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朝倉さや

朝倉さやが感無量。故郷・山形で全国ツアーを締めくくる。満員の観客に「これからも一緒にたくさん笑い皺を作って行きましょう!」

「今日が来るのをずーっと待ってました」

民謡出身のシンガーソングライター、朝倉さやが11月27日、全国ツアー「朝倉さやコンサートツアー2022 Life Song Live」の最終日を故郷の山形テルサ大ホールで締め括った。

このツアーは今年5月にリリースした2枚組アルバム「Life Song」を引っ提げて今年5月からスタートしたもの。

山形テルサ大ホールは800名の観客でソールドアウト。暗転したステージではアルバムのオープニングと同じく、子供の頃の朝倉が親族の大人達と一緒に民謡「紅花摘み歌」を歌う声を録音したSEからスタート。待ち侘びた観客はそのSEに対しても満場の手拍子を送った。

そして幻想的な照明の中、朝倉が歌う「River Boat Song」「Mr. Mamurogawa」でコンサートはスタート。どちらも伝統的な民謡をベースにしつつも、最先端の解釈とアレンジを加えたフューチャートラックスだ。

朝倉さやの歌声が観客を圧倒する

続いてアップテンポのオリジナル曲「アリャセヘイヤ〜」で会場は一気にヒートアップ。圧倒的な朝倉の歌唱力は今年のフジロックなどのイベント出演を経て更にパワーを増していて、観客はその倍音豊かな歌声に圧倒された。

「故郷山形に来たくても来れない日がずっと続いて、今日が来るのをずーっと待ってました。こんなに暖かく迎えてもらってもう泣きそうです」と、朝倉は冒頭のMCで感無量な表情で語った。

続いて「山形に来たらこれを抜かす訳にはいかないでしょう」と「花笠音頭」を三味線の弾き語りで元気いっぱいに歌った。

三味線弾き語りの民謡コーナーに続いて、「ヤナト田植唄・巫-かみなぎ-」を披露。これは世界的に大ヒットしたゲームソフト「天穂(てんすい)のサクナヒメ」の主題歌。古代から伝わる稲作と文明、そして命のつながりの尊さを朝倉のスケール感溢れる歌声が感じさせてくれた。

朝倉さや

山形弁はフランス語!?

アルバム「Life Song」の中からは、日本テレビ「バゲット」のエンディングにもなった軽快な「ニワトリ」、「ラ・フランス〜おフランスを添えて〜」を披露。「ラ・フランス」は全編山形弁で歌われているが、なぜかフランス語に聞こえなくもないという曲。その曲を山形で披露でき、その楽しさを山形の観客と共有できたことのうれしさが歌う朝倉の笑顔から伺える。

アルバムにも収録された、花*花の大ヒット曲「さよなら大好きな人」の山形弁カバーも歌唱。最愛の人を亡くした悲しみが、素朴な山形弁を通して、よりピュアに響いてくる。

同じくカバーコーナーでは「島唄」も歌い、沖縄でも山形でも、人の心と歴史がどこかでしっかりつながっていることを思わせてくれる。

「今日は歌いたい歌を魂込めて歌おうと心に決めてきました。命と人生を歌った最新アルバムからもたっぷりお届けします」と、自分の母校・山形商業高校の校舎が取り壊しになる事をきっかけに作った「山商」を歌う。彼女の母校の思い出への深い愛は、誰の心にもある10代の思い出のキラキラした部分をそっと温めてくれる。

朝倉さや

朝倉が見せた涙。“未来を諦めない”

そしてアルバムのテーマにも正面から向き合った「生きる」も届けた。“未来を諦めない” “僕らは同じ空の下 頑張って 支え合って生きる“という歌詞の中のメッセージがこういう時代だからこそ大きな意味を持って響いてくる。

朝倉が2013年にデビューして以来一緒に歩んできたのがプロデューサーSolaya氏。その彼が今年の9月に癌で他界したことに触れ、彼と一緒に作った音楽と過ごした時間がどれだけ自分に大切なものか、そして自分がこれからも歌い続けていく決心を、朝倉は涙ながらに声を振るわせながら語った。

そして本編の最後に、生きる喜びをテーマに彼と作ったアルバムのタイトルチューン「ライフソング」を披露した。

いっぱい泣いていっぱい笑って

アンコールではデビュー曲「東京」、そして故郷と家族の温かさへの感謝を込めた「おかえり-manzumamake-」を歌った。「まんずままけ」とは山形弁で「まずはご飯でも食べたら?」という意味。その言葉の素朴な響きに観客からは温かい笑みが溢れていた。

アンコールの最後は「心を開いて、やんわりと聴いてけらっしゃい」と古謝美佐子のカバー「童神」をアカペラで披露した。

「これからも、いっぱい泣いていっぱい笑って、たくさん笑い皺を作りながら生きて行きましょう!」。朝倉はそう客席に語りかけ、全18曲、約2時間のステージを締め括った。

自分が生まれ、歌を歌い始めた頃の声のSEから始まり、次の世代に命が引き継がれていく喜びを歌った「童神」で締め括られる命のバトン、そして、身近な出身校への愛を歌った「山商」から、世界の多様な問題にも通底するような「生きる」。命がつながっていく時間軸と自分と世界を結ぶ水平軸、すべてにつながる愛というテーマを素直に表現したからこそ感動を呼ぶ2時間だった。

 

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2022年5月25日発売
メジャー第2弾アルバム(2枚組)
朝倉さや『Life Song』
朝倉さや

ユニバーサルミュージック UPCY-7777/8 ¥3,960(税込)

【収録曲】
<Disc 1>
01.1
02.ライフソング -Life Song-
03.ニワトリ
04.山商
05.ラ・フランス〜おフランスを添えて〜
06.下北沢
07.ヤナト田植唄・巫 かみなぎ -Future Trax-
天穂のサクナヒメ主題歌 ©2020 Edelweiss.
08.生きる
09.最上川舟唄 -Life Song-
10.からめ節 -Last Song-
11.おはら節 -Life Song-
12.グラシアス・メヒコ
13.ドンドンパーンカレー
14.ハムスター(伝説生物)

<Disc 2>
01.飾りじゃないのよ涙は
02.異邦人
03.なすてだべ feat.テツandトモ
04.島唄
05.島人ぬ宝
06.さよなら大好きな人
07.時の流れに身をまかせ
08.童神〜ヤマトグチ〜

■CD(Amazon等 , 各種リンク) 収録内容他。
https://asakurasaya.com/LifeSong.html