「今が一番良い声」。神野美伽が“演歌のコンサート”で圧巻のステージ。昭和のレジェンドたちに捧ぐ魂の歌声

2025.10.16

神野美伽が10月15日、東京・千代田区のヒューリックホール東京にてコンサートを開催。今年8月に、念願の笠置シヅ子音楽劇「SIZUKO！QUEEN OF BOGGIE～ハイヒールとつけまつげ～」の再演を無事に終えた彼女が、これぞ“神野演歌“の真骨頂ともいえる「演歌」に特化したステージで魅了した。

写真＝KUMIKO YAMADA

「神野美伽の演歌のコンサート」は、スペインの画家ジョアン・ミロの作品をモチーフにした鮮やかな衣裳をまとった神野が、客席後方から登場するというサプライズで幕を開けた。

割れんばかりの拍手と歓声に包まれる中、「2025年、神野美伽の演歌のコンサート、はじめましょう！」と高らかに宣言。ステージは昭和を代表する歌手・村田英雄の「花と竜」、そして「無法松の一生～度胸千両入り」へと続き、力強い歌声で観客を一気に引き込んだ。

「バレンタインチョコのお返しにこの曲の詩をいただきました」と、村田との心温まる思い出を明かして熱唱したのは、生前の村田本人が神野のために書き下ろしたという秘蔵の楽曲「往生しなっせ」だった。師と仰ぐ大先輩への深い敬意が歌声にも滲んでいた。

続いては、神野の母が愛してやまないという美空ひばりの名曲へ。ポップにアレンジされた「みだれ髪」、アフロバージョンで届けられた「リンゴ追分」と、新たな魅力で名曲に命を吹き込むとと、東京ドームで観た美空の伝説のコンサートの思い出を語った。

さらに、自身が音楽劇で演じた笠置シヅ子の「東京ブギウギ」「買物ブギー」で会場のボルテージは最高潮に。「会場は笠置シヅ子さんに因んだ日劇跡地の“ヒューリックホール東京”を選びました」と、この場所で歌うことの意義を語り、第一部のラストを「ラッパと娘」で華やかに締めくくった。

第二部は、画家ヒロ・ヤマガタの作品をモチーフにした衣裳で登場し、自身の代表曲「男船」「男の海峡」を堂々と歌い上げた。圧巻だったのは、観客からのリクエストコーナー。コンサートではほとんどカバーした経験がないという北島三郎、坂本冬美、天童よしみ名曲が選曲された。

北島の「風雪ながれ旅」、坂本の「夜桜お七」、天童の「道頓堀人情」。それぞれの歌手との思い出を語りながら、神野がまるで持ち歌のように歌いこなす姿に、会場は息をのんだ。そして、「20代の時よりも、30代の時よりも、今が一番良い声が出ています（笑）」と、満面の笑みを浮かべた。

コンサートも佳境に入ると、神野は「浪花しぐれ桂春団治」（京山幸枝若）、「座頭市子守唄」（勝新太郎）といった男唄を歌い、「酔歌ソーラン節」（吉幾三）では会場から「ソーラン！」のコールが鳴り響き、ホール全体が神野美伽の世界に染まった。

神野は間髪を入れず、「春夏秋冬屋形船」、2003年の紅白歌合戦で歌唱した「浮雲ふたり」、40周年記念曲「夜が泣いてる」とオリジナル曲を立て続けに歌うと、「年齢を重ねると曲への思いが変わる。年をとるのもいいね」と語った。

その言葉には、歌と共に生きてきた彼女の人生の深みが感じられ、最新曲「まっぴら御免」、昨年リリースの「天の意のまま」が届けられると、進化し続ける自身の歌声を証明した。

ラストナンバーは「あんたの大阪」、神野は「立ち上がっていただいて、体を自由に使ってお楽しみください」と、観客に優しく呼びかけると、感情豊かに歌い上げた。総立ちとなった観客も熱気を放ち、コンサートは感動の渦に包まれた。

なお、「神野美伽の演歌のコンサート」はこの後、大阪・京都でも開催されるほか、「神野美伽さんが歌うはじめてのシャンソン」「神野美伽 Boogie,Jazz&Song 2025」と、シャンソンやジャズなどジャンルを超えた神野のステージは続く。

2025年5月14日発売
神野美伽「まっぴら御免」

「まっぴら御免」
作詩／荒木とよひさ　作曲／岡千秋　編曲／猪股義周
C/W「往生しなっせ」
作詩／村田英雄　作曲／立花淳夫　編曲／猪股義周
キングレコード　KICM-31168　￥1,500（税込）

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INFORMATION

「神野美伽の演歌のコンサート」
11月26日（水）　大阪新歌舞伎座
15時開演　S席10,000円　A席6,500円
問合せ：新歌舞伎座テレフォンセンター　06-7730-2222
https://www.shinkabukiza.co.jp/perf_info/s20251126.html

「神野美伽の演歌のコンサート」
11月27日（木）　京都ロームシアター　サウスホール
13時30分開演　SS席￥8,800　S席￥7,700
チケット：グッドラック・プロモーション株式会社
TEL.0570-030-707(平日10:00～16:00)
https://goodluck-p.jp/products/detail/1386

「神野美伽さんが歌うはじめてのシャンソン」
11月15日（土）　草月ホール（東京都港区赤坂7-2-21草月会館地下1階）
17:00 開場／18:00 開演

「神野美伽 Boogie,Jazz&Song 2025」
12月14日（日）中日ホール（愛知県名古屋市中区栄４丁目１−１中日ビル 6F）
13:00 開演