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五木ひろし、市川由紀乃

五木ひろしと市川由紀乃が意欲。明治座で開幕する五木ひろし劇場で五大作曲家による昭和歌謡が蘇る!

五木ひろしの音楽エンターテイメントが開幕する。5月13日から東京・明治座で「五木ひろし劇場」が行われ、昭和を彩った名曲が届けられるのだ。ゲストには市川由紀乃のほか、若手期待の歌手や、コーラスグループのベイビーブーが参加。「150年の歴史を持つ明治座という劇場には独特の雰囲気があります」と語る五木は、「そんな劇場での公演で、お客様に感動していただき、想い出を残していただきたい」と意欲をみせる。開幕を前に、五木と市川に話を聞いた。



五木ひろし

五大作曲家による昭和歌謡が蘇る

――「五木ひろし劇場」はどんな公演になりますか?

五木 明治座さんとは長いお付き合いをさせていただいています。コンサートを含めて今回で28回目の公演になりますが、昨年は予定していた「新春『五木先生の歌う!SHOW学校』舞台版」の公演がコロナ禍で中止となりました。ですので、今年こそは“SHOW学校”の舞台を実現するという選択肢もありましたが、思い切って新しいものをやろうと考えまして、閃いたのが遠藤実先生から𠮷田正先生、船村徹先生、服部良一先生、古賀政男先生という五大作曲家を歌うというテーマでした。素晴らしい作曲家の先生方を改めてリスペクトする公演にしたいと思っています。

――どのような構成になりますか?

五木 公演は三部構成で、第一部が「不滅のメロディ 昭和の五大作曲家を歌う」と題して五大作曲家と当時の歌手を演じながら歌います。いい歌を取り上げると同時に、お客様に楽しんでもらおうと、笑いが生まれるような雰囲気も作り出していきたいですね。第二部はゲストの歌をご紹介し、第三部は私の懐かしい歌から新しい歌をお届けします。第一部から第三部まで音楽づくしの公演になります。

――今回の公演には若手歌手から朝花美穂さん、辰巳ゆうとさん、新浜レオンさん(五十音順)が参加されます。

五木 私も売れない頃、先輩の前歌をさせていただいたり、地方公演へ連れて行ってもらって、一曲だけでも歌わせていただいたり・・・。また舞台袖で先輩の歌を聴かせていただいたことがすごく勉強になりました。「スターとはこういうものだ」という憧れと同時に、目標を持つこともできました。僕自身は弟子を一切とりませんが、若手にはチャンスを与えたいと思っています。

――これまでも、五木さんの舞台から多くの若手が育ちました。

五木 芝居の経験がしたいというので、市川由紀乃ちゃんもそうですが、若手歌手の多くが私の舞台で経験を積んで劇場での座長公演を務めることができるようになりました。彼ら彼女たちが成長していくことはうれしいことです。僕も頑張りますが、ベテランから若手までが活躍することで、歌謡界の世界が広がることも大切だと思っています。

五木ひろし

明治座での28回目となる劇場公演に臨む五木ひろし。「こんな時代だからこそ届けたい歌がある」と、昭和の五大作曲家が手がけた昭和歌謡を現代に蘇らせる。

先生と生徒の二役を演じる五木ひろし

――今回、3人の若手に白羽の矢を立てた理由を教えてください。

五木 若手にチャンスを与えても、応えられる歌手と応えられない歌手がいます。様々です。でも、僕が声をかけるということは可能性があると思っているということです。長年、歌謡界でお世話になってきましたから、「この子は伸びていくだろうな」とか「この子にこういうことをさせたらいいだろうな」とか、自分なりに見極める目を持っているつもりです。3人が由紀乃ちゃんみたいに伸びてくれるとうれしい。私の舞台に立つと、縁起がいいと言われることもあるんですよ(笑)。紅白歌合戦への出場や、座長公演を実現した人がいっぱいいますから。

――今回の舞台で、若手の3人にはどんなことを期待していますか?

五木 とにかく歌を知ってほしいですね。僕の唯一の自慢は、誰よりも歌をよく知っていることです。とくに子どもの頃から聴いてきた昭和歌謡は、音楽評論家になれるほど知っています。歌を知ることは歌手としてプラスになります。先輩たちが歌ったことで、作品が継承されてきました。勉強したり、聴いたりすることで、歌の本質を学んでほしいと思います。

――五木さんの役どころは?

