大沢桃子が命をつなぐライブを開催。「TENDENKOライブ」で夢を語る。「命の道」つなげるプロジェクトへの参加を呼びかけ!
今年7月にリリースした防災伝承歌「命の道」が話題となっている大沢桃子が10月22日、東京・台東区の浅草ビューホテルで「大沢桃子 TENDENKOライブ」を開催。ミニスカート姿を披露するなど目でも楽しませたライブで、大切な命を守ってほしいと、その思いを歌で訴えた。
両A面シングル「命の道/愛の魔法」は大沢が7月に発表した作品。「仲村つばき」というペンネームで作詞・作曲し、宮澤謙がアレンジした。とくに「命の道」は、岩手県大船渡出身の大沢が東日本大震災の教訓を忘れないようにと、防災意識を風化させないためにと書いた曲だった。
ダンスチーム「ももちゃんず」の4人とともにステージに登場した大沢は、時に激しいダンスを披露しながらリズム歌謡の「愛の魔法」を歌うと、「皆さんの温かい拍手が何よりの励みです」と笑顔を見せた。
2003年にデビューし、今年18年目を迎える大沢には2人の師匠がいた。歌の師匠は、エレキの神様として知られた寺内タケシ。踊りやステージでの振る舞いの師匠はミッチーの愛称で親しまれた女剣劇役者の浅香光代だ。だが、浅香が昨年12月に、寺内は今年6月に他界してしまった。
「両師の先生が見守ってくれていると信じています。2021年、決意を新たにしています」
大沢は、コロナ禍でなかなか忘年会も開催しづらいだろうと、せめて歌の中で盛り上がってほしいと、お座敷小唄のメドレーや、故郷への思いや風景を歌った「南部恋唄」や「椿の咲く港」「懐郷」「風の丘」などを披露しながら、今の思いや曲への愛着を語った。
大沢は小さい時に父を亡くしている。
「ダンプの運転手だったんですが、事故で亡くなりました。亡くなったのは10月26日。母との結婚記念日でした」
以降、母親は女手一つで、二人の娘を育ててくれた。「昔は怒ると怖かったんですよ(笑)」。娘二人を育てるために母親は必死だったのだろう。コロナ禍で母親とはしばらく会えていないというが、電話ではしょっちゅう話しているそうで、母親の口癖は「お客様に感謝」。
そんな大沢が、今、頑張っている曲、届けたい曲が「命の道」だ。
「『命の道』は、これまでとは作風が変わりました。未来を描くために、大切な命を守りつないでいく歌です。故郷の三陸地方に伝わる“てんでんこ”という言葉を、みんなで呼びかけあってほしいと思います。東日本大震災から10年目という年に、あらためて思います。防災意識を風化させてはいけないと。ついこの間、東京でも震度5を超える地震がありました。いつ自分の街が被災地と呼ばれることになるかはわかりません。そんな中で、やっぱり日頃から話し合っておくことが大切です。どこに避難するのか。家族、大切な人を守るためにも、自分の命は自分で守ることが大切です。“てんでんこ”という言葉は、津波から教えられた先人たちの教えです。その言葉を歌詞にして書きました」
津波被害が多い三陸地方には、「津波起きたら命てんでんこだ」という教えが伝えられてきた。「津波が起きたら家族や大切な人が一緒にいなくても、気にせず、てんでばらばらに高所に逃げ、まずは自分の命を守れ」という英知だ。こうした言葉が受け継がれてきた背景には、過去の地震・津波の際に、家族や知人を助けにいったことで避難が遅れ、多くの死傷者が生まれた事実があるからだ。
てんでんこ てんでんこ 今、命つなげて
てんでんこ てんでんこ 今、道がつながる
(「命の道」歌詞より)
ライブの最後に「命の道」を熱唱すると、大沢は大きな夢があると明かす。「命の道」を合唱曲として全国で歌ってもらうことだ。そのためには著作権を放棄してもいいという。
「今歌いました『命の道』を、世代を超えて、ジャンルを超えて、小学校・中学校・高校・大学・教育機関、市民団体などで合唱曲として歌ってもらって、防災意識を高めてもらいたい」
“命をつないでいこう”と、大沢は「『命の道』つなげるプロジェクト~防災伝承歌~」をスタートさせた。このプロジェクトに賛同するサポーターが購入してくれた「命の道」のCDを全国の地方公共団体へ寄付する運動だ。
「つい3日前ですが、うれしい連絡がありました。私の夢を故郷・大船渡の市役所の学校教育課にお話しさせていただいたところ、地元の学校でみんなが歌ってくれることになりました。本当にうれしく思います。(編曲家の)宮沢謙さんと、楽譜を合唱曲用にアレンジしまして、さっそくお送りしました。たぶん、今日には届いていると思います」
プロジェクトへの参加を訴える大沢は、「このてんでんこという言葉を、言語や文化を超えて世界にも広げたい」と、「命の道」の英語バージョンを作成。配信サービスを通じて世界配信させた。
「私、英語が話せないんですが、先生について発音を勉強しました(笑)。英語バーションは『TENDENKO』というタイトルです。世界へ向けて命をつなげる! 『TENDENKO』。聴いてください」
大沢がアンコール曲として、「命の道」の英語バージョン「TENDENKO」を歌うと、スタンディングして大沢を讃えるファンも。この歌をたくさんの人に届けるためにも、応援してください、と大沢。「年末の紅と白を目指して頑張ります!」。
なお、大沢からの情報として、11月10日には走裕介とのデュエット曲「二人に乾杯」をリリースする。愛知県名古屋でのステージの際、主催者から「皆さんに喜ばれる曲をつくれないか?」と相談されつくった曲だ。大沢が作詞し、走が作曲した「二人に乾杯」を披露したところ好評で、発売が決まった。大沢が所属する徳間ジャパンコミュニケーションズからリリースされる。
またその走をゲストに招き、12月8日、大沢はこの日のライブ会場と同じ浅草ビューホテルで、「演歌の女神 エレキDE演歌 大沢桃子 年忘れスペシャルディナーショー」を開催する。
「命の道」つなげるプロジェクト~防災伝承歌~ サポーター募集中
“てんでんこ”の言葉、この言葉の持つ英知を広めるための運動。一口「命の道」CD10枚~。サポーターが購入したCDは全国の地方公共団体へ届けられる。
サポーター希望の方
FAX:03-3847-3991
メール: momonokai@bspro.jp
名前、住所、電話番号、サポーター希望と書いて、FAXまたはメールで申し込むと、事務局から詳細の連絡が入る。
2021年7月21日発売
通算21枚目の両A面シングル
大沢桃子「命の道/愛の魔法」
TENDENKO~The Path of Life~
(「命の道/愛の魔法」英語バージョン)
音楽配信サイト一覧
https://tjc.lnk.to/tendenko
期間限定公開
2021年11月10日発売
大沢桃子&走裕介「二人で乾杯」