
美川憲一が約1年ぶりにコンサート。来年の60周年に向け「“オバケ”は簡単にはくたばらない」と宣言。8月には新曲「ふたつの愛」を発売へ。そして、芸能界のご意見番として・・・。
美川憲一が6月7日、東京・渋谷区のLINE CUBE SHIBUYAで「あなたへの愛の讃歌」と題したコンサートを開催した。昨年の中野サンプラザでのコンサート以来、約1年ぶりとなるコンサート。渋谷公会堂では何度も歌ってきたが、建て替えられ “LINE CUBE SHIBUYA”と命名されてからは自身初めてステージで、満席となる1900名の観客が訪れた。
「まだまだコロナ禍で大変ですが、こうしてコンサートを開催できるのはすごくうれしいですね。私の元気な姿を見ていただくことで、お客様にも元気になって帰っていただきたい。大変な時代ですが、『私でも頑張っているんだ』というメッセージを皆様にお伝えできるコンサートにしたいと思います。一生懸命、頑張って歌いたい」
開演前の会見でそう意気込みを語っていた美川は、今年、デビュー59年目。現在77歳となったが、来年は60周年を迎えるという。
美川は「昭和40年にデビューして、60年もやって来られるとは思いませんでした。60年はすごいと思いますが、“オバケ”はそんな簡単にはくたばらないわよ(笑)」と、いつもの美川節で笑い話にしつつ、「諦めずに歌いつづけてきて良かったと思います。歌があったからこそ頑張れたと思います」と話した。
また熟練となった今もボイストレーニングに通い、いつまでも第一線で歌えるようにノドを鍛えているそうだ。
「体力は少しずつ衰えていくので、通販で健康器具を買ってやってみたりもしましたが、3日で終わっちゃう。ジムですか? 行くわけないじゃない! 私にジムは似合わないでしょう(笑)。散歩も、夜だと徘徊していると思われる(笑)。でも、オシャレが好きですから。オシャレをして自分らしくいることが元気の秘訣かなと思います。あとボイストレーニングには頻繁に通っています。たぶん、私は杖をついても、声が続くかぎり歌うと思います」
「美川憲一コンサート2023~あなたに愛の讃歌~」では、大ヒット曲「さそり座の女」から歌い出し、ゴージャスなドレス姿で、「幸せになりたい」「お金をちょうだい」「おだまり」などのヒット曲を披露。着物姿では「北国夜曲」「納沙布みれん」「別れてあげる」などを歌唱し、スーツに着替えた後半は「みれん町」「新潟ブルース」「柳ヶ瀬ブルース」などのブルースで魅了した。
このコンサートでは4ポーズを準備してきたが、すべてステージ初披露の衣裳だ。終盤、再びド派手なドレス姿に着替えた美川は、NHK紅白歌合戦でも披露し、2019年の「歌手生活55周年記念コンサート~歌いつづけて~」でも歌った人気曲「火の鳥」から歌い出し、シャンソンの「愛の讃歌」、「生きる」を披露。ラストはドラマチックシャンソンの「歌いつづけて」で締めくくった。
「歌いつづけて」は静かに始まり、途中から明るい曲調に変わる作品で、美川憲一の人生を表すような一曲。55周年記念コンサートでもラストに選ばれた作品だった。
「歌があったから今がある。杖をついても、声が続くかぎり歌う」という美川。全20曲を披露した美川は今夏、新曲「ふたつの愛」を発売する。鳥羽一郎の長男であり、音楽家の木村竜蔵が手がける作品だ。
「鳥羽さんと、息子さんの竜蔵さん、徹二さん(次男/昨年、「二代目」で演歌歌手としてデビュー)と私の4人で食事をさせていただいた時に、私の幼い頃の話やふたりの母の話などをさせていただいたら、いたく感動してくださり、竜蔵さんからご提案いただいた作品です。『こういう歌を歌えることになって良かったな』と思ってレコーディングに臨んだら、あっという間に終わりました。少しシャンソン風の曲調で、聴くとほっこりしていただけると思います」
美川には生んでくれた母と育ててくれた母のふたりの母がいるが、ふたりの母からもらった愛が歌われている。「ぜひ、楽しみにしていてください」と語る美川の新曲「ふたつの愛」は8月23日にリリースされる。
芸能界のご意見番 美川憲一
芸能界のご意見番でもある美川憲一。コンサート前の会見ではNGなしの質問に次のように答えていた。ガーシー元参議院議員の逮捕には「暴露して金儲けするのはせこすぎる。私が暴露されたら、噛みついてやるわ!」、ジャニー喜多川氏の性加害問題では「昔から噂はありましたし、性被害に遭われた方は本当にお気の毒です。ジャニー喜多川さんが亡くなってからこの問題が出てきましたが、この問題では私も心が痛いです。名前(会社名)を変えた方がいいなどいろんな意見が出ていますが、私個人の意見では、ジュリーさん(現社長の藤島ジュリー景子氏)にはしっかり社長業をおやりになってほしいと思います」、上岡龍太郎さんの逝去については「50代で引退されましたが、紳士的で笑顔が素敵な人でした。ご一緒に番組にも出させていただきましたが、歯切れが良くて頭のいい人でした。こういう人はもう二度と出ないのかなと思います。本当に残念です」、岸田翔太郎前首相秘書官の公邸記念撮影問題では、「あれはダメよ。お父さん(岸田文雄首相)の足を引っ張るようなことをするのは。とっても大切な場所であのようなことをするなんて、頭のいい人なのにわからなかったんでしょうか。お父さんが気の毒」と話した。
ただ、市川猿之助の心中騒動では「役者として素晴らしい才能をお持ちになっていたと思いますし、あの方のお芝居も好きでしたから、私自身はショックでした。でも、私が軽はずみに言うような問題ではないと思います」と明言を避けた。