小田純平

小田純平が今伝えたいこと〜新曲「明日(あした)へ new version」/「恋うつつ」〜

小田純平の生み出す音楽をひと言で表すならば、まさに”ジャンルレス”。2枚同時発売される「明日(あした)へ new version/約束」と「恋うつつ/愛の秘密」は、正反対の魅力を持ちながらどちらも”小田純平”を感じることのできる力作だ。独自の音楽スタイルを追求し続ける小田が、今、世の中に問いたいこと、伝えたいこととは?

 

背中をちょっとだけ押してあげられる歌を歌いたい

どうも、小田純平です。このたび「明日(あした)へ new version/約束」と「恋うつつ/愛の秘密」という2枚を同時発売しました。昨年の8月に「東京 狼(うるふ)」を出してからまだ一年も経っていないこの時期ですが、”今伝えなくてはいけない””この曲を世の中に問いたい”という思いを込めました。

昨年はコロナ禍で、皆さんと同じように4月から半年間はほとんど仕事も延期や中止。そして、計らずもできた時間の中で37曲も曲を作ることができました。今まで色々な作家の先生方からいい詞をいっぱいもらっていたので、本来ならば「締め切りまでに終わらない。どうしよう」とか「メロディーが浮かばない!」と慌てるところ、今回は、冷静にゆっくりと詞を読み返して曲を書くテンションがいい感じで保てたかなと思います。そういう意味では、悪いことばかりではなかったかもしれません。

「明日(あした)へ new version/約束」はいわゆる男唄、「恋うつつ/愛の秘密」は女唄。もともと僕が作る男唄と女唄とでは世界観が全く違います。僕はずっとフォークソングを歌ってきて、コンサートももう12年目を数えますが、メインタイトルは「音楽にできること」。そして今年は「2021 音楽にできること それぞれの明日へ」です。今回の2曲の男唄はメッセージソングですが、昨年コロナが蔓延し始めてから今日まで、この間色々なことを考えました。日本だけに限らず、世界中でこのウイルスがこれだけ猛威を振るっている。そういう規模で考えた時に、今自分ができることは何だろう? 何を発信したらいいのか?

小田純平

昨年の9月から僕らはアコースティックライブを始めました。落ち着いてきたとはいえまだまだ先の見えない状況。元気がなくなってきた世の中でやりたいこともままならない歯痒さを抱えて、どこに何をぶつけたらいいかわからない人たちばかり……僕らも含めてね。歌っていく中で、困難にぶつかっている人たちがたくさんいるけれど、音楽にできることといったら、一歩踏み出そうよと、明日を信じないと生きていけないよね、と皆さんの背中をちょっとだけ押してあげられるような歌を歌いたいなと思いました。

過去に遡って4年前、後輩の中村つよしくんが自身で作詞した「明日へ」という歌を出しました。その時に僕はその歌を聴かせてもらって感動しました。

「つよしくんこの歌すごくいいね。俺このサビのフレーズのこの言葉好きだな。何気ないひと言なんだけど」

この歌のメロディーも歌詞も大好きで、俺も歌いたいと思ったんです。でも、彼がとても繊細でガラスのような美しい声で歌う「明日へ」は、若者へ宛てたメッセージを歌っていました。そこで今回、つよしくんに「この時代に必要な歌を作りたいんだ」と、前半のBサビまでのところを全部取り替えて新たな詞を書いてほしいとお願いしました。そして彼が書いてすぐに送ってくれた詞を見た瞬間、「そう、こういうこと!」。なんでもない詞なんですよ、普通に。でも、すばらしい。こういう歌を僕はメッセージとして今、皆さんに伝えたい。

灼熱の乾く大地
恵みの雨を待つ種

必ず雨は降り 大地を潤す
必ず冬は終わり 春は訪れる
(「明日へ new version」1番歌詞より)

