一条貫太がファンと作り上げた、初の東京公演を開催。親子共演も果たし、全26曲を歌いまくり!!
「“平成生まれの昭和なボイス” 一条貫太です。2018年にデビューさせていただきましたが、初めての東京でのコンサートです。地元・千葉では何度かやらせていただきましたが、東京では初ということで楽しみです。でも、腹をくくって『やるぞ!』という熱量も高まっています。心を込めて、ひと言ひと言丁寧に、思いが伝わるように歌いたいと思います」
そう意気込みを語っていた一条貫太が8月27日、東京・世田谷区の北沢タウンホールで、「“桃太郎便”プレゼンツ~一条貫太2022コンサート ~歌いまくる一条貫太~」を開催、270名のファンを前に“歌いまくった”。また父・一條克成(かつなり)さんとの共演でも魅せた。
じつは2020年に東京にてコンサートを開催する話が進んでいたという。しかしコロナ禍により実現できないままだった。
「今回のコンサートに向けてはいろんな取り組みをしてきましたが、体調管理という意味ではジムで筋力を鍛えたり、走って持久力とつけたりしています。2020年に東京でのコンサート開催の話があったので、その頃から地元の市が経営するジムに通い始めました。今では、仕事がないときには必ずジムで鍛えていますので、体調管理という意味では万全です」
結果的にこの日のコンサートのために2年間も身体を鍛えてきたことになるが、最近ではジムに行かないと、罪悪感を持ってしまうほどハマっているという。
そんな一条が準備してきた曲はアンコールを含めて全26曲。コンサートのタイトル通り、曲数は多かった。オリジナル曲はもちろんだが、「甘い生活」(野口五郎)、「ヘッドライト」(新沼謙治)、「霧の摩周湖」(布施明)、「石狩挽歌」(北原ミレイ)など歌謡界の大先輩の歌にも挑戦した。
「東京ならではのコンサートにしたいと、ファンクラブの会報誌を通じてリクエストを募集しました。どういった曲を聴きたいのかと。たくさんのハガキや手紙が届きました。一人一曲までとか決めていなかったので、一人で何十曲も書かれていた人もいましたが、リクエスト曲がなんと1000曲ぐらいになりました! 今日はそんなリクエスト曲から絞りに絞りつつも、リクエスト曲を中心にセットリストを構成させていただきました。ファンの皆さんと作り上げるコンサートだと思います」
コンサートの目玉は、父・一條克成さんとの共演だった。若い頃、八代亜紀や大月みやこのバックバンドにベーシストといて参加した経験がある克成さんは、一条のコンサートにも参加してベースを演奏しているが、親子二人がステージでスポットライトを浴びるのは初めてだった。
「コンサートの目玉と言うことですが、僕にとっては目玉とは思っていません(笑)。というのも僕はまだ実家で生活していまして、僕がギターを弾いて、父が演奏するというのは日常茶飯事なんです。ですから、“目玉”とか言われると緊張してきました(苦笑)」
一条は、いつも自宅で父と一緒に演奏している感じのアットホームな雰囲気でステージに立ちたいと語っていた。届けたのは布施明の「シクラメンのかほり」と、森進一の「北の蛍」の2曲。ファンからのリクエストを元に、一条が選曲したという。
父・克成さんは、歌手・一条貫太の勤勉さを語っていた。
「生まれた頃からジャズっぽい曲を聴かせていたんですが、小学生になるといきなり演歌・歌謡曲を聴くようになって(笑)、自分で歌って勉強していましたね。今も毎日欠かさず、夜遅くまでレコードやCDを聴いて先輩歌手の歌を勉強しています。それはすごいと思います。あとは他の方のコンサートにもよく出かけて勉強していますね。楽器演奏にしても、僕が何かを教えることはありません。今や彼がプロで、私はアマチュアですから」
プロ歌手としての息子をリスペクトする父だったが、普段の一条貫太について訪ねると、「そうですねえ・・・、妹と喧嘩ばかりしていますね」と笑っていた。
5枚目のシングル「酒場の花」、そして4枚目のシングル「いのちの花」の2曲をオープニングで歌うと、一条はリクエスト曲から選曲した先輩歌手の作品を歌い、中盤にはアルバム『一条貫太のはやり歌一本勝負~其の壱~』から伊沢八郎の「あゝ上野駅」「男傘」などを披露した。
また演歌の道を突き進んできた一条が新境地を拓く新曲「でっかい東京」では、「幅広い世代の人、とくに同世代に聴いてほしい」と、訴えるように歌った。
「これまでは演歌・歌謡曲を歌ってきましたが、今回の新曲『でっかい東京』はフォークタッチで、少しロックテイストも感じていただける作品です。演歌・歌謡曲はあまり聴かないという同世代の人の反応がとくに良くて、カラオケでもよく歌ってくれています。でっかい夢を持って上京して来たけれど、なかなか夢をつかみきれない男の心情を歌っています。曲調は演歌とは違いますが、歌の世界は共通です。一人ひとりに言葉が届くように、訴えかけられるように歌っていきたい」
父・克成さんが明かすように、歌に関しては貪欲に吸収している一条貫太。どんな歌でも歌いこなしていた。
東京での初のコンサートを終えた一条は、このあと9月9日に埼玉県「越谷サンシティホール」で埼玉公演を行う。
「基本は東京公演と同じ内容ですが、父とお届けする曲や、後半の曲など3~4曲を変更します。ぜひ、埼玉公演にもお越しいただきたいですね」
ユニット名は「一條貫太とヒマナスターズ」!?
共演を果たした一条貫太と一條克成さん親子。バンドのメンバーとして克成さんが一条のバックを務めることや、YouTubeでの親子共演は何度もあるが、本格的なステージでの共演は今回が初だった。だが、アマチュア時代にはユニットとして出演した経験もあったという。
「アマチュアのときにはカラオケを録って持っていくのも大変なので、僕のギターと父のベース演奏で歌ったことがあります。地元の区民祭りで歌ったときには、『一條貫太とヒマナスターズ』というユニットで出演しました。父が暇だったんで(笑)。でも、誰もツッコんでくれませんでした(苦笑)」