
【マキマキ 歌の交差点!】市川由紀乃さん「秘桜」
市川由紀乃さんが、3月10日に2021年の勝負曲「秘桜」を発売しました。30周年を目前に控え、歳を重ねるごとに美しさと歌声に艶や豊かさを増している魅力的な市川さんに、わが『オトカゼチャンネル』のメインパーソナリティー、マキマキこと牧野尚之がインタビュー! マキマキが市川さんの本音を引き出します。
30周年も目前。「でも、本当に実感がありません」
牧野 皆さん、こんにちは。オトカゼチャンネルの牧野尚之です。今日は、3月10日に新曲「秘桜」を発売されるキングレコードの市川由紀乃さんに色々とお話をうかがいたいと思います。市川さん、よろしくお願いいたします!
市川 よろしくお願いいたします!
牧野 それにしても……まぁ、忙しい毎日でしょう?
市川 そうですね。少しずつですけれども、色々なことにチャレンジさせていただいたりしています。ありがたいですね。
牧野 由紀乃さんは16歳の時に地元である埼玉県の新聞社主催のカラオケ大会で、上手な歌を歌ってスカウトされ歌謡界に入られまして……。1993年にデビューですから、かれこれ27、8年ですか?
市川 経ちますね……。
牧野 まもなく30周年ですよ。
市川 本当に実感がありません。まだまだデビューしてそんなに日が経っていないような心境でもあるんですけれど。
牧野 それはきっと、由紀乃さんの毎日が充実しているからですよ!
市川 ありがとうございます!
牧野 デビュー23年目にして、念願の『NHK 紅白歌合戦』に出場されて夢を叶えました。そして、昨年の暮れは「第53回日本作詩大賞」にて「なごり歌」が大賞に選ばれたんですよね。吉田旺先生の作品も素晴らしかったんですが、由紀乃さんの歌唱もとても素晴らしかったことも選ばれた理由のひとつだと思いますよ。
市川 牧野さん、とんでもございません!吉田先生の描いてくださったフォークソングと昭和歌謡が融合した、なんとも言えない昭和という時代を感じさせてくれる詞があってこそです。あの日は、私自身も大好きな作品なので、吉田先生の笑顔を近くで見られただけで幸せでした。
牧野 でもその前の年、2019年暮れには「雪恋華」を歌われて「第61回 輝く!日本レコード大賞」で最優秀歌唱賞。これこそ、歌の実力を評価されたんですよ。
市川 ありがとうございます。私は本当に作品にとても恵まれていると思います。その時その時に先生方が「今年は市川由紀乃にこの歌」という作品を厳選して作ってくださっているので、私は先生方というか周りの皆さまと応援してくださるファンの皆さま、本当に出会ってきた皆さまに恵まれていると思います。
牧野 由紀乃さんはこういう奥ゆかしさと、女性の素晴らしいところをいっぱい持っている。素敵です。もう私も由紀乃さんと出会って長いですが、本当にいろんなところにうかがいました。大阪・新歌舞伎座で上演された「島倉千代子物語」。よかったですねぇ。
市川 ありがとうございます! 牧野さんも色々とお忙しい中、駆けつけてくださって……いつもありがとうございます。
牧野 ウエディングドレスも着たんだよね?
市川 そうなんですよ、まだ嫁にも行ってないのに(笑)!
牧野 歌の世界や舞台の世界の中でもね、色々な役を演じられて表現ができるっていうことはうれしいことじゃないですか。
市川 うれしいですね。また、歌で演じるのとは違って、お芝居の中で、そして島倉千代子さんという偉大な先輩の人生を演じられたということで、たくさんのことを本当に勉強させていただきました。
牧野 お客様からも「わぁ、島倉千代子さんの再来だね」という声をずいぶん聞きましたよ。
市川 ありがとうございます。そんなことを言っていただけて本当にうれしいです。
たとえ地獄に落ちても貫きたい、運命の恋を歌う
牧野 そういった色々なキャリアを積み重ねてこられて、一つひとつの歌にもそれが生きている。だから由紀乃さんの歌を聴かれる皆さんの心に響いていくんだと思います。さぁ、新曲のお話ですが、「雪恋華」「なごり歌」とちょっと雰囲気が変わりましたが、今回はまた女性の情念を歌っている曲ですね。まずはどのような歌なのか、ご本人からご紹介ください。
市川 はい。今回はタイトルが「秘桜」。最初吉田先生の詞を拝見した時に、タイトルからしてすごく引き込まれました。「ついていきます 奈落(※)まで」という詞があるんですけれど、そこまでついていきたいほど愛しい人に出会えた、運命の恋を貫く女性の強い想いが描かれております。そこには世間の白い目などもあるんでしょうけれど、でもそれを気にせずに、この恋を貫くんだという強い部分は、私自身のどこかにもある想いなのですごく共感できる女性の歌ですね。
※奈落=「地獄」を意味する梵語(昔のインドの言葉)が語源。
牧野 歌詞にも「煩悩」なんて言葉が出てきますよね。百八つの色があると……。最初に歌詞をいただいた時に、これはやっぱり勝負曲だなという手ごたえはありましたか?
市川 はい。まだ詞はできていなかった時に、幸耕平先生のメロディーを先に聴かせていただいたのですが、そのメロディーだけでもう涙があふれてきました。すごく自分の心の琴線に突き刺さってくるような感じがして。この曲に吉田先生のどのような詞が重なって届くんだろうと、とても楽しみに待っていました。
牧野 そして実際にこの情念の深い想いが綴られた詞を読んだ時には、なおさらにグッとくるものがあった?
