猫星茶々の演歌みち~白雪未弥さんが「じょんから慕情」に込めた決意

厳しいレッスン、長い下積み時代を乗り越えて強い情熱で夢を叶え、5月26日に「じょんから慕情」で念願のデビューを果たした白雪未弥さん。敬愛する師匠のその教えを胸に、遺してくれた作品を大切に歌の道を歩いていく決意を茶々が直撃インタビューしたにゃ~!

 

 

キラキラ輝く雪のような歌声をあなたに

 

白雪未弥さん、初めまして! 猫星茶々です。今日はよろしくお願いします!

白雪 初めまして。キラキラ輝く白雪のように透き通った歌声を、あなたの心に響かせます!“キラキラボイス”の白雪未弥です!

とっても綺麗なお名前と、素敵なキャッチフレーズですね!

白雪 ありがとうございます。「白雪」という名前は昨年、自分で付けました。ずっとかわいいなと思っていて、画数などを調べたら大大吉でこれしかない!と思いました。キャッチフレーズも自分で考えて使っていたんですが、「もう少し短い方がいいんじゃない?“キラキラボイス”ってどう?」とある方にアドバイスをいただいて、短くなりました(笑)。

そうなんですね~。未弥さんは5月26日にデビューされたばかりですが、ずっと歌手を目指していたんですか?

白雪 はい。 10歳の頃から祖母の影響で民謡を習い始めて、ずっと民謡ばかり歌っていました。その中で“歌手になりたい”という夢を持つようになりました。

いわゆる演歌歌手になりたいと思われたんですか?

白雪 漠然と歌手になりたいと思っていて、どのような歌手になったらいいのか?どういう方向で言ったらいいのか?と全くわからない状態で悩んでいた時に、祖母から「『お父う』という歌がとてもいい歌だから歌ってみなさいよ」と言われて、初めて覚えて歌えるようになったのが、「お父う」という演歌だったんですね。後に私が師事する師匠の榊薫人(しげと)先生が作曲された楽曲なんですが、それまで私は演歌というものになんとなく苦手意識があったんですが、この曲はなんかすーっと歌える感じがしたんです。それは、この曲が民謡調演歌だったから。やっぱり私の原点は民謡なのかなと思います。

師匠の榊薫人(しげと)先生に師事されるきっかけは何だったんですか?

白雪  19歳の時に出場した『NHKのど自慢』で「お父う」を歌い、チャンピオンになりました。それをご覧になった先生から、「うちにレッスンに来ませんか」と声をかけていただいたことがきっかけです。その頃は茨城の地元から通っていました。23歳の時に上京して、先生のご自宅の近くに住んで、レッスンに通うようになりました。

師匠のレッスンは厳しかったですか?

白雪 厳しかったですね。音楽はもちろん、芸事にもお詳しくって、厳しいんですけれど普段は涙脆くてとてもお優しい先生でした。怒るけど必ずその後は優しくフォローしてくださって。そして、“歌い手である前にひとりの人間であれ”とおっしゃって、礼儀作法やマナー、義理人情など、人の道を曲げずに生きなさいと叩き込んでいただきました。本当に娘のようにかわいがっていただいたと、本当に感謝しています。

それから今約10年が経って、今回ようやく夢を叶えられたんですね。

白雪 はい。長かったですね……。自分の心の中には、“絶対歌手になりたい”という思いや希望はずっとありましたが、同じくらい不安もずっと心の中にありました。皆さん私よりも若い方がどんどんデビューされていく中で、なんで私はできないんだろう?なれない運命なのかな?って。でもどうしても諦めきれないので頑張ってきたら、今年やっと夢が叶って、今本当にうれしいです。

本当だったら昨年デビューの予定だったけどコロナもあり延びてしまって……。この一年はどのような思いで過ごされていたんですか?

白雪 そうですね。正直なところ、不安でいっぱいでした。実は昨年、榊師匠がご病気でお亡くなりになりました。師匠のお身体の心配もあり、コロナ禍でデビューのお話も先の見えないような状況で、本当にこれまでの人生で一番辛かったです。

その辛さを乗り越えて、今年念願のデビューをされました。デビュー曲「じょんから慕情」とカップリング曲の「どうだば津軽」とどちらも青森県が舞台の作品ですが、未弥さんは……?

白雪 なので、青森県出身なの?とよく皆さんに言われるのですが(笑)、私は茨城県結城市出身です。栃木県小山市のとなりです。東京にも近いですよ。名産品と言えば、結城紬のお着物があります。

青森県が舞台なのには理由があるんですか?