五木 第一部では先生と生徒の二役をやりますし、第二部では若手のショーの司会を、そして第三部は私のオンステージなので大変に忙しいんです(笑)。第一部では10日間の公演で、五大作曲家の先生を2日ずつ取り上げ、曲目は毎日変わります。遠藤実先生ならそのお弟子さんの千昌夫さんを、古賀政男先生の時は藤山一郎さんを私が演じます。先生がお弟子さんのレコーディングに出かけると、ベイビーブーのひとりが代稽古を行い、その間に私が生徒のひとりに扮して再び舞台に登場します。由紀乃ちゃんにはある時は島倉千代子さんに、またある時は美空ひばりさんや山本リンダさんになってもらいます。若手には時には舟木一夫さんになってもらって、先生としての私が歌唱指導を行います。

――10日間の公演を通じてたくさんの歌が登場しますね。

五木 私は五大作曲家の全員の先生を存じ上げていますし、誰よりも先生方の作品が頭に入っています。企画から構成、演出、音楽担当まで全部を自分自身でやりますし、それぞれの先生方の書籍も全部読んでいて熟知しているつもりです。そのため絶対に取り上げないといけない歌などもわかっています。でも、若手には早め早めに候補曲を渡して、リハーサルを含めて舞台の構成を組み立てていきたいと思います。生徒役では由紀乃ちゃんがいちばん歌を知っていると思いますので、メインとして引っ張ってもらいたいと思っています。また、代稽古役としてピアノを弾いたり、生徒役になったり、司会を担当したりなど、ベイビーブーの5人の活躍も大切になります。

台本はなし! アドリブで歌唱指導

――五木さんと生徒役の歌手とのやりとりも楽しそうです。

五木 それぞれの先生方と親しくさせていただきました。この先生ならこんなふうにレッスンされるだろうというのがわかりますので、舞台ではアドリブで指導します。でも、生徒役になる由紀乃ちゃんや若手はそこまで背景を知らなくていいんです。レッスンのやりとりでは台本もありません。あとは生徒役のゲストがどう応えるかが見所になります。

――観客としてはそこが面白い!

五木 ええ。たとえば遠藤実先生は、千昌夫さんに「もっとくさく歌え」と指導されて、それを彼は一生懸命勉強して歌ったのでヒット曲に恵まれました。また遠藤先生が、ヒット曲が出なくてこまっておられた時に、山本リンダさんがレッスンに来たんですが、レッスンの時に彼女が言った言葉が「リンダ、こまっちゃう」だったんです。その言葉にピーンと来た先生が作詞・作曲され、彼女のデビュー曲となった作品が「こまっちゃうナ」です。それぞれの歌には背景や思いがあり、本当にちょっとした運命の違いで、歌謡界の歴史が変わるような出来事がいくつもあります。ですから、そういうことをアドリブで話しながら昭和の名曲をレッスンしていきたいですね。まあ、自分でも言うのもあれだけど、こんなことをするのは僕しかいないでしょう(笑)。

――舞台に向けて準備も進められていると思いますが、心配事などはありますか?

五木 いちばん心配しているのが髭なんですよ(笑)。古賀先生と遠藤先生は髭を生やされていたので、私も先生役を演じる時は髭をつけます。でも、二役で生徒にもなりますから、その時は髭をとりますが、先生役に戻る時に髭がちゃんとつくかどうかが心配(笑)。

五木ひろし、市川由紀乃

「五木ひろし劇場」にゲストとして参加する市川由紀乃。五木は市川をメインに若手ゲストを牽引してほしいと期待する。

新曲「北前船」を舞台初披露

――第二部と第三部はいかがですか?

五木 第二部は「五木ひろしプレゼンツ ゲストオンステージ」と題して、ゲストの歌を届けます。先ほども申しましたが、司会は私が務めますが、私が務めるかぎりは普通の司会とは違います(笑)。でも、気持ちよく歌っていただきたいので、イントロに乗せて私がナレーションをかぶせるなど、そういうことができたらいいなと思っています。昔の歌謡ステージでは必ず司会者がいたんですね。そんな当時の雰囲気が演出できたらいいなと思います。第三部の「五木ひろしビッグショー」では、時間にかぎりはありますが、皆さんによく知っているいただいている作品や5月25日に発売する新曲「北前船」をお届けしたいと思います。

――北前船は江戸時代から明治時代にかけて運行された商船のことですよね。新曲「北前船」はどのような作品ですか?

