Kenjiroが新曲「海鳥の宿」発売記念ライブを開催し、田久保真見氏と杉本眞人氏も応援に。新たな一面を引き出す演歌作品に「幸せ者です」
Kenjiroが東京・港区のJ-SQUARE SHINAGAWAで新曲「海鳥の宿」の発売記念ライブを開催。ライブには同曲の作詞家・田久保真見氏と、作曲家・杉本眞人氏も駆けつけエールを送った。
大阪府出身のKenjiroは中学時代からTVのオーディション番組でチャンピオンを獲得するなど頭角を現し、2009年、「冬恋かなし」でデビュー。2011年には現在所属するテイチクレコードから「口約束」でメジャーデビューを果たした。
新曲「海鳥の宿」は「口約束」、そして前作「口下手」と同じ作家陣による作品で、歌謡曲を歌ってきたKenjiroの新しい一面を引き出す作品となっている。
「僕の曲といえば歌謡曲をイメージされるかと思いますが、今回の『海鳥の宿』という作品は演歌です。『演歌を一度、歌ってみたい。杉本眞人先生の演歌を歌いたい』とお願いしてつくっていただきました」
ライブでは惚れているがゆえに身を引く決意をした男の覚悟と未練を、kenjiroが力強く歌って登場すると、田久保氏と杉本氏も登壇。杉本氏は、Kenjiroから演歌を歌いたいと相談された際に、「お前の演歌なんか、俺、聴きたいと思わない(笑)」と話したエピソードを披露した。
「でも、演歌を歌いたいという彼の熱意を感じましたので、田久保先生の詩の言葉に、ひとつずつメロディーを当てはめながら、僕なりの演歌作品をつくりました。レコーディングではKenjiroが4回のところ、僕が10回歌いました(笑)。言葉で細かく説明するより、こう歌ってほしいと僕が歌うことで歌い方を会得してもらおうと。今日は期待して聴いていましたが、1番は緊張していたのか下手でしたね(笑)。でも、2番になると持ち直して、すごくいい歌になっていました。久々にいい作品が書けたなと思います」
杉本氏が厳しくも温かいメッセージを送ると、「Kenjiroくんの良さは全然変わらないところ。純粋に歌が好きなところ」と話す田久保氏は、母子家庭で育ったKenjiroから「お母さんに成功する姿をみせたい」という話を聞いて胸を打たれた話を紹介。以来、「何か力になりたいという思いがあり、なぜか、Kenjiroくんに書く詩はいいねって言われます」と明かした。
「海鳥の宿」では、杉本氏がアレンジにもこだわり、編曲の南郷達也氏に細かな注文を出したという。Kenjiroは「アレンジの打ち合わせの場に僕も同席させていただきましたが、杉本先生が楽器にもこだわってくださいまして、演歌なんだけど、新しい演歌作品になったと思います」とうれしそうに話していた。
遠くは鹿児島からも駆けつけてくれた大勢のファンに向けて、Kenjiroは前作「口下手」、メジャーデビュー曲「口約束」、根強い人気のデビュー曲「冬恋かなし」、亡き母への思いを歌った「母の詩~白いカーネーション~」(アコースティックバージョン)を届けると、自身が作曲した新曲のカップリング曲「ほおずき」を披露し、最後にもう一度、「海鳥の宿」を熱唱して、ヒットを願った。
「女手一つで育ててくれた亡き母に、今の姿を、本当は会場で見てほしかったなと思いますが、今日は大勢の方に来ていただきました。皆さんが僕の家族です。期待に応えられるように歌っていきたいと思います。『海鳥の宿』は、当初は8月16日に発売する予定でしたが、1カ月延びました。僕は“嵐を呼ぶ男”と呼ばれています。もし、当初の発売日通りだったら、台風の影響を受けていて、新曲発売ライブに皆さん、誰も来ることができなかったと思います(笑)。杉本先生からは『CDが売れない時代。とくに男の演歌が売れない。もしお前が売ったら大したもんだよ』と言われています。大切な作品です。これからたくさんの方に届けていきます。皆さんもカラオケでたくさん歌ってください。皆さんが歌ってくださることで、口伝えに作品が広がります」
Kenjiroの新境地となる新曲「海鳥の宿」。力強くかっこいい演歌作品を得て、「幸せ者です」と笑顔をみせたKenjiroは、「意気込みが違うなと思ってもらえるよう頑張って歌っていきます」とファンに約束した。