藤原 浩「北のみれん酒」。“北の”シリーズ3部作、堂々完結!

2019年2月にリリースした「北のさすらい」、10月の「北の駅舎(えき)」に続く“北の”シリーズ3部作完結編。第一弾はブルース、第二弾は3連リズムのメジャーと曲調に変化をつけてきて、最終盤となる「北のみれん酒」は、酒場演歌としてまとめられ、藤原 浩の新たな局面を見せる作品に仕上がった。

 

“北の”シリーズ3部作を王道演歌で締めくくる完結編

 
藤原 浩の新作は、昨年リリースした2作のシングルを引き継ぎ“北の”シリーズ3部作のファイナルとして、企画そのものは早いうちから決められていた。しかし、その作品をどのような楽曲にするか、具体策は決め切れていなかったという。

シリーズの第一弾「北のさすらい」はブルースを基調とし、第二弾「北の駅舎(えき)」は3連リズムのメジャー調。どちらの楽曲も、藤原自身の個性を素直に反映した作品であった。
その二作品を受けての第三弾。それをどのような楽曲するか、昨秋以降、藤原は担当ディレクターと話し合い、次作に盛り込む一手を模索していた。

そこで出たアイデアが、あえて藤原らしさを抑えた王道演歌への挑戦であった。そしてほどなくして、新作は酒場”をテーマにしようと、その方向性が決まった。2020年を迎えてからのことだった。

テーマが決まったのち、藤原は作曲家・徳久広司氏の事務所をたずね、新曲の制作を依頼する。

 「初めてのことでしたね、先生の仕事場にまでおうかがいして作曲をお願いするなんていうのは。でも、その場で先生が引き受けてくださって、いろいろと雑談をさせていただきながら、仮歌ができあがりました。小一時間ほどでした。『こんな感じかな?』『あ、イイですね、イイですね』っていう感じで」

この新作で藤原と制作スタッフがいちばん意識したのは、これまでの藤原らしさという“枠”にはまることなく、新たな歌手・藤原 浩を表現すること。

「大衆酒場のイメージで、あえて泥臭い演歌を目指しました。ぴんからトリオさんみたいな感じと言いましょうか……」

しかしながら、王道演歌の雰囲気たっぷりに仕上がった作品を、そのまま泥臭く歌い、酒場モノとして制作することにはならなかった。

レコーディングの当日に、ディレクターの発案で「あえて明るく笑顔で歌ってみよう」ということとなったのだ。王道演歌・酒場演歌のなかに、新生・藤原 浩の息吹を注入したのである。かくして「北のみれん酒」は誕生した。

レコーディングはスムーズに行われたという。この新作では企画段階から、そして楽曲のベースとなる仮歌制作にもかかわってきただけに、あえて藤原らしさを抑えた作品に仕上がった楽曲であっても、藤原本人は躊躇なく歌うことができた。作曲を手がけた徳久氏も「藤原 浩のイメージを少し崩して歌えば」というアドバイスのみだったという。

デビュー25年を経てなお進化をし続けていることを知らしめる作品となった「北のみれん酒」は、藤原 浩の令和の代表曲となるに違いない。
 


2020年5月27日発売
藤原 浩「北のみれん酒」

「北のみれん酒」
作詞/円 香乃 作曲/徳久広司 編曲/伊戸のりお
c/w「星空のブルース」
作詞/円 香乃 作曲/徳久広司 編曲/伊戸のりお
キングレコード KICM-30980 ¥1,273+税

「この楽曲はタイトルも歌詞も切ない気持ちを表していますが、暗くならずに明るく表現しました。カラオケで歌う際には、女性の気持ちを思い描いて歌っていただければと思います」(藤原)。レコーディングではこれまでの自分のスタイルから離れあえて演歌調を意識したという。カップリング曲「夜空のブルース」は、「北のさすらい」の続編として温めていた作品。

 


あわせて聴きたい! “北”のシリーズ

【第一弾】
2019年2月27日発売
「北のさすらい」

「北のさすらい」
作詞/円 香乃 作曲/徳久広司 編曲/伊戸のりお
c/w「命の限り」
作詞/円 香乃 作曲/徳久広司 編曲/伊戸のりお
キングレコード KICM-30908 ¥1,204+税

【第二弾】
2019年10月23日発売
「北の駅舎(えき)」

「北の駅舎(えき)」
作詞/円 香乃 作曲/徳久広司 編曲/伊戸のりお
c/w「心友(とも)よ・・・」
作詞/円 香乃 作曲/徳久広司 編曲/伊戸のりお
キングレコード KICM-30950 ¥1,273+税


 
Profile
藤原 浩
(ふじわら・ひろし)
1960年6月3日、岡山県赤磐市出身。23歳の時に故・遠藤実氏主催の「日本演歌道場認定会」で7段を授与され、氏から上京を勧められるが、家庭の事情からその誘いを断念。数年後、家族の後押しもあり自身の夢を叶えるべく遠藤氏の門を叩く。1年間、弟子入りを志願し氏のもとへ通い、30歳にして内弟子入りを認められる。約3年間の修行生活を経て1994年5月「真情」をリリースしデビュー。昨年、デビュー25周年を迎え、さらに精力的に活動を続けている。