藤井香愛が地元・中野でセカンドコンサート。衣裳の早着替えなどにも挑戦し、「中野から羽ばたきたい!」
令和の歌謡歌姫(ディーヴァ)こと藤井香愛が5月22日、東京・中野区の「なかのZERO小ホール」でセカンドコンサートを開催した。中野区は藤井が育ち、今も住んでいる地元。目標は解体リニューアル工事が始まる2024年までに、中野区のシンボル「中野サンプラザホール」のステージに単独で立つことだという藤井は、デビュー3年目の昨年、同じ中野区のもっとも小さなホール会場「野方区民ホール」でファーストコンサートを開催し、その第一ステップを踏んだ。
4年目となる今年は、昨年比倍増の400人のファンを集め、なかのZEROで「藤井香愛コンサート~中野より愛を込めて~第二章」と銘打った単独コンサートを行い、アイドルソングや70年代に流行った色っぽい作品、アニメから生まれた令和のヒットソングなどをカバー、衣裳の早着替えやダンスなど見た目でもファンを楽しませた。
「生まれてからずっと中野の街に住んでいます。子どものころにダンスを習っていましたが、その発表会で、なかのZEROのステージに立ったことがあります。またデビューして以降も、他の歌手の方と一緒にここで歌ったこともありますが、なかのZEROのステージにひとりで立つのは初めてです。目標は2024年までに中野サンプラザのステージに単独で立つことですが、その目標に向けて今回、なかのZEROでコンサートができることがすごくうれしい!」
目を輝かせながら語る藤井は、本当に中野という街が好きだという。
「中野の街は都会的なところがある一方で、路地を一本入ると昭和の街の雰囲気があって、すごく好きなところです。自宅もなかのZEROから自転車で10分ぐらい。“藤井香愛”も本名なので悪いことはできませんし、道路を隔てて会館の目の前にあるホームセンターの島忠では自転車を買いました(笑)。隣接する紅葉山公園にはSLが展示してあって、保育園の時にはよく散歩で遊びに来ていたところです。そんな私の街に、全国からファンの皆様が遊びに来てくださるのがすごくうれしい。これも近くの古着屋さんなんですが、ブログで紹介したところファンの方が買い物に行ってくだったようで、お店の人から感謝されました。少しは地元に貢献しているのかな(笑)」
“中野愛”が止まらない藤井は、地元に駆けつけてくれるファンへのおもてなしとして、セカンドコンサートでは「今までの私になかったところを見ていただきたいと思います」と言う。
「コンサートの開催が決まった時からずっと発言してきたことですが、カバー曲のほとんどが今回初披露の曲です。作曲の幸耕平先生(前作「その気もないくせに」から藤井の作品を担当)のところで本当にたくさんのレッスンを重ねてきました。リズム感や声の使い方などはすごく意識して勉強しているところです。コンサートではその成長を皆さんに聴いていただきたいですね」
「ファンの方がすごく熱くて応援してくださったおかげで、オリコンで1位(演歌・歌謡曲部門)を取れたのかなと思います」と語っていた藤井は、今年1月にリリースした新曲「一夜桃色」からコンサートを幕開けさせ、衣裳の早着替えを披露した昭和のアイドルソングでは「わたしの彼は左きき」(麻丘めぐみ)、「17才」(南沙織)、大好きな山口百恵の「ひと夏の経験」を選曲した。
ラメが入ったエレガントな黒のドレスや、オレンジベースで、上下が切り替えられた可愛いワンピース、水色のドレスなど衣裳にもこだわった藤井。ステージ上で見せる早着替えの挑戦も今回が初めてだった。
「最初、衣裳を見た時に、この衣裳がこんなふうに展開するなんてと信じられなくて・・・。事前に練習をしてきたんですが、リハーサルではマイクを落としてしまいました。でも、本番ではうまくいくと思います。うまくいかないと困ります(笑)」
コンサート前にはそんなふうに話していた藤井。アイドルソングのあとは、今も美魔女として活躍中の辺見マリの「経験」と大信田礼子の「同棲時代」、切ない女心を歌った「無言坂」(香西かおり)や「メランコリー」(梓みちよ)、究極の愛の歌として「難破船」(中森明菜)、アニメソング「タッチ」(岩崎良美)、そして幸耕平氏の作品から石野真子の「ジュリーがライバル」などもメドレーで披露した。
「デビュー前は、ガイドボーカルのお仕事をさせていただいていたので、曲を覚えるのは早いんです。メロディーはすぐに覚えられます。でも、歌詞を覚えるのはじつは苦手(苦笑)。高田みずえさんの『私はピアノ』は難しかったですね。リフレインがなく、歌詞がほぼ全部が違っていて、言葉が詰まっている作品。歌詞がごちゃになって苦戦しました」
そんな苦労もあったが、「わたしの彼は左きき」ではYouTubeにアップされている麻丘めぐみの歌唱動画を何度も見て、振付を完コピしたと笑顔を見せていた。
「歌っている時は、いつもクールっぽく見られがちなので、いかにかわいく表現できるかを自宅の全身鏡を見ながら練習してきました(笑)」
ラストソングにもう一度、新曲「一夜桃色」を歌った藤井は、大好きな安室奈美恵を意識して、グッズTシャツにミニスカとブース姿でアンコールに再登場。「私がオバさんになっても」(森高千里)を、ダンサーたちとダンスを披露しながら歌うと、最後はMISAの「アイノカタチ」でまごころを届けた。
デビュー20周年のMISAが2018年に、GReeeeNと初コラボして誕生した楽曲。様々な“アイノカタチ”を歌っている。
「あのね あのね ずっと大好きだよ 大好きだよ ああ ありがとう」(「アイノカタチ」歌詞より)
藤井からファンへの感謝の気持ちだった。
「私はデビューが遅かったので、その分、歌にかける思いが人一倍強いと思っています。一生歌手として生きていきたい。今日が私の歌手人生の素敵な1ページになるように一生懸命歌いました」
中野から大きく羽ばたきたい! そんな思いが詰め込まれた藤井香愛のセカンドコンサートだった。