男・三山に惚れた! 三山ひろしが恒例のリサイタルで弦哲也氏とコラボ。10年連続10回目の紅白出場へ
三山ひろしが6月6日、東京・渋谷区のLINE CUBE SHIBUYAで恒例のリサイタルを開催。満員御礼となる1800名のファンが見守る中、作曲家・弦哲也氏のギター演奏で新曲「恋…情念」を披露したほか、三山が創作した“落語歌謡”というジャンルもお披露目した。
またギターやドラム演奏のほか、本邦初となるハーモニカにも挑戦し宝石箱のようなステージを届けると、年末には「10年連続10回目の紅白出場を本当に、絶対に叶えたい」と力強く語った。
構想一年。練りに練った”熱唱! 熱演! うた語り”
昨年、デビュー15周年を迎えた三山ひろしは今年5月まで、「三山ひろし15周年記念コンサート~ありがとう感謝を込めて~」と題するツアーを回ってきた。また今年1月には新曲「恋…情念」を発売し、5月22日には新装盤「恋…情念【スペシャル盤】」をリリースした。このスペシャル盤にはボーナストラックとして「恋…情念」のギターバージョンが収録され、三山の持つ歌声が息づかいと共に届けられる。
「三山ひろし リサイタル2024~熱唱! 熱演! うた語り~」はデビュー16年目の第一歩となるステージだった。このリサイタルを経て、今年のコンサートツアーが始まる。
「去年の今ごろから今年のリサイタルの構想を考え始めました。通常は割と直近に準備しはじめますが、今回の公演ではバンドさん含め制作陣と一緒に話し合ってきて、1年間準備してきました。このリサイタルがこれから始まるツアーのベースとなりますが、練りに練ってきました。自分たちの中では新鮮に感じないほどです」
三山流は拍手、歓声、そして笑い
リハーサルを終えた三山は、本番を前に「緊張より、どちらかというと楽しみのほうが大きい」と期待に胸を膨らませていた。
「『どんな反応をお客様がするんだろう?』という楽曲もあります。昨年11月にアルバムの中で発表させていただいた“落語歌謡”です。新しいジャンルをつくったのですが、今日、披露させていただきます。普通は歌の間に拍手があったり、歓声があったり。今年3月3日に落語の二人会(「志の春🌸とさ春二人会」“三山家とさ春”は三山の落語家としての名前)をさせていただいたときに披露し、笑いが起きるという新しい感覚を得ました。落語歌謡ではいつもとは違うリアクションをお客様がしてくださると思います」
準備されたのは落語歌謡だけではない。エレキギター、ガットギター、フォークギターという3タイプのギターやドラムを演奏した。
「一部では任侠、男の生き様を表現して、股旅者演歌などを歌わせていただきます。二部ではギターとドラムを演奏します。このところコンサートでは楽器演奏を披露させていただいていますが、今回はさらにレベルを上げていこうということで、エレキギターを弾きます。ガットギターとフォークギター、そしてエレキギターの3タイプのギター。同じギターなので大丈夫だろうと思ったのですが、奏法が違うのでなかなか大変でした」
急きょ決定! 猛練習を積んだハーモニカ演奏
「どんこ坂」から始まる三山のリサイタルは、「北海港節」「お岩木山」「四万十川」などを経て、浪曲「森の石松三十石船」では音楽をつけて冒頭部分を披露。新しい浪曲の形を模索した実験的なステージをみせた。そして、「八木節」「名月赤城山」などを挟み、「落語歌謡 厩火事(うまやかじ)」で第一部を占める。
第二部は三山が楽器をもって登場。エレキギターで「夢芝居」(梅沢富美男)を、ガットギターでは「悲しい酒」(美空ひばり)を、フォークギターでは「もう一度逢いたい」(八代亜紀)を弾き語りで歌う。この日発売となったアルバム『歌い継ぐ!日本の流行歌パート5』に収録された3曲でもあったが、弾き語りでの披露は初めてだった。
また、2022年に北島三郎が“原譲二”名義で三山のために作詞作曲した「夢追い人」ではドラムを叩いた。
メインイベントは作詞家・弦哲也氏とのコラボだった。弦氏は2023年1月のデビュー15周年記念曲第一弾「どんこ坂」、同第二弾「北海港節」、そして今年の勝負曲「恋…情念」の作曲を担当していた。
スペシャルコラボでは前作「北海港節」のカップリング曲「三面川暮色」を情景豊かに歌唱。弦氏のギターに合わせ、三山は本邦初公開となるハーモニカの演奏に挑戦した。ハーモニカの演奏は弦氏からの提案。リサイタル5日前に決まったという。
