【マキマキ 歌の交差点!】丘みどりさん「明日(あす)へのメロディ」
丘みどりさんの歌う「明日(あす)へのメロディ」。心の内側をえぐるような繊細かつ鋭い歌詞。演歌・歌謡曲でもなく、ポップスでもないメロディー。そんな斬新な世界観を持つ一曲に挑戦した丘さんに、オトカゼチャンネルのメインパーソナリティー、牧野尚之さんがインタビュー。司会者として長年の経験がある牧野さんだから聞けるアーティストの本音と素顔をお届けします。
新しい”丘みどり”の出発「明日へのメロディ」
牧野 オトカゼチャンネルをご覧の皆様、こんにちは。牧野尚之でございます。今回は、3月17日に新曲「明日へのメロディ」を出されました丘みどりさんに色々と新曲のお話をうかがってまいりたいと思います。丘さん、どうぞよろしくお願いいたします。
丘 よろしくお願いいたします!
牧野 世間はコロナコロナでね。1日も早く収束を願うばかりでございますが、2005年に”丘みどり”として演歌歌手としてデビューをして、早いもので15周年が昨年でした。
丘 そうです。
牧野 その前の年までは、年間には100箇所以上のコンサート、テレビだって100はくだらないくらいの番組に出演されて。そんな活動の中で、さぁ、節目を迎えたら……急に動けなくなっちゃいました。
丘 そうなんですよ! 15周年ということだったのでよりいっそうコンサートをしようと思って、100本以上のコンサートだったり15周年記念イベントだったり、盛りだくさんの予定の一年だったので、それが全部できなくなってしまったというのは悔しくて悔しくて。どこにこの怒りをぶつけていいのかわからないまま、もうショックでしたね。
牧野 わかります。その中でも無観客のライブをなさって。ゲストに純烈さんをお迎えになって、29万人の方が視聴してくれたというのはすごいですね。ファンの厚みがすごいですよ!
丘 ありがたいです。
牧野 ただ、やっぱりお客さんがいないステージというのは、ドギマギしたことがあるんじゃないですか?
丘 そうですね。やっぱりまだ慣れないですね。定期的に配信ライブはしているんですけど、しゃべりかける相手がいないというか、拍手がない環境の中でひとりでしゃべって歌うというのはまだ慣れないですね。
牧野 「こんにちは〜」って言っても、お客様が返してくれないとね。聴いてくれてるのかしらってね(笑)。
丘 なりますね。ちょっと不安になるところもあります。
牧野 その節目の年に「五島恋椿」「白山雪舞い」という2曲を両A面でお出しになって。キャンペーンもなかなかできなかったんじゃないですか?
丘 はい、もうほとんどできなかったですね。なのでネットサイン会とか、配信ライブですとかそれくらいですかね。
牧野 でもそんな中で、何かこれから頑張っていこう、また新しい丘みどりを見せようというスタッフさんの心もあっただろうし、ご自分の思いもあったんだろうと思います。さっそく新曲のお話しをうかがいたいと思うんですが、「明日へのメロディ」。今までの丘みどりさんの歌とはガラッと違いますね。
丘 そうですね。変わりましたね。昨年自分自身と向き合う時間もたくさんあった中で、『よし、来年はどんな年にしよう?』と考えた時に、ちょっとチャレンジをしたいなという思いが出てきて、今回「明日へのメロディ」という今までの楽曲にはなかった楽曲を歌わせていただくことになりました。
牧野 CDのジャケットの方もね、今までの丘さんの雰囲気とはちょっと違うような感じですしね。もちろん曲調もそうなんですが、作家の先生方もちょっと変わって本当に新しい丘みどりの出発でもあるわけですが、まずこの「明日へのメロデイ」を最初にいただいた時、どんな感じを受けました?
