こおり健太の唄心と笑顔がいっぱい。デビュー15周年のコンサートツアーを完走し、「これからも女唄の道を」
こおり健太が11月19日、東京・千代田区の内幸町ホールでデビュー15周年記念コンサートを開催。15年を凝縮しつつ、「“女唄”ならこおり健太と言っていただけるように。これからも皆様と夢の種まきをし続けたい。そして命あるかぎり皆様と一緒に歩かせていただきたい」とメドレーを含めて全22曲を披露した。
ラストの曲はデビュー15周年記念曲「しろつめ草」。「皆様のもとで幸せの白い花が咲き続けますように」と優しい歌声を届けると、アンコールでは涙しながら「桜の季節(とき)」を、そして手拍子に包まれながら「しあわせの場所」を披露した。
こおり健太は2008年11月5日、「口紅恋歌」でデビューした。宮城県で生まれ育ち、保育士の仕事に携わっていたが、「歌手になりたい」という幼いころからの夢を実現するために単身上京。レッスンを重ねての悲願のデビューだった。
「こおり健太 デビュー15周年記念コンサート2023~ありがとうの唄便り~」は9月15日の北海道・札幌を皮切りに、熊本、地元・宮城、大阪と回り、この日がファイナル。昼夜2公演を開催し、感動と感謝と、ちょっぴり爆笑も届けた。
デビュー15周年記念曲「しろつめ草」のカップリング曲「恋は上機嫌」、コロナ禍となった2020年9月に発売した「冬椿」を歌って登場したこおり健太は、「限られた時間ですが、こおり健太 15年の“ありがとう”の思いを、感謝を込めて一曲一曲歌わせていただきます」と話し始めた。
「2008年11月5日にデビューして丸15年です。僕という歌手の存在を知ってくださったのには、きっけになった歌があると思います。『ああ、この歌で健太くんと会ったんだな』、『そうだそうだ、あのときだ』と思い出しながら聴いていただきたいと思います」
こおりはデビュー10周年記念曲「泣きみなと」(2018年)、「恋瀬川」(2019年)、「乗換駅」(2021年)の3曲をメドレーで歌唱すると、「冬椿」や「乗換駅」などコロナ禍に発売した歌たちへの思いを語った。
「15周年のタイミングで、ようやく世の中が動き出しました。よかったなと思いますけれど、コロナ禍の時代。誰がそんな時代を迎えるなんて思っていたでしょうか? 誰も想像も予想もしていなかったと思います。
でも、歌手としての歩みを止めることはせずにまいりました。毎年毎年発売させていただく新しい歌との出合いにエネルギーをいただき、そしてその歌が、なかなかコロナ禍で全国各地へ行けない状況のなかでも僕の支えになって、それぞれの歌が一人歩きしてくれました。だかこそ15周年の今、全国各地を回らせていただいているんだなと、一曲一曲に感謝しています」
コロナ禍に発売となったが、日本作曲家協会音楽祭 奨励賞を受賞した「忘れ針」(2022年)に向けて、デビュー曲「口紅哀歌」、東日本大震災の2カ月後に徳間ジャパンコミュニケーションズに移籍し、その第一弾リリースとなった「泣いてください」、初めてオリコン演歌・歌謡曲ランキングで1位を獲得した「雨の舟宿」などを聴かせていく。
このコーナーでは愛犬「ずんだ」(トイプードル)がステージのスクリーンに登場し、「しか~し!」と、健太パパの裏話を暴露(!?)する笑いありの楽しいステージでもあった。
「2008年11月8日。こおり健太、「口紅哀歌」で念願のデビュー。デビュー日は埼玉上尾ショーサンプラザにてデビュー記念イベントを開催。たくさんのお客様の声援を受け、賑やかなデビュー日となった」
こおり健太のアナウンスでエピソードが話されると・・・。
「しか~し!」と、ずんだ。
「若手男性演歌歌手が続々デビューするなかイケメン歌手の仲間入りとはならず! いつも決まって実力派や技巧派と紹介される健太パパ。かなし~ね。今日はイケメンになりきって歌ってね」
コンサートの後半はバンド演奏によるカバー曲の披露から始まった。尊敬する歌手であり、同じ所属レコード会社の大先輩・吉幾三からもらった衣裳を着てステージに再登場すると、こおり健太は吉のヒット曲「雪國」、「哀のブルース」を聴かせた。「哀のブルース」は吉を慕う後輩歌手がカバーした『吉 幾三トリビュートアルバム「幾三フェスティバル」』のなかで、こおり健太がカバーしている作品でもあった。
ただ、15周年のお祝いにもらったという吉幾三のステージ衣裳は、こおりには大きかった。肩幅はお直しできたが、丈だけは直すことができなかったと明かし、「決して足が短くなったわけではございません」と笑わせていた。
コンサートの終盤はこおり健太が幼いころから歌っていた思い出の曲から。「人の前で歌って、拍手をして喜んでくださることが夢につながっていった。そんな歌たちです」と、「ホテル」(島津ゆたかほか複数の歌手が競作)と「望郷じょんがら」(細川たかし)を選曲すると、「望郷じょんがら」では、18歳のときに地元で開催された『NHKのど自慢』に出場し、細川たかしの前で緊張しながらも披露できたエピソードなどを語っていた。「見事・・・鐘が2つでございました(笑)」。