市川 ありました。幸先生がメールですぐに詞を送ってくださって、「とりあえず、まず詞を見て!」って。そして詞を見た瞬間からもう、想いが抑えきれなくなって……。幸先生に電話して、「先生ありがとうございます。吉田先生の詞、涙出てきてもうダメです」ってお伝えしました。先生もとても興奮されていました。
牧野 アレンジもですね、和のテイストで素敵でした。私も聴かせていただいた時にビビっとくるものがありました。佐藤和豊先生は、僕はお目にかかったことはないんですけれども、色々な作品をアレンジされて、作曲もされていらっしゃるんですよね。
市川 そうですね。本当に幅広くご活躍されていて、なんと『仮面ライダー555(ファイズ)』という以前放送されていた仮面ライダーのオープニング曲を佐藤先生が作曲されていたんです!それを私よく観ていてカラオケでもよく歌っていたんですよ。だからビックリしました!
この曲を通じて多くの皆様に演歌の素晴らしさを感じてほしい
牧野 「秘桜」。あえていうならば深い歌。難しいところもあるかと思うんですが、ファンの皆さんにこういうところを聴いてもらいたいという思いがあれば教えてください。
市川 日本の『和』の文化であったり一途に貫く強い想いというものを、この「秘桜」という作品を通してどう表現して皆様に届けられるのか……。本当に今、まだまだ大変な状況が続いている中ですけれども、今回私にとってこの作品をこの時期にいただいたというのは何か大きな使命であるのではないかと、そういうふうに受け止めています。皆様がこの歌を聴いていただいた時に、何か心の奥が少し熱くなっていただけるようなそんな歌を届けられたらと思っています。
牧野 本当にコロナがまだまだ落ち着かない状況で、なかなか皆さんの前で歌う機会がないんですよね。
市川 できれば生歌を皆様に届けたいという思いはあるんですけども、やはり皆様が安心しできる環境や状況が整ってから聴いていただきたいですね。でも、こういう時期だからこそまた違った形で発信して、いつか月日が流れた時に2020年、2021年という月日が懐かしくきっと感じられる、笑顔で話せる日が来ると信じて、色々なことにチャレンジしてみたいと思っています。
牧野 いいですね。それこそまたお芝居の方も……! 観たいですよ!
市川 お芝居はとても難しいですけれど好きなので、ぜひチャレンジしたいです!
牧野 ぜひぜひね、「島倉千代子物語」の再演も観たいと思いますし、また新しいチャレンジもして欲しいなと思います。さぁ、今年「秘桜」で勝負をするわけですけれども、最後にカメラに向かって思いを語ってみてください。
市川 今まで色々な楽曲をいただいてきましてどの作品にも愛情はあるんですけども、今回この「秘桜」は吉田先生、幸先生、佐藤先生が表現してくださった私自身すごく大好きな作品になりました。応援してくださる皆様、そしてまだまだ市川由紀乃の歌を聴いたことがないという皆様にも、この歌を通じて一人でも多くの皆様に演歌の素晴らしさというのを感じていただけるように、とにかく大事に歌ってまいります。応援してください。よろしくお願いいたします。
牧野 今日は新曲「秘桜」につきまして、市川由紀乃さんにお話をうかがいました。大ヒットをね、私も心から希望しておりますし、本当に由紀乃さんの生の歌を1日も早く多くの皆様に届けていただけるように、コロナの収束を願いたいと思います。今日はありがとうございました!
市川 こちらこそありがとうございました!
2021年3月10日発売
地獄に落ちても貫きたい運命の恋
市川由紀乃「秘桜」

「秘桜」
作詞/吉田旺 作曲/幸耕平 編曲/佐藤和豊
c/w「港町哀歌」
作詞/岡田冨美子 作曲/幸耕平 編曲/南郷達也
キングレコード KICM-31008 ¥1,350(税込)
市川由紀乃が2021年に渾身の思いを込めて放つ新曲「秘桜」。「たとえ道ならぬ恋でも、運命の恋。奈落の底までついていく」と激しく燃え上がる恋心を、市川が艶と奥行きのある七色の歌声で歌い上げる。和楽器による味わい深いアレンジとメロディーに乗せて紡がれる「煩悩」「奈落」などの鋭い言葉が、この曲の世界観をよりドラマチックに彩る。c/w「港町哀歌」は、愛を失った女性がその思いを忘れるために北の港町を訪れひとり旅する切ない港町演歌。「特定された舞台の名前などは出てこないので、聴いていただく方の想像にお任せする架空の港町なのかもしれませんね。幸先生は「寒い しばれる 涙が凍る」、ここが一番の聴かせどころだと。言葉を置く、しゃべるような感じでサラッと歌うようにアドバイスをいただきました。ぜひ皆さんもメロディーの上に淡々と言葉を乗せていくように歌ってみてくださいね」(市川)
Profile
市川由紀乃(いちかわ・ゆきの)
1976年1月8日、埼玉県生まれ。1993年「おんなの祭り」でデビューし、2016年に「心かさねて」で『NHK 紅白歌合戦』に初出場を果たす。2019年には、『輝く!日本レコード大賞』最優秀歌唱賞を受賞。彩り豊かな七色の歌声が評価された。2020年は「なごり歌」で切ない愛の歌の世界を表現し、年末の『第53回 日本作詩大賞』に輝いた。2021年「秘桜」を発売。オリコン演歌・歌謡週間ランキング初登場1位(総合ランキング11位)を獲得し、11作連続での初登場1位という記録を達成した。