大沢桃子が忘年ディナーショー。ゲストに走裕介を迎え、共作「二人で乾杯」をデュエット
大沢桃子が12月8日、東京・台東区の浅草ビューホテルで「大沢桃子どんどはれ忘年ディナーショー」を開催、サプライズゲストに走裕介を迎え、二人で共作した未発売曲をデュエットするなど楽しい夜のひと時をファンとともに過ごした。
大沢にとって年末恒例のディナーショーだが、同ホテルでの開催は昨年に続いて2回目。ファンはコロナ禍による感染防止対策の実施により、“桃ちゃ~ん!!”という掛け声はかけられなかったが、大沢は「拍手で応えてください」と促し、ファンとの絆を確かめ合っていた。
「2020年ももう師走です。早いなあ。あっと言う間に一年が過ぎたと思っているのは、私だけじゃないと思いますけれども、今日の日を、首を長くして待っていました。皆さんの拍手がうれしいです。デビューして18年目に入りました。『桃ちゃん、頑張って』と言われると、一人じゃないって思えます」
2003年に演歌歌手としてメジャーデビューを果たした大沢だが、すぐに夢を叶えたわけではない。高校卒業と同時に故郷・岩手から上京したものの、アルバイトをしながら歌のレッスンに励む日々だった。当時19歳。居酒屋さんや、お肉屋さん、試食販売員など1週間に4つぐらいアルバイトを掛持ちしながら、歌手を夢見ていたという。
歌の師匠であるエレキの神様、寺内タケシの民謡シリーズからステージを始めた大沢は、「ヒット曲をつくりたいという夢をもって頑張っていられるのは、皆さんのおかげです。皆さんへの感謝、そして故郷への感謝です」と語り、望郷歌「南部恋唄」と「懐郷」を観客の心に響かせる。
ふるさとの訛りなつかし 停車場の人ごみの中に そを聴きにゆく
大沢と同郷の詩人、石川啄木が詠んだ短歌に、「ああ、ホームシックって、こういうことなんだな」と、当時19歳の大沢は心の内を詩にしたというが、その時の思いがデビュー3作目、“次の曲が売れなかったら後がない”と言われて作詞・作曲した「南部恋唄」につながった。一方、「懐郷」は誰にでもある心の故郷へ帰りたいと思う気持ちを歌にした。昨年発表した曲だが、コロナ禍の今年に心を打つ作品となった。
「今年は体の疲れだけじゃなく、心も疲れた一年だったんじゃないかと思います。皆さんと浅草の夜をゆっくり過ごしたいと思います」
▲「どうですか? 似合っていますか?」とファンに問いかけていた大沢。鮮やかな着物姿では、「ハマギクの花」や「南部恋唄」「懐郷」のほか、自身20枚目となる最新シングル「どんどはれ」を歌った。
▲感染症防止対策が採られたディナーショーでは、円卓ではなく、長机が用意された。「今まで見たことがない景色が私の方から見えております。ディナーショーなのに、どこかの会社の研修会に呼ばれた感じです(笑)」と、大沢は観客を和ませていた。
▲全国ツアーのために用意していた新しい衣装。コロナ禍により着る機会が失われていたが、この日のディナーショーで初お披露目した。エレガントなドレス姿にファンから拍手をもらっていた。
しっとりと始まったディナーショーも、今年発売した「どんどはれ」の披露を経て中盤を迎えると、大沢はエレガントなスパンコールのドレス姿で登場。今年、愛知県名古屋から始まる予定だった全国ツアーのために準備していたドレスを、ここで初披露した。ツアーが中止になってしまったので、「やっと着ることができました(笑)」。
“大沢桃子とスーパーピンクパンサー”として2016年にリリースした「恋する銀座」で会場を盛り上げると、サプライズゲストとして走裕介を招へい。名古屋で行ったディナーショーで一緒したことが縁で共作したという「二人で乾杯」をデュエットした。
大沢が作詞を、走が作曲を担当した同曲はCD化の話も出ているようで、大沢は「皆さんに歌っていただける作品になってほしい。応援をお願いします」と話していた。
▲12月7日に47歳の誕生日を迎えたばかりの走に、大沢から「お酒が好きだとお聞きしたので、辛口の白です」と岩手県葛巻町の名産ワインがプレゼントされた。走は「取ったぞーっ!!」とワインを高々と上げ、うれしそうだった。
