二代目橋幸夫yH2が初ステージ! デビュー曲「恋のメキシカン・ロック」を披露。歌手引退の橋幸夫も二代目に太鼓判!
今年5月1日に歌手を引退した橋幸夫のフィルムコンサートが9月7日、東京・台東区の浅草公会堂で開催され、橋本人が見守る中、「二代目橋幸夫yH2(ワイエイチツー)」の3人が初ステージを踏んだ。
yH2は大阪府出身で現役大学院生の徳岡純平、大分県出身の会社員(現・夢グループ社員)・進公平、石川県出身で、歌手の小牧勇太(夢グループ社員としても活動)の3人が、橋幸夫の名前と作品を引き継ぐ二代目として結成したユニット。約1000名の応募者の中から選ばれた。
「私が引退すると、恩師にいただいたたくさんの楽曲が歌われなくなってしまうことが心残り」という橋幸夫の思いが結実した形で、オーディションから約4カ月のレッスンを経て9月6日、橋幸夫の代表曲「恋のメキシカン・ロック」でデビューした。
昨年3月に「母は海」でソロデビューしている小牧は別にして、徳岡も進もこの日が人生初のステージ。徳岡は本番を前に、「旅行の前日のような感じ。昨夜は寝られなかったのですが、ワクワクしています」と笑顔を見せていたが、進は「緊張しています。手のひらに“人”の字を書いて飲んでいるほどです。でも、緊張を楽しもうと思っています」と話していた。
一方、小牧は「僕は元々緊張する性格ですが、僕があたふたするわけにはいかないので」と、過去1年の経験を活かして2人を引っ張りながらステージを務めたいという。
そんな3人を見た橋幸夫は、「緊張しないようにするのは、これはもう場数しかないですね」と自らの経験を話していた。
「5月1日に歌手引退をして、あっという間に丸3カ月が経ちました。歌手・橋幸夫はもうこの世にいませんが、この3人が僕の代わりに作品を歌い継いてくれます。彼らには期待していますし、このチャンスを楽しんでほしいと思います」
yH2のデビュー曲「恋のメキシカン・ロック」は、橋の代表曲であり、リズム歌謡のノリのいい作品となっている。
レコーディングでは、「僕はバラード曲が得意なんです。ですから自分ではテンポよく歌ったつもりが違っていて、橋さんからアドバイスをもらったりました」(進)、「自分ではちゃんと歌っているつもりでも、ここはこう歌ったほうがいいと指摘を受けることがありました」(徳岡)など、苦労もあったようだが、徳岡は「お客様に盛り上がっていただけるよう、元気とパワーを届けたい」と意気込んでいた。
また小牧は「20代の2人に対して、僕は42歳なんですが、振りがうまくいかず、なんとかついていっている状態です。橋さんに電話させていただきましたら、『大丈夫。歌をちゃんと歌えばいいから』と言っていただきました」と、歌声で他の2人を引っ張るという。
橋幸夫フィルムコンサートは、今年5月1日に浅草公会堂で行われた引退公演の模様が上映された。現在、京都芸術大学通信教育部書画コースで学んでいる橋は久しぶりにファンの前に登場すると、近況報告やまだまだ身体は元気であること、時には歌いたくなることもあることなどを話していた。
「会場にお越しの皆様に心から感謝いたします。デビューしたのは63年前。17歳の時でした。信じられませんが、80歳になりました。でも、体は元気です」
若いころから空手、柔道、ボクシングをしていた橋は、ステージで空手の型やシャドーボクシングをしてファンを喜ばせていた。また今でも健康のため水泳をしているという。
歌に関しては、「車の中で聴いていると、歌いたくなりますね。歌いますか?」と語り掛け、ファンから声援を受けた。
ただ、実際には歌うことはなく、「60数年歌ってきましたから。懐かしいという思いで聴いています」とコメント。「江梨子」「いつでも夢を」「潮来笠」などが特に好きだと明かした。
二代目橋幸夫yH2の3人はフィルムコンサートの半ばにステージに登場。デビュー曲「恋のメキシカン・ロック」と、カップリング曲「恋をするなら」を披露。橋幸夫は「彼ららしい『恋のメキシカン・ロック』になっています。3人が歌うことで新しい魅力になっていると思います」とエールを送った。