国民的ソングと言ってもいい、誰もが知る「青春時代」では客席をラウンドし、「こおり健太の女唄。女唄ならこおり健太。そのように皆様に言っていただけるように、もう少し女唄と歩み続けていきたいなと思います」と、美空ひばりの「悲しい酒」を感情たっぷりに歌うと、9月13日に発売された『15周年記念アルバム~女唄・涙唄Ⅱ~』からオリジナル新曲「肥後の盆」、「夢・種まき音頭」を披露した。
「肥後の盆」は熊本県山鹿市を舞台にした、逢いたくても逢えない恋しい気持ちを歌った作品で、「夢・種まき音頭」はこおり健太の思いが込められた。「これからも皆様と夢の種まきをし続けていきたい」。
2時間のステージはあっという間だった。
「またここから新たなスタートをするんだな、という思いで、今日、このステージに立たせていただきました。僕の作品では哀しい女唄が並んでいたんですが、今年5月に発売した『しろつめ草』は15周年だから、そろそろこの主人公に幸せになってもらおうということでつくっていただいた作品です。発売と同時に全国各地でこの『しろつめ草』を応援していただくことができ、5月29日付けのオリコン演歌歌謡曲チャートでも第1位をいただくことができました。皆様のもとに幸せの白い花がたくさん咲き続けますように・・・」
客席からはペンライトが光り、「健太~!」と歓声が上がる。こおり健太はコンサートの最後にデビュー15周年記念曲「しろつめ草」に“ありがとう”の気持ちを乗せて歌った。
○
「皆様とお会いできたこと、これまで支えていただいた皆様に心より感謝申し上げます」
アンコールに応じてステージに戻ってきたこおり健太は、この15年の間に亡くなってしまった、心優しかった、熱烈に応援してくれたファンにも歌声を届けたいと思った。また今も支えて続けてくれているファンにも元気でいてほしいを願った。
「冬ですね。またこの寒い冬を超えれば、暖かい日差しの春がやってくるでしょう。15年歩ませていただきますと、もう二度と会えなくなった方たちもいらっしゃいます。でも、『健太くん、これからもがんばってね』という思いを僕にプレゼントして、次の地へ旅立っていかれました。今こうして同じ時間を過ごすことができる、過ごさせていただけるこの命を大切にしたい。この命あるかぎり皆様と一緒に歩かせていただきたいなと思います」
こおりは、「皆様の命の灯が元気よく、いつまでも咲き続けますように。来年の春、桜のときを皆様と一緒に過ごさせていただきたい。まずはそこが僕の目標です」と、涙を見せながら「桜の季節(とき)」をアンコールの1曲目に歌うと、エンディングには手拍子に包まれながら「しあわせの場所」を届けた。
コロナ禍の真っ只中に送り出された「乗換駅」のカップリング曲だった。自粛生活がこおり健太を成長させ、歌の幅を広げてくれたという。
「ありがとうございました~!」
ステージの幕が完全に締まるその瞬間までファンに手を振り続けたこおり健太。その日のブログには、後夜祭に華を添えてくれた歌手仲間たちとの笑顔の写真とともに、「改めまして!! 皆々さま本当に本当にありがとうございましたm(_ _)m」と綴った。
グランドチャンピオン 土居一平さんが熱唱
「こおり健太 デビュー15周年記念コンサート」では、15周年記念シングル「しろつめ草」の発売を記念して開催されたカラオケ大会の決勝でグランドチャンピオンに輝いた土居一平さんが受賞曲「忘れ針」を披露した。高知県四万十川市にお住まいの38歳は、特別支援学校で教員を務めているそうだ。保育士の経験を持つこおりは、大会の間、「どこか僕と共通するところがあるなと思いながら、聴かせていただきました」と話していた。
満員の客席を前に着流し姿で登場し、「忘れ針」を熱唱した土居さんは、決勝大会では「ざまに(とても)緊張した」と話していたが、歌い終わった感想をこおりに訪ねられると、「気持ちよかった」と笑顔をみせた。
こおり健太 楽曲デジタル配信サービス一覧
https://tjc.lnk.to/artist_KooriKenta
2023年5月17日発売
こおり健太「しろつめ草」
2023年6月21日
こおり健太初のMV集DVD
こおり健太『5周年記念MVコレクション~唄心~』
収録曲
01. 泣いてください
02. 片瀬川
03. 北行路
04. 女の口紅(べに)
05. 山吹の花
06. 雨の舟宿
07. 風花
08. 泣きみなと
09. 歩き続けて…
10. 恋瀬川
11. 冬椿
12. 乗換駅
13. 忘れ針
14. しろつめ草
2023年9月13日発売
こおり健太『15周年記念アルバム~女唄・涙唄Ⅱ~』
デビュー曲から歌ってきた“女唄”を網羅し、最新シングル「しろつめ草」を初収録したオリジナル曲12曲&カバー曲2曲、さらに書下ろし作品2曲の計16曲を収録したアルバム。
収録曲
01. しろつめ草
02. 山吹の花
03. 肥後の盆※
04. 乗換駅
05. 片瀬川
06. 礼文宿
07. 泣きみなと
08. 女 泣き砂 日本海(川中美幸)
09. 北行路
10. 口紅哀歌
11. どこから見てもへの字山
12. 雨の舟宿
13. 紅い花(ちあきなおみ)
14. 風花
15. 泣いてください
16. 夢・種まき音頭※
※ オリジナル新曲 ( )内はオリジナル歌手名