▲新曲「流氷列車」を大沢のファンに向けて聴かせる走。「今年はコロナ禍で歌う機会は減ったが、創作活動など音楽を楽しむ時間は増えました。でも、来年は(早くコロナが収束し)普通に歌えるようになるといいですね」
走が「今、頑張っている曲です」と、新曲「流氷列車」を歌ってステージを大沢に戻すと、大沢は手作りのドレス姿で現れる。コロナ禍による外出自粛期間中に作り始めたが、思いのほか時間がかかってしまい、完成したのは2日前。本番ギリギリになってしまったという。
▲ディナーショーの終盤、自作の衣装で登場した大沢は、故郷を舞台にした「イギリス海岸」や、岩手県葛巻市のくずまき高原牧場の展望台“風の丘”で書いたという「風の丘」を歌唱した。
故郷・岩手を舞台にしたお馴染みの「イギリス海岸」と「風の丘」、そして新曲「どんどはれ」のカップリング曲「神戸しのび恋」を歌うと、大沢はエンディング曲としてファンに「夢ごよみ」を贈った。
女はいつでも いつでも 夢ごよみ
また会いましょう ありがとう…
(「夢ごよみ」歌詞より)
「2020年は本当に何もできないうちに終わってしまいました。でも、皆さんとお会いできたことに感謝します。『桃ちゃんを応援してよかったな』と思ってもらえるように、そして2021年に向かって希望を胸に頑張ってまいります。今日は一曲一曲、温かい拍手をありがとうございました」
「夢ごよみ」を歌い終わった大沢は、パーテーションとフェイスシールドの2重の感染防止対策を採りながら、ファン一人一人を“桃ちゃんスマイル”で見送った。
▲すべてのプログラムを終えた大沢は、「一曲一曲、温かい拍手をありがとうございました」とファンに感謝した。
TOPICS
新曲「どんどはれ」リリース記念特別企画
最優秀者10名が生バンドの演奏で自慢ののどを披露
大沢桃子の20作品目となる新曲「どんどはれ」の発売キャンペーンとして実施された特別企画「生オケ発表会」がディナーショーの第1部として行われた。応募作品の中から最優秀歌唱賞に選ばれた10人が大沢の専属バンド「スーパーピンクパンサー」の生演奏で歌唱。徳間ジャパンコミュニケーションズの制作宣伝本部本部長、名郷根雅史氏から表彰状が授与された。
ステージの横で全員の歌唱を聴いていた大沢は、「生オケ発表会では、皆さんの歌声を聴かせていただいて本当に感激しました。思いを込めてつくった曲をこうして歌ってくださったこと、本当にうれしく思いました」とコメントした。
INFORMATION
2021新春特別企画
『大沢桃子有料配信ライブ/エレキDE演歌』
詳細はこちらの記事を参照
大沢桃子が“エレキDE演歌”コンサートを元旦から3週連続配信。チケット発売開始。
2020年5月20日発売
通算20枚目のシングル
大沢桃子「どんどはれ」
「どんどはれ」は大沢桃子が「今日も一日お疲れさま」の思いを込めてリリースした通算20枚目のシングル。山あり谷ありの暮らしの中で、そっとやさしく肩に手を添えて、緊張を解いてくれるような、ぬくもりのある歌。カップリング曲「神戸しのび恋」は港町・神戸を舞台に、好きになってはいけない人への未練を歌う大人の作品で、大沢のこれまでの曲にはなかったムード歌謡曲となっている。作詞は神戸在住の榎本氏が担当した。「桃子さんの魅力をもっともっ神戸の人に伝えたくて、神戸を強調してつくってみました」という。
2020年10月7日発売
「大沢桃子 全曲集~南部恋唄・どんどはれ~」
最新シングル「どんどはれ」、「神戸しのび恋」、前作「懐郷」が初収録されたほか、故郷・岩手への思いを歌った楽曲を中心に選曲された。大沢にとって3年ぶりの全曲集。
【収録曲】南部恋唄/暗門の滝/日本全国ふるさと音頭/みちのく平泉/恋紅しぐれ/石割桜/風の丘/恋し浜/イギリス海岸/うすゆき草の恋/ふるさとの春/夢ごよみ/懐郷 ※/これからも ごひいきに※/どんどはれ※/神戸しのび恋※
※は全曲集アルバムとして初収録