹
5月19-20日 服部良一
5月21-22日 古賀政男

第二部 五木ひろしプレゼンツ ゲストオンステージ
五木ひろしと人気若手歌手がお贈りする夢の響演!

第三部 五木ひろしビッグショー
「よこはま・たそがれ」「契り」「山河」など誰もが知る代表曲のオンパレード。新曲「北前船」も舞台初披露。五木ワールド、ここに極まれり!

出演:五木ひろし
ゲスト:市川由紀乃
○○○○朝花美穂、辰巳ゆうと、新浜レオン、ベイビーブー(50音順)

開演時間: 12:00/17:00
料金(税込):S席/(1・2階席)10,000円/A席(3階席)5,000円
※6歳以上有料/5歳以下のお子様のご入場はご遠慮ください。
※1階席の1列目は販売対象外といたします。

チケットの購入やその他詳細は明治座ホームページへ
▶明治座ホームページ

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