「お話をいただいたのは5日ほど前でした。弦先生とのコラボでは『三面川暮色』をご披露するのはどうかとお話しさせていただいたところ、『じゃあ、三山くんもなにかやれば』と。『ハーモニカを吹いたらどうか』と。吹いたことがないので、5日間、猛練習しました。朝起きて吹いて、寝る前にも吹いて・・・。もちろん昼間もずっと練習しました」
当初はブルースハープ(10穴ハーモニカ)を購入し練習に励んだものの、叙情歌的な『三面川暮色』の雰囲気がまったく出せなかったという。そこでハーモニカメーカーのトンボに相談し、複音ハーモニカを再入手し練習を重ねて、弦氏が「バッチリです」と太鼓判を押すほどに上達した。
弦哲也氏からの挑戦状 「どうだ、三山。これ歌えるか」
三山は「三面川暮色」に続いて、「恋…情念【スペシャル盤】」に収録されたギターバージョンを、弦氏と共にファンに贈る。同曲は燃え上がる情念の世界を歌っているが、三山の新しい歌世界を拓く楽曲。弦氏から三山への挑戦状でもあった。
「三山君には10曲ぐらい、すべて切り口を変えて歌づくりをしてきました」と、弦氏がその心を説明する。
「僕からしてみれば、『どうだ、三山。これ歌えるか』という挑戦状を手渡すような気持ちで歌づくりをしてきましたが、見事に受けて返してくれます。チャレンジ精神がものすごく強い好青年で、すべてを自分のものにしている。同じ男性ですが、男・三山に惚れ込んでいます。
『恋…情念』もまた三山君の中にはなかった世界ですが、心の中の叫びの歌です。オーケストラの演奏での叫びもいいけれども、ギターだけで歌う、三山君の息づかいであったり、溜息であったりとか。そういう素の、裸の声の響を聴きたくて、今回、ギターバージョンの収録をさせてもらいましたが、この歌も三山流に仕上げてくれました。作家としてはとても頼もしいし、うれしいですね」
10年連続10回目の紅白出場へ
「弦先生をお迎えし、スペシャルバージョンでお送りさせていただきました」。三山は弦氏が弾くギターの音色に心の叫びを乗せて情念の世界を届けると、カップリング曲「雲」へと歌い継ぎ、デビュー16年目の新たなスタートを切った。今年の目標はNHK紅白歌合戦への出場だ。
「もし出場できるなら10年連続10回目となります。本当に、いや絶対に叶えたい。『恋…情念』という素晴らしい歌もいただきました。この曲を武器として、たくさんの皆さんに届け聴いていただき、喜んでいただき、年末のステージを皆さんと一緒に楽しみたい」
現在、四段の腕前を持つけん玉も、今年中に五段へ上がりたいという。
「少し前に審査を受けましたが、残念ながら失敗しました。四段までと違って、五段からは1カ月に1回しか審査を受けることができませんが、なんとしても今年中に五段になりたいなと思います。『恋…情念』がヒットして、年末には10回目の紅白に出させていただき、けん玉のギネス記録(「連続してけん玉をキャッチした人の最も長い列」。昨年の紅白では128人に挑戦し失敗)も更新。そして五段にもなれれば、最高です(笑)」
○
「今回は様々な挑戦が入っています。演じて、歌って、語るという部分では存分にやらせていただきます」
そう語る三山ひろしの今年のツアー「三山ひろし コンサート2024 ~熱唱!熱演!うた語り~」は6月14日(金)、青森県から始まる。
2024年5月22日発売
三山ひろし「恋…情念【スペシャル盤】」
【Amazon.co.jp限定】恋…情念/神輿/恋…情念(ギターver.)【スペシャル盤】(特典:メガジャケ<ランダムで直筆サイン入り>付)
2024年6月5日発売
三山ひろし『歌い継ぐ!日本の流行歌パート5』
収録曲
1. 夢芝居
2. 道頓堀人情
3. 愛の終着駅
4. もう一度逢いたい
5. ブルー・シャトウ
6. ギターを持った渡り鳥
7. 悲しい酒
8. 花と竜
9. 浪曲子守唄
10. みちづれ
11. 雪が降る
12. 雪椿
【Amazon】【メーカー特典あり】歌い継ぐ!日本の流行歌パート5 (特典:ステッカー付)
2023年11月22日発売
『三山ひろし全曲集~落語歌謡「厩火事」入り~』
収録曲
Disc1
1. 北海港節
2. どんこ坂
3. 人恋酒場
4. ダンチョネ港町
5. お岩木山
6. 四万十川
7. 女に生まれて
8. 渡り鳥
9. 望郷山河
10. 杉の大杉
11. いごっそ魂
12. 男のうそ
13. 谺−こだま
14. 浮世傘
15. 望郷列車
Disc2
1. 花恋歌~はなれんか~
2. 酔待ち酒場
3. 北のおんな町
4. 男の路地裏
5. おまえの故郷
6. あやめ雨情
7. 男の流儀
8. みちのく港町
9. 棚田桜
10. 純愛
11. 茜雲
12. 春恋のれん
13. 夢追い人
14. 貴方にありがとう
15. 落語歌謡 厩火事