水森かおり

水森かおりが歌う新曲「九十九里浜」~”ご当地ソングの女王” 初の千葉が舞台の悲恋物語~

“ご当地ソングの女王”として不動の人気を誇る水森かおり。シングル、さらにアルバム収録の両方を合わせると、すでに歌ったご当地ソングは135曲。43都道府県を歌い、残すご当地は、福岡、宮崎、徳島、千葉となっていた。

今回、その中から2022年の勝負作となったのが千葉県を舞台にした「九十九里浜」だ。スケール感ある曲に仕上がり、“ヒュルヒュルと 海鳥(とり)が舞う 泣いていいよと 波に舞う・・・”と、大サビで始まる悲しい恋の物語を、”表現者” 水森かおりが緩急つけて歌い上げている。

波のように押し寄せる異なるメロディー

残す4都道府県のうち、千葉がいよいよ今回の舞台となりました。私は東京出身で千葉はすぐお隣ですが、すごく広くて行ったことのない場所がたくさん。ゆっくり足を運ぶ機会はなかなかなかったので、今年はぜひいろいろ回らせていただきたいですね。過去に千葉県内で行ったコンサートではお客様のノリがよく、とても歌いやすいという印象です。これからも大いに盛り上げていただき、楽しいコンサートにできたらと思います。

「九十九里浜」は、スケールの大きな曲。歌いだしの最初の部分はいわゆるプロローグとして物語の世界に引き込み、サビに向けてはメジャー調に転調。穏やかな海の波を感じる優しいメロディーとなり、サビはダイナミックな荒波のように続いていきます。曲全体を通して、それぞれ異なるテイストのフレーズが波のように押し寄せてくるので、とても歌い甲斐があります。

水森かおり

皆さんがカラオケで歌うときも、リズムに乗って歌うところ、穏やかに優しく歌うところとはっきり強弱をつけることがポイントになりますね。

感情移入はしやすい曲です。でも、私自身がいつも心掛けているのは、気持ちを入れ過ぎず、この歌を「どう歌うか」ではなく「どう伝えるか」。同じようではありますが、伝えることに意識を向けて歌っています。自分が主人公にならないというのが軸で、言葉を大切にしながら語り掛けるように思いをお届けしています。

ミュージックビデオは、もちろん九十九里浜での撮影で、当日はこれ以上ない晴天。日が照ってとてもよかったのですが、実は思った以上に寒かった! 冷たい風にさらされながらも根性で撮影しました。そうとは感じさせない出来栄えです(笑)。

カップリングでは春の香りを楽しんで!

新曲「九十九里浜」のカップリングには、タイプAに「房総半島 吹く風まかせ」。タイプBには「犬吠埼」。いずれも千葉の名所が舞台となり、春の香りが漂う心地よい響きの楽曲となっている。ジャケット写真とカップリング曲が異なる、2タイプ同時発売となった。

Aタイプのカップリングの「房総半島 吹く風まかせ」は、フォークソングを思わせる軽いタッチの曲。同じ風でも「九十九里浜」とは受ける風が違い、こちらに流れるのは穏やかで暖かみのある風。菜の花を連想させるような風景が広がり、歌っていてとても楽しくなります。ほのぼのとして、癒される曲ですね。

曲中「館山」「御宿」「木更津」と千葉で知られる地名が出てきます。ピクニックに出かけるには最適の館山。海の美しさで知られる御宿。そして次に、おっと港町の木更津が来たか~と、作詞・作曲してくださった伊藤薫先生のセンスに拍手です。木更津は今やアウトレットのある町としてすっかり有名になりましたが、潮干狩りができる海岸があるなど、海の景色の綺麗なところ。歌詞では“恋をするなら 木更津がいいよ”と歌います。

水森かおり

Bタイプのカップリングは「犬吠埼」。大谷明裕先生の曲はフォークソングのテイストで、こちらも温かみのある楽曲になっています。

犬吠埼は私にとって思い出の地の一つです。子どもの頃、亡き父が毎年夏休みになるとキャンプに連れて行ってくれた場所なんです。当時は今のように高速道路が伸びておらず、すごく時間がかかって遠い場所というイメージでしたが、くねくねとした道を走った先に突然道が開けて視界に飛び込んできた風景は忘れることができません。お日様の光が海に反射してものすごくキレイ。「着いた~」って毎回感激したものです。ただ、数年前に仕事の合間にちょっと足を運んだら、そのキャンプ地はなくなっていました。びっくり、そしてすごく寂しかったですね。

