おかゆがアルバム『おかゆウタ カバーソングス2』発売を記念し、初のソロコンサートを開催。アルバムを再現したステージで、夢の第一歩を!
有楽町で歌いましょう!
“平成のおんなギター流し”おかゆが2月6日、東京・千代田区のよしもと有楽町シアターで「おかゆウタ カバーソングス2発売記念コンサート『有楽町で歌いましょう!』」を開催した。インディーズ時代を含めて、自身初のソロコンサートでもあり、「いつかは東京国際フォーラムのホールA(大ホール)でコンサートを行いたい」と夢を語った。
『おかゆウタ』は、おかゆによるカバーアルバム。昨年2月に第1弾を発売し、好評だったことから今年1月26日に『おかゆウタ カバーソングス2』が発売された。自身初のソロコンサートは、このアルバムの発売を記念して行われた。
「ライブレストランなど、お食事を楽しんでいただきながらのディナー形式のライブは何度も経験がありますし、流しでお店にお邪魔させていただく時も、皆さん飲み食いされていました。それがソロとして初めてステージに立って、私だけが見られると思うと、責任感が違いますね。純粋に歌だけのステージになるのでドキドキ。緊張感も違います」
リハーサルでは自らが率先して音のチェックを進め、演出についても細やかな確認をしていたおかゆ。歌手になりたかったという亡き母の意志を継ぐ形で“流し”を始め、シンガーソングライターとして道を切り拓いてきただけに、200名ほどの小さなホールでの初コンサートだったが、大きな一歩を踏み出した。
この日は、憧れの歌手・髙橋真梨子が会場近くの東京国際フォーラム・ホールAでコンサートを開催していた。おかゆは現在、髙橋と同じビクターエンタテインメントに所属している。
「昨日は、髙橋真梨子さんのコンサートを見させていただきました。同じ日に、近くで髙橋真梨子さんがコンサートをされているのは感慨深いですね。私の夢は東京国際フォーラム・ホールAでソロコンサートをすることです。いきなりホールAは無理なので、今日をスタートにホールC、ホールBと会場を大きくしていけたらいいですね」
ちなみに、髙橋真梨子は現在、最後の全国ツアーの真っ只中。1979年のソロ・コンサートツアー以来、全国ツアーを42年連続で開催し、昨年はコロナ禍で中止になったものの、今年のツアーを最後に全国ツアーからの“卒業”を発表している。ツアー開始直前の1月26日、おかゆがアルバムを発売したのと同じ日に、髙橋もアルバム『our Days tour 2022』(2枚組)を発表し、ツアーのセットリスト通りにスタジオ録音したラストツアー記念作品をリリースしていた。
「さだまさしさんがアルバム収録通りに歌っていくコンサートを拝見させていただいたことや、髙橋真梨子さんの今回のツアーを参考に、今日のコンサートでは私もアルバム全曲を収録曲通りに歌わせていただきます」
『おかゆウタ カバーソングス2』の世界を再現
ステージの幕が開くと、ミュージックビデオの映像を背景に、おかゆはアルバムの1曲目にカバーしている心之助の「雲の上」から歌い始めた。「歌詞の共感と熱いパワーに心が救われるような気持ちになりました」という「雲の上」を歌い終わると、一曲ずつトークを交えて歌っていく。
「アルバムの中の『メロディー』(玉置浩二)はピアノ演奏での一発録りでしたが、コロナ禍と時間との関係でそれが再現ができません。ですから、コンサートではギターの弾き語りでお送りさせていただきました」
しかし、この曲以外はファンにアルバムの世界を再現して楽しませた。ボーナストラックとして収録した「氷雨」は、“流し”時代に、全国の酒場でたくさんのリクエストをもらい、数え切れないほど歌ってきた曲。アルバムでは初めての試みとして、弾き語りでレコーディングしていたが、コンサートでもそれを再現した。
