西川ひとみが全力100%でディナーショーを開催。唸り節で観客を魅了し、新曲「絶唱・・・北岬」に命をかける!
西川ひとみが10月8日、東京・文京区のホテル椿山荘東京でディナーショーを開催。「今日は力が入りました」と100%の力で熱唱し、ファンから大きな声援を受けた。
また昨年、2年ぶりに開催したディナーショーではコロナ禍による制限事項も多かったが、今年は会場の規模も大きくなり、客席ラウンドではファンの身近に寄り添いながらオリジナル曲をたくさん披露した。
浪曲師・松平円十郎の一人娘として熊本県で生まれた西川は、歌手を目指して上京し、6年間の修行を経て1994年にデビュー。2017年に現在の所属レーベル・徳間ジャパンへ移籍し、2020年には岡千秋氏との初タッグ作品「玄海灘に春が来る」をリリースした。
また今年2月には岡千秋作品第2弾として「絶唱・・・北岬」を発売。前作同様、円香乃氏が作詞を手がけ、夫を亡くしながらも子供たちに支えながら生きる女性を歌っている。セリフ入りの作品で、父のDNAを引き継ぐ西川ならでは唸り節が聴く者を惹きつける。
オープニングにこの2曲を披露した西川は、円香乃氏をステージに招き、歌手になった頃に円氏のボイストレーニングを受けたことを懐かしそうに話しながら、「先生のおかげで今がある」と感謝した。
そんな西川に円氏は、「コロナ禍で活動できなかった時は、ひとみちゃんがいちばん苦しい思いをしたんじゃないかな。ファンの皆さんも寂しい思いをしたと思います。でも、今日はひとみちゃんの生歌を聴けてすごく幸せです」と応えた。
エールを送られた西川は、「夫婦竜」や村田英雄の「無法松の一生」をカバー。ゲスト歌手の畠山すえこと、「津軽海峡・冬景色」(石川さゆり)をラテン・バージョンで披露するなど観客を楽しませた。
ディナーショーも中盤になると、西川は水色のロングドレス姿で登場。編曲家・伊戸のりお氏によるアコーディオン演奏で「ブルーライト・ヨコハマ」をブルース・バージョンで聴かせた。伊戸氏から「120点の出来」と褒められた西川は「夢にまで見た先生によるアコーディオン演奏での歌唱。本当に幸せでした」と頭を垂れていた。
たっぷりと時間をとって行われた客席ラウンドでは、「78歳の資産家の方とお見合いをしましたが、10日前にお断りされました(笑)」「このドレス姿、いかがですか? 10日間、ご飯を食べておりません(笑)」など軽口でもファンを楽しませながら、「寄り添い花」「望郷おんな花」「ゆうすげ雨情」「海峡つばめ」などオリジナル曲を次々に披露。時には涙を見せるなど積年の思いを噛みしめていた。
「西川ひとみディナーショー2022」はゲストコーナーを経て、いよいよ終盤へと向かう。着物に着替えた西川は、まずは挨拶代わりに浪曲「王将一代小春しぐれ」を熱演し、観客の心をつかんだ。
さらに西川は「玄界灘に春が来る」を岡千秋氏とのデュエットで披露し、大きな盛り上がりを演出。岡氏が観客に向かって、「これからも西川ひとみをよろしくお願いします」と呼びかけると、西川は「岡先生に曲をつけていただくのがずっと夢でした」と吐露。二人して目に涙を浮かべていた。
西川はコロナ禍で歌えない日々に、自分でも気がつかないうちにストレスを抱え、自律神経を病んでしまったという。顔面麻痺にもなり、耳の調子も悪くした。だからこそ今年、新曲「絶唱・・・北岬」を発売した頃の西川は、「今まではがむしゃらに進んできた私ですが、自然体で歌ってもいいなと思えるようになりました」と語っていた。だが、西川には全力100%が自然体なのかもしれない。
「今日は力が入って、力が入って抜けませんでした。皆様に満足してもらえるか。100%の力で歌ってきました」
拍手に包まれた西川は、「玄海灘に春が来る」のカップリング曲「お祭り小町」を明るく、勢いよく届け、ラストは「酔歌(ソーラン節入り)」を熱唱。アンコールでは「今、命をかけている曲です。真剣に歌いますから、皆様も真剣に聴いてください!」と、もう一度、新曲「絶唱・・・北岬」を聴かせた。
そして、最後は出演者全員がステージに登場し、定番の「祭り列島ひとり旅」でグランドフィナーレへ。観客もその場に立ち上がって踊るなど、神無月の夜を全身で楽しんでいた。