朝倉さや全国ツアー前半戦最終日。圧倒的な歌唱力で満員の観客を魅了! 「38(さや)周年目指して・・・」
民謡日本一のシンガーソングライター朝倉さやが6月29日、の全国ツアー「朝倉さやコンサートツアー2024地球と自由と歌う旅~遊ラン♪船38号さ乗ってあべ!~」の前半戦を終えた。最終日の東京公演は東京・有楽町のI’M A SHOWで開催された。
ツアーは今年の4月の山形公演からスタートし、大阪、静岡、広島、仙台、名古屋公演を終え、東京に凱旋してきた形になる。
本人の声による場内アナウンスが流れた後、照明が暗転し、天井から落ちた一筋のスポットライトに浮かび上がった白いワンピースの朝倉がアカペラで歌い始めたのは、和風アクションRPG「天穂のサクナヒメ」の主題歌「ヤナト田植唄・巫 ―かみなぎ―」。2コーラス目からピアノ、ギター、パーカッションが優しく歌に並走して音の地平を拡げる。朝倉の歌声に誘われ時空を超えて神代の空気が開場に満ちた。
「今日は絶対忘れられない時間になること間違いなし!」と挨拶のMCに続き、満場の手拍子に乗ってダンスチューン「KADODE」を披露。人生のターニングポイントの向こうに拡がる新しい世界への希望を歌った曲だ。アップテンポの楽曲でも朝倉の張りのある歌声は会場の空気を清々しくピンと伸してくれる。
続いては、民謡を現代風にリメイクした「酒田甚句 Future Trax」「ソーラン節 Future Trax」「Cod Fishing Song(北海鱈釣唄)」を披露。「ソーラン節」では客席との「どっこいしょ」の掛け合いで会場のテンションが一気に高まって行く。民謡に幼い頃から親しみ、コンテストで二度も日本一に輝いた朝倉の歌声と斬新なアレンジが合体し新しいワールド・ミュージック・スタンダードを生み出している。
続いて三味線を抱えた朝倉が披露したのは純民謡の弾き語りで山形の民謡「花笠音頭」。ここも客席の「ヤッショーマカショー、シャンシャンシャン」という掛け声と共にテンションを高めて行く。同じく山形の民謡だがこれはしっとりとした「豆ひき唄」も披露した。新しくアレンジされたFuture Traxが導線となり、観客は自然な形で純民謡の世界を楽しんでいるようだ。
一旦ステージ袖にはけた朝倉は、今度はベースを抱えて登場。オリジナル曲「塩パンの部屋」と「アリャセヘイヤ〜」を歌った。去年から始めたという腕前で、ベースソロも披露した。
山形弁カバーコーナーではスピッツの「ロビンソン」、スターダストレビューの「木蘭の涙」を披露。
大名曲のこの2曲も素朴な山形弁で聴くと歌詞の世界がより一層心に染み込んでくる。この日の「木蘭の涙」はいつにも増して鬼気迫るほどの奥の深さを感じさせるパフォーマンス。
「生きていたら嬉しい出会いもあるけど、悲しい別れもあります。心が締め付けられるほどの苦しさもあったりして、生きて行くって大変だなと思います。でも新しい方にまた一歩一歩歩いて行けるのが人生の醍醐味だと思います。皆さんも大切な人、大切な場所を思い浮かべながら聴いていただけたら嬉しいです」と語り、自身のオリジナル曲「おかえり -manzumamake-」を披露。この曲と、続く「ただいま -moubangedadorya-」は一つの対になった楽曲で、いつでも自分を優しく迎えてくれる故郷の暖かさと、その故郷の暖かさに包まれる喜びを素朴に歌った楽曲だ。会場はふんわりとした大きな優しさと平和な温もりに包まれた。
「デビューしてから11年間、自分の心の中にある本当のことだけ歌おうと心掛けてきました。なので、今度8月にリリースするベスト・アルバムのタイトルは『Honten〜Best Dazu〜』です。山形弁で『本当のこと』です。これからも38(さや)周年目指して歌っていきます」と語った。
本編の最後を締めくくるのは、本人が初めて書いたというデビュー曲「東京」。山形から夢を追って上京した頃の不安と寂しさ。でも、東京で見上げる空はいつも山形と繋がっているんだ、故郷と繋がっているんだという、上京してOLをしながら歌手を目指していた当時の朝倉の日記をベースにした楽曲だ。
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アンコールでは、朝倉の音楽の育ての親であり、2022年に若くして癌で他界したプロデューサーSolaya氏への思いを涙をおさえながら語り、大切な人を無くした空白と寄り添いながら生きていこうと歌う「ドーナツ」を披露。このライブ音源はレコーディングされ、8月にリリースされるベストアルバム「Honten〜Best Dazu〜」に収録される。
今日はまさに朝倉の誕生日。ステージにはサプライズのバースデー・ケーキが登場。客席からの「おめでとう!」の声に応えるように「とにかく一生懸命生きて、歌を作っていきます」と語った。
サポートメンバーが退場した後、一人ステージに残った朝倉がアカペラで「もののけ姫」を披露。再びオープニングで漂った神秘的な雰囲気に会場が包まれ、全18曲、2時間を超えるステージは幕を閉じた。
「今日は感情のジェットコースターに乗っていただきありがとうございました」とステージを締めくくった。
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8月14日には、自身初のオールタイム・ベスト・アルバム「Honten〜Best Dazu〜」をリリースする。民謡を現代風に生まれ変わらせるFuture Traxを始め、J-POPの山形弁カバー、そして涙を誘うオリジナル曲など彼女の歌の美味しいところを詰め込んだアルバム。本日、そのジャケットも公開された。
山形弁で「ほんてん」は「本当に」。「本当に自分が感じたことを、そのまま歌で届ける」が、朝倉の歌の根底に流れるテーマだ。ほんてんの歌を無添加のまま産地直送でお届けする。
ベスト・アルバムを提げたツアーの後半戦が8月18日の山形からスタートする。
2024年8月14日発売
朝倉さや『Honten〜Best Dazu〜』
01, 東京
02, やさしい応援歌
03, ありがとさま (ありがとう~山形弁だべ~)
04, ロビンソン
05, 木綿のハンカチーフ
06, さばの味噌煮
07, おかえり -manzumamake- (2018 Live Ver.)
08, だもんでレボリューション
09, もののけ姫
10, River Boat Song with respect for 最上川舟唄 2020
11, 酒田甚句 Future Trax 2020
12, Mr. Mamurogawa (JAZZ & 宇宙 Funk ver.)
13, ヤナト田植唄・巫 ―かみなぎ―
14, ライフソング -Life Song-
15, ニワトリ
16, ドーナツ (2024 Live Ver.)
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