響悦子、彩、青山ひかる

うたまるスペシャルコンサートが開催。響悦子、青山ひかる、彩が共演し、「愛しているよ~」

うたまるスペシャルコンサートが5月31日、千葉市美浜文化ホールで開催され、響悦子、青山ひかる、彩(Aya)が歌声を聴かせた。

響悦子

“うたまる”はコロナ禍で改めて音楽の力を再認識したシンガーソングライター 響悦子が主催する音楽イベント。この日は、「うたまる 寸評付き発表会 & スペシャルライブ」として行われ、前半は「HIBIKIヴォーカルスクール」のレッスン生を含む60名以上の歌好きが日頃の成果を発表した。

響悦子

スペシャルコンサートのオープニングは、響悦子と彩による「恋のフーガ」。

メインイベントとなる「うたまるスペシャルコンサート」では、まず響悦子と彩が登場し、ザ・ピーナッツの「恋のフーガ」で会場を盛り上げた。その後は彩によるステージとなり、「ららばい」、「踊りましょう」「ROSE」を披露した。

彩

彩はYouTube「作詩家久仁京介の世界」チャンネルの中の創作プロジェクト作品を歌うために見出されたアーティスト。2021年に「ららばい」でネットデビューした。山口百恵や中森明菜を彷彿とさせる独特のハスキーボイスは時に荒々しく、時に切なく、時にセクシーに響く。本来は恥ずかしがり屋の性格で、当初は顔出しNGだった。そのため“覆面歌手”として作品をリリースしてきたが、昨年から顔出しし、歌手活動を本格化させた。

彩

作詞家・久仁京介氏といえば、新沼謙治の「津軽恋女」や福田こうへいの「南部蝉しぐれ」などのヒット曲で知られ、竹島宏を世に送り出した立役者でもある。主に演歌・歌謡曲の作品を提供しているが、ポップス作品を手掛けたいという久仁氏の要望を受けてスタートしたのが、久仁京介&山田ゆうすけ創作プロジェクトだった。

響悦子、彩、山田ゆうすけ

会場には、作曲家・山田ゆうすけ氏も駆けつけ、彩のデビュー曲「ららばい」の制作過程を紹介した。

山田ゆうすけ、今井義明

作詞家・今井義明氏は、「ROSE」は「百万本のバラ」のアンサーソングとしてつくったと明かす。

会場には作曲家の山田ゆうすけ氏も姿をみせていたが、彩のデビュー曲「ららばい」は久仁氏が作詞し、山田氏が作曲して完成させた作品だった。

翌2022年、彩は自身初のCDシングルとなる「ROSE」を発表。今井義明氏が作詞、山田氏が作曲を担当した。今井氏が加藤登紀子の歌唱で有名な「百万本のバラ」に感動し、アンサーソングとして作詞し、山田氏に作品を委ねていたものだ。「中学生のときから作詞家を夢見ていて、ずっと“自称・作詞家”でしたが、この作品で作詞家と名乗ることができました」(今井)。

彩

千葉市美浜文化ホールの会館の中でも、クラシックやジャズの演奏が主に行われる「音楽ホール」で行われたステージに立った彩は、「気持ちいい空間です」と3曲を届けると、山田氏は「先生と生徒の関係に近いので、授業参観日のような気持ちでドキドキしてみていました」と、彩のステージを見守っていた。

青山ひかる

彩に続いて登場したのは来年デビュー20周年を迎える青山ひかる。まずは「マイ・ウェイ」で観客の心をつかんだ。

「早いもので来年20周年を迎えさせていただきます。(2006年)26歳のときにデビューしましたが、最初は右も左もわからないままスタートしました。今ではいろんなことを知り過ぎちゃいましたが(苦笑)。でも、大好きな歌と出会って、こうして20年も歌わせていたけることに感謝しています」