丘 この曲を私が歌わせていただけるんだという、どんな感じになるのかな?という期待と、すごく楽しみがありましたね。
牧野 シンガーソングライターの大柴広己さんの作詞で、そしてコモリタミノルさんの作曲。もう今や活躍しているそんなお二人じゃないですか。歌詞も斬新ですよね。
丘 そうですね。やっぱり歌詞がすごく斬新で、「奈落の底で」とかいろいろな結構尖った歌詞とかがあったので、この今の時代になんともならない思いだったりとかもどかしい気持ちがある中で、それでも色々なことに負けずにもがきながらも戦い続けていくという強さだったりを、この歌詞を通して表現できたらなと思っています。
自分自身を成長させてもらった曲
牧野 二番の歌詞をちょっと紹介しますとね、ものすごいメッセージなんですよ。
分からないでしょうね 後ろ指刺されて
罪人の扱いにされ 蔑み 晒され
誰を傷つけても 何を奪われても
綺麗事など 求めてないのよ
(「明日へのメロディ」歌詞より)
牧野 これを表現して歌う難しさがあったと思うんですけど……レコーディングの時はどうでしたか?
丘 はい、そうですね。今までのレコーディングとは違って、コモリタ先生から『とにかく音をはずしてもいいから、この内面から湧き出る怒りだったり葛藤だったり、そういうものをマイクにぶつけてくれ』って言われて。レコーディングは1日を予定していて、何回も何十回も歌っていく中で最終テイクで「これでオッケーだ」となって最終テイクが採用されたんですけど、もう一回先生からお電話をもらって、最終テイクがよかったからやっぱりもう1日やろうということで……。もう1日、また別の日に1週間くらい時間をおいて、レコーディングをし直したくらい先生もすごくこだわってくださって。私も先生の期待に応えられるように思いきり思いをぶつけて(!) 歌いました。
牧野 実際に出来上がった作品をご自分で聞いてみて、出来としてはやったぞ! という感じですか?
丘 そうですね。自分の中ではそんなに変わるのかなって思っていたんですけど、一番最初にレコーディングしたものと最後にレコーディングしたもの聴き比べさせてもらったら全然違ったので、先生によって一皮剥けたというか、成長させてもらえたなと思っています。
牧野 自分の宝物がひとつずつ増えていく。歌い手さんにとっては楽曲というのは宝物ですけれどもね。それがまた新しい形で出来上がった喜びというのもあるでしょうね。これから本当にこれを全国の皆さんに届けていかなくてはいけないんですけれども、斬新な歌ですがどんなふうにこれを歌っていったらいいんでしょうね?
丘 単に明るい歌でも単にバラードでもない不思議な感覚にとらわれる一曲なので、1回聴いたのと2回目聴くのとまた全然印象が変わりますし、3回目、4回目と繰り返し聴いていただいて、この曲の背景にある物語だったり、あとは自分と重なる思いだったりも皆さんもあると思うので、その思いだったりをぶつけて思いきり吐き出して歌ってほしいですね。
牧野 このコロナにみんなが困っている状況の中でもまた新しく飛び越えて行こうよというそんな決意の歌でもありますものね。思いがいっぱいこもっています。いろいろお話をうかがっていますが、「明日へのメロディ」のミュージックビデオ。こちらの方は何か見どころとかこんな苦労もあったよとか、そんな思い出がありましたら聞かせてください。
丘 はい、今回のMVは今までにない感じで作ろうということで色々チャレンジしたんですけども、スポーツカーを運転しているシーンだったりとか、あとは千葉の展望台をとにかく階段を駆け上がるという(笑)。これは歌の中にあるように、もがき葛藤している様子を走って表現しようということで。使われたのはちょっとなんですけど、実際は16回くらい上から下までダーッと走って、ものすごい次の日筋肉痛になりました(笑)。
牧野 そうか、そんなご苦労もあるMVですね(笑)。それを見るのも楽しみですね。
丘 そうですね、本当になんかこう色々ところに意味深な映像とかが加わっているので、これはどういう意味なんだろう?というのを全編通してきっちりと観ていただきたい一本になっています。
「昨年できなかったコンサートをひとつでも多く」
牧野 そして、カップリングなんですけれども、Aタイプのほうが「雨のなごり坂」。これはまた丘さんの高音がフワーッと抜けるいい歌だなと思いましたよ。
丘 ありがとうございます! すごくメロディーが耳にスッと入ってきて、心地いいなというのが第一印象だったんですけど、この曲は二番の歌詞に「格子戸」とかが出てきたりするので、今までの丘みどりのイメージである着物も着て歌えるかな、という一曲です。
牧野 メインはガラッと変わっても、やっぱり丘みどりの雰囲気は残っているというところで、私はこの曲いいなと思っています。カラオケファンの方には絶対にね、ご自分の持ち歌といいますかね、それに加えていただける一曲だと思いますよ。
丘 うれしい。よろしくお願いします!
