
三山ひろしが全集中で見せた新曲「花恋歌~はなれんか~」での色気
年末の第72回NHK紅白歌合戦で、「浮世傘」の歌唱とともにけん玉ギネス記録を見事更新した三山ひろし。明けて1月、2022年の第1弾シングルとして「花恋歌~はなれんか~」をリリースした。夫婦の情愛を女性目線で描き、“離れない離さない 離れないない”という歌詞と、タイトルの「花恋歌」の語呂合わせがユニークで印象的だ。かず翼が作詞し、作曲は弦哲也。三山のオリジナル曲としては、初の組み合わせとなる。
「離れない」と「花恋歌」の語呂合わせ
「浮世傘」はずっしりとした本格演歌でしたが、今回はデビュー曲の「人恋酒場」に似てとてもノリのいいメジャー調の曲です。最初の出だしなどはパンチが効いていますので、カラオケの好きな方にとっては歌いたい一曲になるなのではないでしょうか。
タイトルが何ともいいですね。離れろ、と言われても離れるものか。絶対に添い遂げるんだという夫婦の思いを、「離れない」と「花恋歌」の語呂合わせで表現しています。苦労は多いけれどそのうちきっといいことがある、そう信じてお互いを心底思い合う。僕にとっても憧れる世界です。
歌詞のどの部分もすごくいいんですが、僕が一番大事にしたいのが「あなたは私の いのち花」(一番)、「あなたは私の こころ花」(二番)、「あなたは私の あした花」(三番)の部分。ここはとくに女性の色気や艶を感じてもらえるところで、どれだけあなたが大事か、そしてあなたがいるから私は咲くことができるというその思いを表現しています。強く歌うばかりだとこの歌の魅力が出ないので、この部分はとくに心を込めて。張らずに緩やかに歌っています。
ラストの「離れない離さない 離れないない 花恋歌」もまた、印象に残るフレーズです。日本語のおもしろさを感じる一部分ですが、カラオケで歌うときは、思う人を心の中で描きながら楽しく歌ってほしいですね。「ないない」あたりで振り付けがあってもいいかなと思っていますが、今のところはありません。皆さんの反応によっては入れてもいいかもしれませんね。
レコーディングは全集中で、色気を表現
作曲は弦哲也先生です。デモテープをいただいたとき、こんなに完成度の高いデモってあるのかなと驚きました。すでに世の中に出ているような曲の仕上がりで、既存の歌といってもいいくらい。自分なりにこうしたいと思っていたことが全部そのまま入っており、これを越えるのは至難の業だなと。それでも弦先生ではない、三山ひろしの歌にしなければいけないので、レコーディングのときはまさに挑戦でした。
当日、3人の作家の先生方とディレクターさんのイメージを描きながら全神経を集中させて歌ったところ、弦先生がひと言「うまい!」と。ホッとしました。先にお話ししたように、「あなたは私の あした花」の歌詞の部分は自分の持っているもののすべてを見せるところ。「何ともいえない色気がある」ともおっしゃっていただけました。
実際にはテイクごとに歌い方を変えて歌ってみたんですが、「こんなに変えて歌えると、歌が困るよね」とお褒めの言葉もいただき、うれしかったです。その中からもっともいいとされた歌が採用されましたが、この是非を判断していただくのは聴いてくださるファンの皆様。どんな評価をいただけるのか、とても楽しみにしています。
哀愁漂うカップリング曲「海峡の雨」
男女の人生模様を歌った「花恋歌~はなれんか~」のカップリングには「海峡の雨」が収録された。港町の酒場で一人静かにグラスを傾ける、こちらはちょっとニヒルな男性が主人公の哀愁演歌だ。
お酒は日本酒でなくウイスキー?
マイナー調の男歌です。和服ではなく、深めに帽子を被りトレンチコートを着たダンディな男性。石原裕次郎さんをイメージした感じで、お酒は日本酒でなくウイスキー。だから舞台は居酒屋というよりは、カウンターのある小さなバーですね。
イントロ、アウトロがとてもオシャレなコード進行になっており、ド演歌というよりは哀愁漂うライトな演歌となっています。ギターの泣きどころもすごくよくて、波止場のバーの風景が見えてくるようです。
僕がいつも大事にしたいなと思っているのがアレンジで、編曲によって曲の雰囲気がガラリと変わります。歌うときはいつもなんでこういうコード進行にしたのかななど、いろいろ考えるんです。そこには必ず意味があり、歌の世界観を知るためにはカラオケを聴くというのが意外に大事なんですね。
ですからカラオケで歌ってくださる方には、ぜひ僕の声の入っていない曲だけをまず聴いてほしいと思っています。そこには歌い方のヒントが隠れていて、歌に対する感じ方も変わってくるはずなんです。そうやって、1枚のCDをフル活用していただくと費用対効果も抜群だと思います!
(文=藤井利香)
”三山家とさ春”として落語に本気挑戦!!
