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橋幸夫

橋幸夫が歌手引退を決意。2年後、80歳の誕生日に引退。「衰えを誤魔化して歌うことは、私自身の性格には合わない」

橋幸夫が10月4日、東京・文京区の夢グループ本社で歌手引退の会見を行った。橋は昨年、歌手デビュー60周年を迎え、自身182枚目となるシングル「恋するカトリーヌ」をリリースするなど、精力的に歌手活動を続けてきたが、コロナ禍となり歌う機会が激減したことで、喉の筋力の衰えが大きく進んだという。そこで80歳となる2023年5月3日の誕生日をもってプロ歌手としての活動に区切をつけ、歌手を引退する。芸能界からは引退せず、俳優業などは継続する。

「喉の専門医が言うには、かなり筋力が衰えているということでした。声帯を鍛えるトレーニングを持続的にやっても、元に戻るかどうかという診断でした」

歌手引退を決意させたのは、加齢による喉の筋力の衰えだった。

「40代、50代の頃の歌の馬力、声帯の艶がこのまま維持できないことを実感しました。自己鍛錬はしていますが、年齢には勝てません。衰えを誤魔化して歌うことは、私自身の性格には合わないですし、そういう姿をファンの皆様にお見せしたくない。ずっと応援してくださっているファンの方には申し訳ない気持ちです。ステージで歌っている時に、心配顔で見ていらっしゃる方も多くなってきました。それは敏感に感じます。それがつらい。『死ぬまで歌ってほしい』というご意見の方もいらっしゃるかと思いますが、年齢的なものがありますから、ご理解いただきたいと思います。最後は自分で決めました」

橋幸夫

歌手引退の決意を語る橋幸夫。最後はあと残り2年、精いっぱい歌うと力強く写真撮影に応じた。

17歳でデビューし、恵まれた環境の中で多くの歌を歌ってきた橋には美学もあった。歌の変遷を振り返った時に、自分の歌だけではなく、流行歌を生み出しづらい時代になったとも感じている。かつてのような熱意がなくなりつつとも吐露した。

橋は歌手としての引き際を考えたと話す。橋のコンサートツアーを手がける夢グループの石田重廣社長に「歌手に区切をつけようと思います。引退はどうでしょうか」と相談したところ、「そうか、引退か。それもあるかもね」という返事をもらい、スッキリしたという。いつの間にか事実上の引退となり世間から忘れ去られるより、スポーツ選手のように引退を発表し、これまでの応援や支援に感謝の気持ちを伝えたいのだという。

引退の日までは精いっぱい歌うという橋。歌手引退後は新しい夢に向かって生きていくと話す。

「デビューする前は、歌の道に進んで自分の歌の夢を咲かせたいと思っていました。おかげさまで偉大な先生と出会い、多くの方の支援をいただきながら歌ってくることができました。今まで歩いてきた道は多くの方が作ってくださった道です。感謝しかありません。でも、80歳からは命がある限り、命を大切にして、自分自身で新しい夢を作って歩いていきたい」

歌手生活にピリオドを打ったあとは、趣味で続けている書の世界や、スプレーアートなど絵を描く世界を掘り下げてみたいという。また長寿社会の中で、認知症が増え、社会問題となっている。橋の母親も認知症を患い、88歳で他界したが、人のために何かをする仕事ができればとも話していた。

 

橋幸夫(はし・ゆきお)
橋幸夫は1943年5月3日、呉服屋の9人兄弟の末っ子として東京で生まれ、中学時代から作曲家・遠藤実氏に師事。高校1年生の時にはビクターエンタテインメントのオーディションに合格し、作曲家・𠮷田正氏の薫陶を受け、1960年7月5日、「潮来笠」でデビューした。同曲では第1回日本レコード大賞新人賞を受賞し、舟木一夫、西郷輝彦らと共に「御三家」として大人気となり、その後も「いつでも夢を」(デュエット:吉永小百合)、「霧氷」で2度のレコード大賞を受賞。2018年には最新シングル「君の手を」(デュエット:林よしこ)が、オリコン週間・演歌歌謡シングルランキングや週間USEN HIT演歌歌謡曲ランキングで第1位を記録。デビュー60周年となる2020年には自身182枚目となるシングル「恋せよカトリーヌ」を発売し、昭和・平成・令和と時代を超えて、音楽界を牽引し続けるスター歌手として活躍してきた。また俳優としても1961年公開の「潮来笠」でデビューし、翌年には「悲恋の若武者」で初主演を務めるなどマルチに活躍してきたが、2021年10月4日、80歳の誕生日を迎える2023年5月3日をもって歌手を引退すると発表した。


夢グループ主催「橋幸夫コンサート」
日程およびチケットの購入は、夢グループのHPへ
https://yumeconcert.com/concert/hashijinsei

現在、来年2月までのツアースケジュールが決まっているが、以降のスケジュールが決まり次第発表される。

▶橋幸夫 公式HP
▶橋幸夫 YouTubeチャンネル

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