小田純平

今伝えたい、届けたいことを歌い、自分にできることをやっていく

もう1枚の表題曲「恋うつつ」は、以前大衆演劇の座長として、舞踊家、歌手としても活躍している椿欣也くんに提供した楽曲です。昨年の1月から僕Twitterを始めたんですよ。やっていくうちに見てくれている人たちが増えてきて、その中に大衆演劇の座長さんだったり、大衆演劇を応援しているファンの皆さんがいっぱいいらっしゃったんです。なんでかな?と思っていたら、「純平さんの歌で踊らない座長さんはいません」という話になって。色々調べたら、本当に大衆演劇の皆さんが踊ってくれていたんです。それがうれしくてね。

それから様々な劇団やファンの方々と交流するにつれて、こんなに頑張っている人たちがいるんだとわかって僕がこの人たちを応援できることは何だろうと考えて、そうだ、じゃあ女唄で踊れる歌を歌おうと。それで、椿欽也くんに書いたこの歌を「純平さんの生歌で聴きたい」という要望が多かったので、じゃあ今回これを歌って出しましょうということになりました。

2枚それぞれ、4曲がどれも全く色の違う楽曲で、僕は今伝えたい、届けたいことを歌っています。そして僕もこの作品たちを歌いながら、逆らわず自然に任せて、今自分にできることをやっていこうと思います。

 

小田純平の原点 ~ 両親との「約束」~

この曲もつよしくんに僕の思い出を話した中から生まれた、ほぼ実話みたいな歌です。

若い頃、僕が歌の道に行くのを親父は自分が芸人だったんで大喜びだったんですが、おふくろは反対でした。『歌い続けられるのか」と。その時親父とおふくろに「俺は絶対死ぬまで歌い続けるから」という約束をした。そして今、一生懸命俺は音楽をやっているし、こうして歌い続けているからある意味約束は果たせたかなと思うんだよね。亡くなった親父にも、認知症を患っているおふくろは今でこそ記憶はないけれど、ちゃんと魂に届くような歌もいっぱい作ったし、きっと二人は喜んでくれていると思う。

絶対歌い続けるからね、というその約束を今も守って頑張っているよということを伝えたくて、そんな話をつよしくんとやりとりをしながら作りました。この曲は僕のいちばん最初の原点の歌です。

 

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2021年5月12日発売
小田純平「明日(あした)へ new version」
小田純平

「明日へ(new version)」
作詞/中村つよし 作曲/小田純平 編曲/矢田部正
c/w「約束」
作詞/中村つよし 作曲/小田純平 編曲/矢田部正
日本クラウン CRCN-8402 ¥1,350(税込)

2021年5月12日発売
小田純平「恋うつつ」
小田純平

「恋うつつ」
作詞/みやび恵 作曲/小田純平 編曲/矢田部正
c/w「愛の秘密」
作詞/朝比奈京仔 作曲/小田純平 編曲/矢田部正
日本クラウン CRCN-8403 ¥1,350(税込)

Profile
小田純平(おだ・じゅんぺい)
1958年4月15日、鹿児島県生まれ。両親が小さな劇団を営み、幼少の頃から舞台に立つという異色な経歴を持つ。相次ぐアクシデントの連続で一時音楽活動を休止するも、活動再開後作曲家・音楽プロデューサーとして一躍注目を集める。2013年から14年にかけて、全国規模でカラオケ大会を開催。全国で7000人という驚異的な動員を果たした。2015年には自身の原点回帰とも言える、プロとしては異例な「投げ銭ライブ」を行うなど、独自の活動や音楽スタイルで人気を博している。

★小田純平オフィシャルサイト
★小田純平Twitter
昨年から始めたというTwitterでは、自身の活動はもちろん普段の生活で感じた事柄、ギター弾き語り動画など様々な情報発信を続けている。「ファンの皆さんとつながりたくて始めました」と言うだけあって、小田純平の“今”がストレートに伝わってくる。ファンはフォロー必須のアカウント!