高橋洋子の「残酷な天使のテーゼ」、やしきたかじんの「東京」、八神純子の「みずいろの雨」、ペドロ&カプリシャスの「五番街のマリーへ」、シュガー・ベイブの「DOWN TOWN」、明治生まれの詩人で童話作家・宮沢賢治が作詞・作曲した「星めぐりの歌」など、明治、昭和、平成、令和の4つの時代の名曲をカバーした。
「星めぐりの歌」は、東京オリンピックの閉会式で知った曲たっだが、「美しい日本語とメロディーに心がスーッと落ち着いていくような、童心に帰るような感覚を覚えた」そうで、ステージでは幻想的な雰囲気の演出で歌った。
「今日は始まりの日。歌手として、一人のアーティストとして第一歩のステージでした。『有楽町で歌いましょう』というコンサートタイトルは、所属するビクターの大作家である𠮷田正先生の作品で、フランク永井さんの『有楽町で逢いましょう』からイメージしました。今日は、来てくださった方にも、来られなかった方にも感謝を届けたいと思いました。応援してくださる皆さんのおかげで、アルバムを2作品も出させていただくことができ、今日のコンサートにつながりましたから」
「あらためて初心にかえることができました」とも話すおかゆは、アルバム収録曲の全10曲を歌い終わると、アンコールに応えて令和元日(5月1日)のメジャーデビュー曲「ヨコハマ・ヘンリー」、“何が何でも前に進んで行きたい”という思いを歌にし、最新曲「星旅」【ガラクタ盤】のカップリング曲として収録した「ガラクタのど真ん中で」を歌うと、時間的に難しいかったが、「やはりこの歌だけは外せない」と、スタッフに直談判して急きょ歌わせてもらうことになった「七転び八起き幸せに」でエンディングを迎えた。
母の口癖だった“七転び八起き幸せに”をもじって、流しで出会った7842人の写真をブログにアップすることを目標に頑張ったことが、おかゆの歌手としての原点だった。(ちなみに「星空」【ガラクタ盤】の品番の末尾4桁も、”7842”となっている)
流し時代から愛用している革ジャンを着たおかゆは、母との思いを綴った「七転び八起き幸せに」を届けると、「ありがとうございました!」とファンに感謝した。
「もしコロナ禍じゃなかったら、流しスタイルで客席を回ったんですけどね」
夢に向かって! 東京国際フォーラムの大きな会場の客席を、おかゆがギターの弾き語りをしながら回る姿を想像すると楽しくなってきた。
2022年1月26日発売
カバーアルバム第2弾
おかゆ『おかゆウタ カバーソングス2』
収録曲
1.雲の上(心之助)
作詞/心之助 作曲/心之助・ES-PLANT 編曲/高田透
2.残酷な天使のテーゼ(高橋洋子)
作詞/及川眠子 作曲/佐藤英敏 編曲/阿部靖広
3.メロディー(玉置浩二)~ライブ録音~
作詞・作曲/玉置浩二 編曲/多田三洋
4.東京(やしきたかじん)
作詞/及川眠子 作曲/川上明彦 編曲/斉藤真也
5.思秋期(岩崎宏美)
作詞/阿久悠 作曲/三木たかし 編曲/斉藤真也
6.みずいろの 雨(八神純子)
作詞/三浦徳子 作曲/八神純子 編曲/斉藤真也
7.五番街のマリーへ(ペドロ&カプリシャス)
作詞/阿久悠 作曲/都倉俊一 編曲/斉藤真也
8.DOWN TOWN(シュガー・ベイブ)
作詞/伊藤銀次 作曲/山下達郎 編曲/斉藤真也
9.星めぐりの歌(宮沢賢治)
作詞・作曲/宮沢賢治 編曲/高田 透
ボーナストラック
10.氷雨(日野美歌)~流しスタイル~
作詞・作曲/とまりれん 編曲/おかゆ
( )内はオリジナル歌手。
2022年1月26日より、音楽ストリーミングサービスおよび主要ダウンロードサービスでも配信が開始されている。