ハン・ジナがバースデーライブでファンの安否確認!? デビュー25周年を感謝し、「天窓~愛という孤独~」などを披露。
ハン・ジナが8月6日、東京・渋谷区のライブレストラン「ラドンナ原宿」でバースデーライブを開催した。昨年のバースデーライブは3年ぶりの開催となったが、コロナ禍も落ち着き、昨年に続いて今年も笑顔でファンと誕生日を祝った。
ライブは昼夜2公演行われ、いずれも満席。前半はファンに寄り添うカバー曲を歌い、後半はデビュー25周年記念曲「天窓~愛という孤独~」などオリジナル曲を届けると、大好きな言葉「カムサハムニダ(感謝)!」と気持ちを伝え、再会を誓った。
また昼の部には新曲の作詞家・田久保真見氏と作曲家の徳久広司氏が、夜の部には恩師でもある作詞家・高畠じゅん子氏が祝福に駆けつけるなど、ハン・ジナを愛する音楽関係者の姿もあった。
上野旬也とロス・プリメーロ オルケスタによる映画『ひまわり』テーマ曲の演奏で始まったバースデーライブ。「真夏の夜の夢」(松任谷由実)を歌って登場したハン・ジナは、ファンに「愛してるわよ!」と呼びかけた。
「猛暑を超えて、地球が沸騰しているそうです。そんななか、ようこそお越しくださいました。足腰の悪いなか(笑)、来ていただけて感無量です。『バースデーライブ2023』というタイトルですが、より相応しいタイトルがあります。1年ぶりの“安否確認ライブ”です(笑)」
飾り気のない明るさが彼女の持ち前。軽口でファンを和ませると、思い出の曲やファンのみんなが昔大好きだったであろう作品を選びましたと、大塚博堂の「めぐり逢い紡いで」や、母国のスーパースター、チョー・ヨンピルの「窓の外の女」、そして演歌作品から石川さゆりの「天城越え」などをカバーしていった。
8月5日に韓国・ソウルで生まれたハン・ジナが来日したのは27年前だ。1998年に日本クラウンから「別れていても」(当時は本名のハン・ボクスン名義)でデビューし、今年は25周年を迎えている。
バースデーケーキで祝福されたハン・ジナは星空のようにキラキラと輝く、新曲のためのマーメードドレスに着替えて再登場し、2部ではオリジナル曲をたっぷりと聴かせた。
「久しぶりに歌います」と話すと、日本クラウン シングルヒット賞を受賞した「ガラスの部屋」(2014年)、「どうせ捨て猫」(2015年)を披露すると、昭和の世界を感じさせるブルース作品の「本牧レイニーブルー」(2015年)、そして「哀愁のキエンセラ」(2011年)へと歌い継ぐ。前3曲は田久保&徳久コンビニよる作品で、昼の部では「おふたりが見守るなかで作品を歌うことができてうれしかった」と話していた。
また、「哀愁のキエンセラ」は高畠氏が作詞し、弦哲也氏が作曲した作品だったが、サビではファンによるコールが起こり、会場が一体となってハン・ジナのライブを楽しんでいた。
「楽しい時間はあっという間です」
ライブはフィナーレに向けて熱気を帯びてくる。ハン・ジナは「皆様のおかげで代表曲になりました」と、ここで「窓」とその続編「扉」をミックスしたメドレーを届ける。
「窓」はインディーズ盤でリリースしたミニアルバム『マイ ソングス』に収録された作品。哀しい女心を歌っているが、カラオケで人気となり、2012年にシングルカットされた思い出の曲だ。2016年には日本作曲家協会音楽祭でロングヒット賞も獲得した。
ハン・ジナの新境地を築いた2019年のシングル「愛よりも深く」と、そのカップリング曲「二人だけのカルナバル」を熱唱すると、彼女は「愛された日々は過ぎても」でファンの気持ちをわしづかみにした。
ハン・ジナの作品はカラオケでよく歌われる。「愛された日々は過ぎても」は、フランスの国民的歌手エディット・ピアフの代表曲「愛の讃歌」誕生につながるエピソードをモチーフに、不変の愛を描いた楽曲。アルバム収録曲の一曲だったが、カラオケファンを中心に人気となり、2021年にシングルとなった。
「25周年記念曲として新曲をいただきました。歌い手になってよかったなと思う瞬間です」
ここまでたくさんの曲を歌ってきたが、ライブの最後にデビュー25周年記念曲として3月にリリースした「天窓~愛という孤独~」とカップリング曲「砂時計」を披露した。
「ハン・ジナといえば、今までは哀しい女性像の歌が多かった。“愛してるわ” “行かないで” “こっち向いて”と(笑)。でも、今回の『天窓~愛という孤独~』は違うのよ。愛することに疲れた女心の戸惑い。そして、『私にとって愛とは何だったのかな』と自分自身に問いかけてみる大人の女性の作品です。自分のぽっかり空いた心が“天窓”に見えて、ある晩、ふと天窓を眺めると、そこには三日月が浮かんでいるというオシャレな作品です。ガンガン歌ったらおかしいので、肩の力を抜いて、語りかけるように。ぜひ、新曲を覚えて歌ってください」
約2時間に及んだハン・ジナのバースデーライブ2023。「また笑顔でお会いしましょう。ありがとうございました~」とファン一人ひとりを見送ったハン・ジナ。11月5日には、日本の父親として尊敬している作曲家・中川博之を追悼する「中川博之メモリアルコンサート~中川メロディーを永遠に」(なまび広場にいみ/岡山県・新見市文化交流館)に、美川憲一、木下結子、タブレット純、青山ひかると出演するほか、12月2日には「うたまる歌謡祭2023」(千葉市民センターアートホール)にスペシャルゲストとして、山口ひろみ、男石宣隆、青山ひかると、12月5日には「なおえ歌謡教室 20周年歌謡祭」(調布市文化会館たづくりくすのきホール)に岡田しのぶ、まつざき幸介と参加する。その他、貸し切りミニライブやファンクラブの集い、記念歌謡祭への出演など全国を飛び回る。
「ファンクラブ恒例の温泉ツアーと韓国ツアーも再開したい」
デビュー25周年を迎え、ますますファンとの絆と、ファンに支えられていることへの感謝を感じたハン・ジナだった。
▶コンサートやライブ出演情報などの詳細は、ハン・ジナ 公式ホームページへ