
懐かしい音楽を聴くと認知症予防にもつながる? 脳医学者監修の「回想で心と身体が元気になる脳活性CD」
カラオケに行って、昔流行った曲を歌ってみたり、テレビやラジオの懐メロ番組を見たり聴いたりすると、「懐かしいなあ」「そういえば、ドライブデートでこの曲をよく聴いたわ」などと、昔の記憶が呼び起こされます。そして、ちょっぴり幸せな気持ちになりますよね。じつはこれ、脳の健康にとってもいいと知っていましたか?
懐かしさが脳を健康に!
厚生労働省の大規模研究によれば、日常生活に支障がない軽度の認知症を含めると2018年時点で高齢者の約7人に1人が認知症であり、2025年には約5人に1人なる予測もあるそうです。こんな数字を聞かされると不安になります。でも、懐かしい音楽を聴くことで、認知症になるリスクを減らしてくれるかもしれません。
脳の発達や加齢のメカニズムを研究する東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授によれば、“懐かしさ”はストレスを解消し、脳の健康にとってもいいそうです。
「私たちは昔を懐かしんでいる時に、甘酸っぱいとか切ないとか、ちょっとした幸せを感じますよね。それは“回想”することで、脳の中の心地よさに関わる神経伝達物質であるドーパミンが出るからです」
瀧教授は脳のMRI画像を用いたデータベースを作成して解析し、脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究を続けています。
「どういう生活をすると、脳がどう加齢するのか。どうすれば認知機能が保たれるのかを研究すると、いかに生活習慣が大切かがわかって来ました。今の脳の健康を維持して、将来の認知症リスクを下げるには生活習慣が重要です」
昭和のミリオンヒットを聴こう!
そのひとつが、“懐かしさ”です。懐かしさとは回想(ノスタルジー)。遠い昔や過ぎ去った過去を懐かしむ気持ちです。
「60年代、70年代の演歌・歌謡曲でも、80年代のロックでも、90年代のJ-POPでも何でも構いません。その曲を聴いた時に懐かしいと思いますよね。さらには、この曲は誰々と聴いたな。誰々は今どうしているかなと回想することで、記憶が人とのつながりへと広がっていきます。懐かしいと思うことで、人は幸福感を感じ、人との温かいつながりも感じることができます。結果として、人生の充足感を感じることができます」
そんな瀧先生が監修されたCDが発売されました。「ノスタルジック・オルゴール 回想で心と身体が元気になる脳活性CD」です。「黄昏のビギン」「君といつまでも」「夜明けのスキャット」など、誰もがこれまでの人生の中で、その時々で何度も何度も聴いたことがある懐かしい昭和のミリオンヒットを中心とした曲がオルゴールの音色で収録されています。
「回想が脳の健康にいいということをもっと知ってもらいたいですね。さらに医学的には認知症予防につながります。古地図を持って街を歩くだけでも、運動と回想が掛け合わされるし、音楽と回想も同じです。仲間とバンドを組んで昔の音楽を演奏したり、カラオケで懐かしい歌を歌ったりすると、そこにコミュニケーションが生まれます」
“幸せの自家発電”で心も身体も健康に
瀧先生は回想することを、“幸せの自家発電”と呼んでいます。
「頭の中には記憶がたくさんあります。それを少しでもうまく使うことで幸せが感じられるきっかけにしてほしいなと思います。主観的幸福感と言いますが、ささやかながら日々幸せを感じることで、ストレスのレベルが下がります。結果的に動脈硬化に関わる高血圧や糖尿病のリスクを下げ、さらには、将来の認知症のリスクも下げることがわかっています」
日々の生活の中に、懐かしさを感じる音楽を聴くことを習慣にするのも良さそうです。あ、そうそう。オトカゼが毎週土曜日朝6時からお届けしているラジオ番組「オトカゼ歌の交差点」では、昭和の歌をお届けするコーナーもあります。こちらも聞いてくださいね。懐かしい音楽との偶然の再会も回想にはとてもいいそうです。
2022年6月24日発売
「ノスタルジック・オルゴール~回想で心と身体が元気になる脳活性CD」

監修:瀧靖之(東北大学加齢医学研究所教授・医師・医学博士)
編曲:ブルーライトワークス
デラ DLSR-126 ¥1,980(税込)
《メーカー情報》
「懐かしさ」が脳にいい!