今回のシングル「九十九里浜」では2形態で、思い出い深い場所も入った千葉県の曲を3曲もいただきました。こうしてまた、私の故郷が増えたという思いです。

水森かおり

東京出身の私には帰る故郷はなく、友人から「田舎に帰るの」という言葉を聞くたびに、すごく羨ましいワードだなって思っていました。でも、こうして全国のご当地ソングを歌うようになり、むしろ私には田舎がないので比べるものがなく、純粋に歌わせていただくことができています。その土地が100%ステキに思え、とても好きになれます。そういう点で、東京生まれでよかったのかもしれないな・・・などと感じています。

以前、アルバムの中で「荒川線」(荒川区の三ノ輪から新宿区の早稲田を結ぶ唯一の都電。路線には水森の地元・飛鳥山も含まれる)という歌を歌い、これはまさに東京が舞台でした。全国的によく知られる浅草、銀座、六本木といった地名ではなく、地域に愛される場所にスポットを当てた、東京を舞台にした歌もたくさん歌えたらいいですね。

(文=藤井利香)

 

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2022年2月15日発売
悲しい恋を切々と・・・
水森かおり「九十九里浜」
【タイプA】
水森かおり

「九十九里浜」
作詞/麻こよみ 作曲/弦哲也 編曲/伊戸のりお
c/w「房総半島 吹く風まかせ」
作詞/伊藤薫 作曲/伊藤薫 編曲/佐藤和豊
徳間ジャパンコミュニケーションズ TKCA-91401 ¥1,350(税込)

【Bタイプ】
水森かおり

「九十九里浜」
作詞/麻こよみ 作曲/弦哲也 編曲/伊戸のりお
c/w「犬吠埼」
作詞/円香乃 作曲/大谷明裕 編曲/佐藤和豊
徳間ジャパンコミュニケーションズ TKCA-91402 ¥1,350(税込)

デビュー27年目を迎えた水森かおりの勝負曲の舞台は千葉県の九十九里浜。千葉県のご当地ソングは自身初となる。作詞・麻こよみ、作曲・弦哲也のタッグによる作品。ジャケット写真とカップリングが異なるA・Bタイプがあり、カップリング曲もAタイプには「房総半島 吹く風まかせ」、Bタイプには「犬吠埼」と千葉県にまつわるご当地ソングが収録される。

お客様あっての私たち・・・水森かおり

水森かおり

2021年9月25日に開催されたメモリアルコンサート。水森かおりは、前人未踏の全28曲・オリジナルシングル・ノンストップ歌唱に挑戦した。

「中野サンプラザホールでの2年ぶりのコンサートでは、お客様に感謝を伝えたくて全28曲をノンストップで歌わせていただきました。スタッフからは途中で休憩を入れようかとか、つらくなったら水分補給していいからね、って言われていましたが、水も飲まずに歌えましたね。ただ、30周年とか、記念の時まではもういいかな。毎年はね(笑)。でも、お客様が目の前にいて歌わせてもらえる喜びは大きく、お客様あっての私たち。力をもらえているんだなとあらためて思います。大きな声での声援ができない分、いただく拍手に厚みを感じ、思いを感じてそれがとてもありがたいです。コロナ禍でキャンペーンの中止が続くときはとても残念ですが、2022年は、皆さまの前でたくさん歌える機会をつくっていけるよう頑張ります!」

2022年2月9日発売
水森かおり『メモリアルコンサート~歌謡紀行~ 2021.9.25』
水森かおり

徳間ジャパン・コミュニケーションズ TKBA-1320 ¥5,100(税込)

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水森かおり

profile
水森かおり(みずもり・かおり)
8月31日、東京都生まれ。1995年9月25日、「おしろい花」でデビュー。2002年の10枚目のシングル「東尋坊」が大きく注目され、その翌年の「鳥取砂丘」が大ヒット。2003年の『NHK紅白歌合戦』に初出場を果たす。以来、19回連続出場中。2020年はデビュー25周年を迎え、北海道・東京・大阪・愛知・福岡の5大都市で「水森かおり25周年記念 メモリアルコンサートツアー」を開催予定だったが、コロナ禍で中止に。デビュー日の9月25日には初のオンラインコンサートを行い、25周年を祝った。また2021年9月25日には、2年ぶりに中野サンプラザホールで「水森かおりメモリアルコンサート~歌謡紀行~」を開催。1995年のデビュー曲「おしろい花」から2020年の「瀬戸内 小豆島」までシングル曲・全28曲をノンストップで披露した。コロナ禍で活動が制限された2020年にはYouTubeに「水森かおりチャンネル」を立ち上げ、ユーチューバー・デビュー。同活動が縁となり、オリジナルシングルとしては自身初のJ-POP作品「笑顔でいようね」を2021年9月に発売した。2022年2月には、アプリで読むマンガ「水森かおり物語第1話」が公開。

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