「半歩でも前へ」をモットーとする三山ひろし。多趣味でも知られているが、そのどれもが趣味の域を超えて専門的に取り組んでいる。そんな三山が2022年は本格的に落語へ挑戦するなど、さらに意欲的な姿を見せてくれそうだ。
41歳の誕生日となった昨年9月17日、東京・墨田区の寄席「お江戸両国亭」で古典落語「金明竹」披露した”三山家とさ春”。高座名は師匠・立川志の春が命名してくれた。めくりの名前は、三山が書いた。
志の春・とさ春 二人会 ~三山ひろし落語はじめました~
三山家とさ春 昨年5月、『三山ひろし落語~日本の伝統芸に挑む』というテレビ企画で落語に挑戦させていただきました。明治座での座長公演でご縁をいただいた落語家の立川志の春師匠のもとで修業を積み、「三山家とさ春」という高座名もいただきました。とさ春の“とさ”は、出身地の土佐(高知)ですね。忙しかったですが、1カ月間で古典落語の「金明竹」を会得、披露しました。そうしたら「生で見たい」といった思わぬ反響があって、その後は9月のバースデーイベントとして「落語会」を開催。こちらも好評でしたので、2022年はさらに調子に乗って全国イベントにできたらなと思っています。
緩急、間の取り方、勢いなどまだまだ修行の身ですが、一番大切なのは最後まで正座でやり通すということだと気づきましたね。いやいや、これが大変難しい。おかげ様で落語とは別のオチがつきまして、最後に僕が立てなくてコロンと高座から転がるというパターンが出来上がってしまいました(笑)。これを楽しみにしているというファンの方もいらして、どうなるかというのも見どころの一つになるのではないかなと思っています。
まずは、志の春師匠と「二人会」を開催予定です。また違う演目にも挑戦するつもりです。どうぞ、ご期待ください!
落語会概要
志の春・とさ春 二人会 ~三山ひろし落語はじめました~
開催日:2022年3月6日
時間:13:30 開場/14:00 開演
会場:かめありリリオホール
出演:立川志の春/三山家とさ春(三山ひろし) 他
チケット:3800円(全席指定)
キョードー東京 TEL:0570-550-799
オペレータ受付時間(平日11:00~18:00 土日祝日10:00~18:00)
※各種プレイガイドでも発売中
キョードー東京
チケットぴあ
ローソンチケット
イープラス
CNプレイガイド
2022年1月26日発売
2022年第1弾シングル
三山ひろし「花恋歌~はなれんか~」

「花恋歌~はなれんか~」
作詞/かず翼 作曲/弦哲也 編曲/伊戸のりお
c/w「海峡の雨」
作詞/かず翼 作曲/弦哲也 編曲/伊戸のりお
日本クラウン CRCN-8452 ¥1,350円(税込)
2021年はシングルとして「谺-こだま」と「浮世傘」の2作品を発表した三山ひろし。2022年第1弾シングルは「花恋歌〜はなれんか〜」。苦労をともにした男女の人生模様を軽快なリズムで歌うライトな演歌。サビが印象に残る。カップリング曲「海峡の雨」は、港町を舞台にした男性目線の哀愁演歌となっている。
2021年12月8日発売
三山ひろし『こころの歌~三山ひろし叙情歌を唄う~』

日本クラウン CRCN-41385 ¥2,800(税込)
収録曲
1. 早春賦
2. 白い花の咲く頃
3. 花~すべての人の心に花を~
4. 浜辺の歌
5. 夏の思い出
6. 知床旅情
7. 少年時代
8. 涙そうそう
9. 赤とんぼ
10. 空に星があるように
11. 故郷
12. 椰子の実
13. 銀色の道
14. ゴンドラの唄
15. 叱られて
16. かあさんの歌
※三山ひろしのシングル「花恋歌~はなれんか~」、アルバム『こころの歌~三山ひろし叙情歌を唄う~』は各種音楽ダウンロードサービス、聴き放題サービスでも配信中
Profile
三山ひろし(みやま・ひろし)
1980年9月17日、高知県生まれ。本名は恒石正彰。作曲家・中村典正氏のもとで修業し、2009年、「人恋酒場」でデビュー、10万枚を超えるセールスを記録。2011年12月、第53回日本レコード大賞「日本作曲家協会奨励賞」を受賞。2015年、「お岩木山」で『NHK紅白歌合戦』に初出場。2016年は日本けん玉協会から「けん玉大使」に任命される。2020年12月、初めてのポップス曲「その名もコノハナサクヤヒメ/きみにハレルヤ!」を、”三山ヒロシ”名義でリリース。2021年は1月にシングル「谺-こだま」、7月にシングル「浮世傘」をリリース。2021年大みそかの『第72回NHK紅白歌合戦』には7回目の連続出場を果たし、「浮世傘~第5回 けんだま世界記録への道~」と題し、「浮世傘」歌唱中にギネス世界記録「連続してけん玉をキャッチした人の最も長い列」に挑戦。126人を達成し、前年続いて2年連続で記録を更新した。また2021年には落語にも挑戦。落語家・立川志の春師匠のもとで鍛錬を積み、高座名・三山家とさ春として落語会を開催。2022年は1月26日に、新曲「花恋歌~はなれんか~」を発売。3月には落語会「志の春・とさ春 二人会 ~三山ひろし落語はじめました~」を開催する。音楽情報番組「あさうたワイド」(BS日テレ。毎週木曜日 午前5時~5時29分)では師匠・松前ひろ子とともに司会を務める。
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