「懐かしさ」には、ストレスが解消しポジティブになるとともに、脳の健康を維持し認知症のリスクを低下させる効果があると、さまざまな脳科学の研究で報告されています。本作は、一度は耳にしたことがあるであろう昭和のヒット歌謡曲をノスタルジックなオルゴールのサウンドでお届けすることにより、心と身体を元気にする、加齢医学のスペシャリスト東北大学瀧靖之教授監修の脳活性CDです。
こだわりのオルゴールサウンドを使用
このCDに収録されている「α波オルゴール」の美しい響きは、大脳生理学的に配慮された微妙な音のゆらぎ信号が含まれています。このゆらぎ信号でα波が誘発されることにより、心と身体をリラックスさせ、さまざまな能力を発揮させることが期待できます。また「懐かしさ」を感じることにより、脳のドーパミン神経よりドーパミンが分泌され、心身の状態を改善する効果が期待できます。
収録曲
1. 黄昏のビギン(水原弘)
2. 君といつまでも(加山雄三)
3. 夜明けのスキャット(由紀さおり)
4. ブルー・ライト・ヨコハマ(いしだあゆみ)
5. 翼をください(赤い鳥)
6. 喝采(ちあきなおみ)
7. 神田川(南こうせつとかぐや姫)
8. なごり雪(イルカ)
9. 贈る言葉(海援隊)
10. いい日旅立ち(山口百恵)
11. 北の宿から(都はるみ)
12. 冬のリヴィエラ(森進一)
13. 北の国から(さだまさし)
14. 愛燦燦(美空ひばり)
15. 時の流れに身をまかせ(テレサ・テン)
16. 涙くんさよなら(坂本九)
※このCDは歌入りではありません。
商品ページ(全曲ご試聴できます)
https://healingplaza.jp/products/DLSR-126
※製品は上記リンクの当社オンラインショップ他、全国のCDショップ、書店、雑貨店、各通販サイトなどでお買い求めいただけます(在庫状況は各店舗様にお問い合わせください)。
各配信サイトリンクページ
https://lnk.to/DLSR-126
Profile
瀧靖之(たき・やすゆき)
東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター副センター長、東北大学加齢医学研究所教授、東北大学発スタートアップ株式会社CogSmart代表取締役、医師、医学博士。
東北大学加齢医学研究所及び東北メディカル・メガバンク機構で脳の MRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究者として活躍。読影や解析をした脳MRIは、これまでにのべ約16万人に上る。主な著書に『生涯健康脳』(ソレイユ出版)、『賢い子に育てる究極のコツ』(文響社)、『回想脳』(青春出版社)、『脳医学の先生、頭が良くなる科学的な方法を教えて下さい』(日経BP)などがある。『生涯健康脳』『賢い子に育てる究極のコツ』は共に10万部を突破するベストセラーとなり、海外でも複数カ国語で翻訳本が出版されている。テレビ東京『主治医が見つかる診療所』、NHK『NHKスペシャル』、NHK『あさイチ』、TBS『駆け込みドクター!』など、メディア出演も多数。
賢く年を重ねる
元々は理学部生物学科で生き物の研究をしていたという瀧靖之先生。身近に認知症や癌を患った人がいたことから医学の道へ進まれたそうです。さらに臨床の現場ではなく、病気を予防することできれば国民が負担する医療費も抑えることができるし、世の中が幸せになると、脳の発達から認知症予防の研究へと進んだそうです。そんな先生の趣味のひとつが車。幼稚園の時に憧れた車や、運転免許を取得した時に乗りたかった車など、ノスタルジーを感じる古い車を所有しているとのこと。また楽器にも挑戦しているとおっしゃっていました。
「“加齢”と聞くと悪いイメージがあるかもしれませんね。でも、脳は可塑性(かそせい)といって、“変化する力”を持っています。可塑性は加齢とともに悪くなっていくので、3歳からピアノを始めればすぐに上達しますが、80歳から始めると時間がかかります。けれど、必ず上達します。ですから、楽しいことを生活習慣に取り組むと、能力が保たれ、健康が維持されますよ」
瀧靖之=著
『回想脳 脳が健康でいられる大切な習慣』

青春出版社 ¥1,540(税込)
これまで16万人の脳画像を見てきた脳医学者・瀧靖之教授が、日常生活で誰もができる脳が元気になる習慣を紹介した本。「過去を積極的に振り返る」ことが、認知症の医療現場でも「回想法」という治療として取り入れられるほど、過去を振り返った時の“懐かしい”という感覚には脳の活性化を高める効果がある。本書ではそのメカニズムを説き明かすほか、知的好奇心・運動・コミュニケーションの3つの要素と回想を組み合わせた「回想脳ワーク」というオリジナルの方法を解説している。認知症予防だけでなく、日々多忙な人のストレス解消にもつながる。四六判・192ページ