青山ひかる

青山ひかる

原点に戻りたいと、デビュー曲「東京ロスト・ラブ」を披露すると、歌手人生の大きな転機となった「氷の炎」、5月29日に生誕87年となった“永遠の歌姫” 美空ひばりの作品から「津軽のふるさと」、“ひかる”コールが入る応援歌「人生チャチャチャ」、青山の故郷 山形県 かみのやま温泉郷を舞台にした「かみのやま慕情」を歌い上げた。同曲は恩師でもある中川博之氏の遺作でもあった。

青山ひかる

青山ひかるの「氷の炎」では、響悦子も舞踊で盛り上げた。

そして自身のステージのラストに2022年にリリースした出会いと別れをテーマに贈るメッセージソング「静かな奇跡」をしっとりと聴かせた。

青山ひかる

うたまるスペシャルコンサートのトリを務めたのは響悦子。大学在学中に『NHKのど自慢』千葉県大会にて優勝したことで、音楽教室からスカウトされボイストレーナーとなった響は、まずは「ハナミズキ」をカバーすると、オリジナル曲「哀愁ドラマ」へと歌い継いだ。

響悦子

「大学卒業後は、昼はボイストレーナー、夜はクラブ歌手を務めていました。クラブ歌手の仕事は夜8時から深夜1時まで。帰宅して寝るのは朝5時という生活を続けていましたが、若いからできたんですね(笑)」

2012年に「愛しき恋人(ひと)よ~Remember Me~」でデビューするが、「そんな時代の生き様を歌にしたら?」と言われ、響自身が作詞・作曲したのがサードシングル「哀愁ドラマ」だった。

響悦子

「ブルースやバラード調がいいなと、(サウンドマジックと呼ばれる)若草恵先生にアレンジをお願いし、自分の人生を歌いましたが、歌人生を変えてくれた一曲となりました」

2017年、カラオケ誌『月刊ミュージック☆スター』が主催する「ミュージック☆スター歌謡大賞」が初開催されたが、決勝大会に進出した11名11曲の中から、響の歌う「哀愁ドラマ」が第1回大賞を受賞したのだった。

オリジナル曲「あびこ桜~絶唱~」に続いて、響はロックテイストの楽曲で会場を盛り上げた。20代から40代半ばまで生バンドによる演奏で、京都を中心に関西を回り、歌を届けていたという響。バンドのメンバーは普段、中村美律子など有名な歌手のバックで演奏を届けている一流のミュージシャンだった。

「生バンドでの歌唱を勉強させていただきました」と、響は当時よく歌っていた坂本冬美の「アジアの海賊」を次曲に選曲した。

同曲は坂本の新境地として制作された中村あゆみの書き下ろし作品。”和”と”ROCK”が融合され、よさこいソーラン祭の要素も加わった熱き応援歌だった。

響悦子

響は当時回っていたステージに、ポールダンスができる会場があったといい、「よくわからないままポールをもってグルグル回りながら歌ったことがありますが、ポールダンスをしながら歌った歌手は私が最初です(笑)」と、「アジアの海賊」でも赤いドレスに扇子を持ち、激しく舞ながら客席を熱くした。

響悦子

響悦子

シンガーソングライター、ボイストレーナー、うたまる主催者、日本舞踊家、如月流体動気術ヒーラーなど多彩な顔を持つ響は、「これまでの人生、ご縁がつながりました」と、中島みゆきの「糸」をカバーすると、最後は「どうか私のことを忘れないでください」という思いを歌ったデビュー曲「愛しき恋人よ~Remember Me~」を披露。客席に向かって「愛してるか~」と呼びかけると、客席からは「愛してるよ~!」の声が帰ってきた。

 

響悦子

イベントを終えて
うたまる事務局 響悦子
「今回の『うたまる 寸評付き発表会 & スペシャルライブ』の準備には、コツコツ半年以上をかけてきました。年配のカラオケ好きな出場者を募るのは苦労し、前日まで地域の方に呼びかけました。私の中では合格点をあげたいイベントになりました。これからもご縁のある歌手のお仲間を盛り立てられるような私になれればと思います」