山口瑠美が「私、歌います」と配信ライブ。新曲「天気雨」で笑顔を訴える
溜息つくと しあわせは 逃げていくから 笑うのよ
山口瑠美が4月29日、自宅リビングから配信ライブを行い、新曲「天気雨」を届けた。冒頭の言葉は森坂ともが作詞した「天気雨」の始まりだ。
「人はみんな笑顔で生きているけれど、すべての人が哀しみを抱えていて、それでも歩いている。そんな一曲です」
山口はこの日、東京・江戸川区小岩のCDショップ「音曲堂」でライブを行う予定だったが、都内に緊急事態宣言が発令されたことを受け、延期を余儀なくされた。しかし、今できることをしようと、配信ライブ「音曲堂スペシャルライブ延期~延期になったけど・・・私、歌います編~」を行い、自宅からファンに歌声を聴かせた。
「悲しんで、しゃがんでばかりじゃいられません。今でできることに切り替えましょうということで、音曲堂でお届けする予定だったライブを自宅のリビングから。ここを音曲堂の舞台に見立ててお届けします」
自宅から配信するライブに少し寂寥感も感じていたが、ライブ開始からチャット欄にはコメントが届き、「お客様のお声を感じます」と山口。「天気雨」でオープニングを飾ると、実らなかった恋でもあの時の恋は幸せだった、と振り返る「恋ひととせ」(2019年)、故郷・山口県岩国市にかかる「錦帯橋」を舞台にした「雨の錦帯橋」(2014年)、瀬戸内で暮らす母を想う「みかんの木陰」(「紅殻情話」カップリング曲/2018年)へと歌い紡いでいく。「雨の錦帯橋」ではしばらく帰省できていないと、「岩国市の皆さん、観ちょる方おられますか? ぶち帰りたい」と訴えていた。
思いを込めて選曲した「恋ひととせ」「雨の錦帯橋」「みかんの木陰」の3曲だったが、なかでもデビュー20周年記念曲の「恋のひととせ」はそれまで歌ってきた演歌・歌謡曲とは違い、やわらかいメロディーの曲で、新しいファンと知り合えた大切な曲だった。
「今年22年目に入りますが、ゆっくりと、回り道をしながらではありましたが、ここまで歩かせていただいたことで、『瑠美ちゃんのことを知ったよ』と(新たな)お客様にもお目にかかることができました。幸せな道のりだったと思います」
YouTubeでの配信ライブ「居酒屋瑠美」で披露しているウクレレでの弾き語り、「恋ひととせ」のカップリング曲「お酒の歌」「この道」を披露すると、山口はもう一度、「天気雨」を歌う。
昨年8月にリリースされた「天気雨」は「恋ひととせ」と同じ作家陣による作品。コロナ禍によりファンの前で歌う機会がほとんどないままだったが、「でも・・・」と山口は言う。
「歌に寿命があるものではございません。皆様がこの歌の温かさとか、なんかほっこりしたものを感じていただけるならば、その時が聴き時だと、そんな気持ちでいます」
溜息つくと しあわせは 逃げていくから 笑うのよ
「またきっとどこかで元気にお会いできる日を心から、心から楽しみにしています」。山口はファンに「元気にお過ごしください」と語りかけた。
音曲堂スペシャルライブ延期~延期になったけど・・・私、歌います編~
INFORMATION
山口瑠美 配信ライブ「居酒屋瑠美」
5月8日 15時~
次回の「居酒屋瑠美」ではゲストに新曲「大間崎」をリリースしたばかりの山口ひとみを迎えて届ける。
配信チャンネル:YouTube「山口瑠美事務所♪オフィスアムウル 」
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2020年8月19日発売
山口瑠美「天気雨」
「天気雨」は人生の悲喜こもごもを、親子の情愛と絡めて描いた、どこか懐かしい歌謡曲テイストの作品。カップリング曲の「至高の王将~三吉、小春の物語~2020年バージョン」は2007年にリリースした長編歌謡物語を新録した。2曲はまったく雰囲気の異なる曲だが、「2色の色合いが、20年以上歌わせていただいてきた私の宝物かなと思います。自信作となりました」(山口)。