白雪 榊師匠が津軽が大好きで、よく旅をされていて津軽の景色を見てこういった素晴らしい曲ができるようになったとお話しされていました。私は日本三大民謡のひとつで茨城の「磯節」をずっと学んでいたんですけれど、師匠が「デビューするんだったら東北の民謡の方が派手なので、パーンと目立つようにそういった曲でいこう」とおっしゃって、この二曲をいただきました。

レコーディングも初めての経験だったと思うのですが、どうでしたか?

白雪 その前のオケ録りの時に、それまでは師匠のピアノに合わせて歌っていたので、この曲がこんなアレンジに仕上がるんだ!と思ってとても感動して思わず涙が出ました。レコーディングは今年の3月だったので師匠に立ち会っていただくことはかないませんでした。まだお元気だった時に、もうこの曲がデビュー作だと決まっていたので師匠にレッスンしていただいて教わったことを書いたメモを持っていって、意識してなんとか頑張りました。自分では「もっとこうすればよかったな」と思うところがいっぱいあってまだまだ反省点がいっぱいですが、周りの皆さんにはとても喜んでいただいているので自信を持って歌っていきたいです。

レッスンでは師匠にどんなことをアドバイスされたんですか?

白雪 津軽の景色を思い浮かべて朗々と、声をしっかり出しなさいと。遠慮しないでとにかく声を出しなさい、個性を出しなさいと教えてくださいました。昔はまったく津軽に行ったこともなかったのですが、今では私も大好きな土地です!人が温かくて、空気も澄んでいて、おいしいものもいっぱい! そういった津軽の素晴らしさを表現できるように頑張って歌っていきたいと思います。

一般の方がカラオケで歌う時のワンポイントアドバイスを教えてください!

白雪 「じょんから慕情」は「お父う」テイストの民謡調演歌で、最初の出だしとサビは民謡と同じで本当にのびやかに歌える、歌いがいのある作品です。男性の方はこのままのキーで歌える方が多いと思います。聴いて歌えないって思われる方が多くお声をいただいているので、そういった方はご自分のキーにしっかり合わせていただいて歌ってみてください。あとメロディー自体は優しくて覚えやすいメロディーなので、こぶしをつけなきゃいけないと思わずにご自分の歌として自由に歌っていただきたいなと思います。「どうだば津軽」はもうとにかく楽しく歌っていただけたら幸いです。若い方にも歌っていただけたらうれしいな!

最後に、これからの意気込みとオトカゼの読者へメッセージをお願いします!

白雪 はい!私は師匠の歌を歌ってこそ自分の歌が生きると信じています。来年の日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞させていただくこと、そしてもちろん年末の大舞台に出続けられるような、皆様の心に響くような歌を歌い続けられる歌手を目指して頑張っていきます。皆様、「キラキラボイス」白雪未弥、応援をどうぞよろしくお願いいたします!

 

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2021年5月26日発売
白雪未弥「じょんから慕情」

「じょんから慕情」
作詞/いではく 作曲/榊薫人 編曲/伊戸のりお
c/w「どうだば津軽」
作詞/いではく 作曲/榊薫人 編曲/伊戸のりお
徳間ジャパンコミュニケーションズ 
TKCA-91347 ¥1,350(税込)

史上最年少で民謡の日本一となった、演歌界の若手ホープ・白雪未弥のデビューシングル「じょんから慕情」は、いではく氏と白雪の師匠である榊薫人氏のメロディーによる民謡調演歌。「師匠は思い立った時にメロディーをノートにたくさん書きためていらっしゃっていて、この曲はその中から私にとくださった作品のひとつです。私の声が100%生きるメロディーをいただいたなと思っています」(白雪)。カップリング曲の「どうだば津軽」も、リズムのノリが良い民謡調演歌。曲中にある津軽弁の「どうだば どうだば」がインパクト大。

Profile
白雪未弥(しらゆき・みや)
1991年12月16日、茨城県生まれ。小学4年生から祖母の影響で民謡を始める。介護の専門学校で介護福祉士の国家資格を取得し、介護の仕事をしながら歌手を目指す。2011年、『NHK のど自慢』に出場しチャンピオンに。その番組を観ていた作曲家・榊薫人氏にスカウトされ師事。2013年、21歳の時に「青少年みんよう全国大会」にて「磯節」を歌い史上最年少優勝という快挙を成し遂げる。その後も厳しいレッスンを乗り越え、2020年にデビューの道が開けるも恩師が病に倒れ他界。コロナ禍もあり頓挫するが、満を持して2021年「じょんから慕情」で念願の歌手デビューを果たす。

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