牧野 そしてBタイプ「あなたと、君と」。デュエットですね。
丘 はい。初です!
牧野 そのお相手が、俳優の三田村邦彦さん。これはどのように決まったんですか?
丘 三田村さんが旅番組をされているんですけど、そこに呼んでいただいた時に『僕はみどりちゃんとデュエットするのが夢なんだよね』というふうにダイレクトに言ってくださいまして。その旅番組に今まで5回くらい出させていただいて、5回目の時に『もういいかげんに曲を作ろうよ!』ということで(笑)、「そうですよね!」って急いでレコード会社の方にお願いをして作っていただきました。
牧野 なんともほのぼのとしたね、いい歌です。明日に向かって、未来に向かって夢をっていうね。これもなかなかにね、いいなと思いました。ですから今回はそういった意味では新しい丘みどりの曲であるものがありながら、これまでの丘さんの雰囲気も残して、また新しい挑戦であるデュエットと。これは聴きどころいっぱいですね。
丘 そうですね。三曲ともにじっくり聴いていただきたいです。
牧野 ジャケット写真の方がちょっと今までも着物姿の写真とは違いますが、撮影の苦労というのはありましたか?
丘 そうですね。「明日へのメロディ」をイメージしたジャケット写真なので、音を大きくかけていただきながらその世界観に入り込んでこの表情になりました。
牧野 切ないのかな、でも未来を見るのかな、明日を見るのかな、乗り越えて行かなきゃっていろんな思いがその表情の中に読み取れますよ。
丘 うれしいです。ありがとうございます。
牧野 今年、コロナの収束をみんなが願っていますけれども、丘さんの希望としてはこんなこともやっていきたい、もちろん2020年にできなかったこともいっぱいあると思うんですが、どんな夢や希望を持っていらっしゃいますか?
丘 やっぱり2021年はとにかく昨年できなかったコンサートをひとつでも多くしたいということと、15周年記念コンサートが去年できなかったので今年その分、16年目なんですけど今年させていただこうと思っています。
牧野 ファンの人は待ちに待ってますよ。
丘 待っていてください!
牧野 29万人は保証されているんだから(笑)。夢いっぱい、希望いっぱいでございます。体を大切にして、そしてこの新曲「明日へのメロディ」が大ヒットしますようにお祈りしたいと思います。今日は丘みどりさんにいろいろお話をうかがいました。皆さん応援をよろしくお願いいたします。ありがとうございました!
丘 よろしくお願いいたします! ありがとうございました!
2021年3月17日発売
丘みどり「明日へのメロディ」
(タイプA)
(タイプB)
(プレミアム盤)
Profile
丘みどり(おか・みどり)
1984年7月26日、兵庫県生まれ。2005年、20歳の時に「おけさ渡り鳥」で演歌歌手としてデビュー。2016年に活動拠点を東京に移し、2017年「佐渡の夕笛」がヒットし、同年の『NHK 紅白歌合戦』に初出場を果たす。以降、3年連続で紅白に出場。2019年にはパラオで自身初の海外コンサートを開催。パラオの文化・音楽親善大使に任命された。2020年、デビュー15周年を迎え、両A面シングル「五島恋椿/白山雪舞い」を発売。歌番組だけでなく、コントやバラエティー番組、映画などにも出演し、その美しく気さくな人柄でも人気を集めている。
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