五木 日本遺産となっている北前船がスタートして今年は350年の節目の年にあたります。“動く総合商社”と言われ、北は北海道から瀬戸内海を回って大阪まで、各地の寄港地に寄って商売をした歴史があります。そんな北前船をテーマにした作品を歌わせていただくことになりました。勇ましく男らしい歌を作りたいと、作詞は石原信一さんにお願いし、作曲は私がペンネームで手がけました。レコーディングではバックコーラスをベイビーブーが務めてくれました。舞台で「北前船」を歌うのは、明治座の舞台が初めてとなります。景気よく歌って締めたいと思いますし、お客様には勇ましい気分になってお帰りいただきたいと思っています。

――最後にメッセージをお願いします。

五木 直接、目の前にいるお客様に楽しんでいただきたい。感動していただき、想い出を残していただきたい、という思いで活動を続けてきましたが、コロナ禍で普通のことができなくなりました。でも、コンサートなど徐々にいろんな活動が再開できるようになり、お客様へ直接エンタメを届けることの大切さを感じました。コロナの感染状況については楽観できませんが、明治座さんが感染対策をしっかりとってくださいます。明治座という空間に入ってみるとわかると思いますが、独特な世界があり、入場した瞬間に舞台を楽しむ雰囲気を感じていただけると思います。今回、若手ゲストのファンの中には明治座へ来たことがない方もいるでしょう。そういう方にこそぜひ、足をお運びいただきたいですね。そして、明治座という劇場の雰囲気を感じていただきながら、「五木ひろし劇場」を楽しんでください。

 

市川由紀乃 特別インタビュー

市川由紀乃の“こまっちゃうナ”

五木先輩と同じステージ立てることを本当に光栄に思います。歌い手になりたいと夢を抱いていた時から、ずっとテレビで観ていた憧れの尊敬する大先輩です。

明治座さんを始め劇場公演の舞台に立たせていただいたのも、五木先輩がお声かけくださったからです。最初の劇場公演は名古屋の御園座さんでしたが、歌はもちろん、お芝居の経験も、ということで、時代劇でしたが、五木先輩の妻役をさせていただきました。セリフの言い回しや、所作・立ち振る舞いまで勉強させていただき、その経験があったからこそ、自分の座長公演を実現することができました。五木先輩の舞台の経験があってこそです。夢のような経験でした。

五木ひろし、市川由紀乃

五木先輩の舞台は、毎回緊張します。ですけど、それ以上にたくさんのことを勉強させていただいています。今回の『五木ひろし劇場』でも生徒の一員として学びたいと思います。

第一部の「不滅のメロディ 昭和の五大作曲家を歌う」では、若手歌手の皆さんが生まれる前の楽曲をたくさん歌うことになると思います。お客様には懐かしさも感じていただけるかと思います。今回は自分より後輩の皆さんとご一緒させていただきますが、皆さんが新たな発見をするように、私も皆さんから新たな発見の機会をいただきたいと思い、公演をすごく楽しみにしています。

五木先輩がおっしゃったように名曲誕生の背景には多くのエピソードがあります。私自身が山本リンダさん役をさせていただくということや、どの曲をやるかうかがっていなかったので、今、五木先輩のお話をうかがっていて、誠にこまっちゃうナと(笑)。自分が知らない引き出しを、五木先輩が引き出してくださるので、精いっぱいみんなで応えたいと思います。そこをお客様にも楽しんでいただきたいですね。

 

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INFORMATION

五木ひろし

2022年5月13日(金)~5月22日(日)
五木ひろし劇場
こんな時代だからこそ届けたい歌があるー。昭和を彩った名曲とともにお贈りする五木劇場、ここに開幕!

第一部 不滅のメロディ 昭和の五大作曲家を歌う
五木ひろしが五大作曲家たちに扮して若手歌手に魂の歌唱指導! 日替わりで昭和を彩った音楽の魅力をひもといていくー

5月13-14日 遠藤実
5月15-16日 𠮷田正
5月17-18日 船村徹
5月19-20日 服部良一
5月21-22日 古賀政男

第二部 五木ひろしプレゼンツ ゲストオンステージ
五木ひろしと人気若手歌手がお贈りする夢の響演!

第三部 五木ひろしビッグショー
「よこはま・たそがれ」「契り」「山河」など誰もが知る代表曲のオンパレード。新曲「北前船」も舞台初披露。五木ワールド、ここに極まれり!

出演:五木ひろし
ゲスト:市川由紀乃
○○○○朝花美穂、辰巳ゆうと、新浜レオン、ベイビーブー(50音順)

開演時間: 12:00/17:00
料金(税込):S席/(1・2階席)10,000円/A席(3階席)5,000円
※6歳以上有料/5歳以下のお子様のご入場はご遠慮ください。
※1階席の1列目は販売対象外といたします。

チケットの購入やその他詳細は明治座ホームページへ
▶明治座ホームページ

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