猫星茶々の演歌みち〜こおり健太さんの新曲「乗換駅」は新たな代表曲誕生の予感!〜
9月15日に新曲「乗換駅」を発売されるこおり健太さん。2008年にデビューして以来、若手男性歌手の中でも指折りの女唄の名手として演歌道を追求されてきました。そんなこおりさんに、オトカゼ特約レポーターの猫星茶々がワクワク突撃インタビューしたにゃ〜!
憧れていた木下龍太郎先生の作品が手元に。「大切に歌っていく」
こおりさんこんにちは! 今日はよろしくお願いしますにゃ~。
こおり 茶々ちゃん、今日はよろしくね!
新曲「乗換駅」は、“女唄といえばこおり健太”の本領発揮となる本格演歌で、作曲は今回が初めてとなる大谷明裕先生が手がけられているんですね。
こおり はい。僕はこれまでも作品に関してはすべて信頼しているディレクターさんにお任せしていて、今回も新曲のお話をいただいた時にはもうすでに大谷先生にお願いしたいということは聞いていました。初めてご一緒させていただきましたが、作品づくりってスタートが大事で、そういう意味では初めから大谷先生もとてもフラットに接してくださって、アットホームな感じですごく楽しかったですね。
初めてメロディーを聴かれた時の印象はいかがでしたか?
こおり 大谷先生はご自身もシンガーソングライターとしても活動されていますが、僕はフォークやポップスなど幅広いメロディーの作品を書かれているイメージでした。でもこの曲を初めて聴いた時は、「これが大谷先生の中に宿っている演歌のメロディーなんだな!」というものを感じました。
そして、作詞は木下龍太郎先生(2008年逝去)の遺作なんですね。
こおり そうなんです! 木下先生がお亡くなりになる前に大谷先生に託されていた詞だそうで、この世界を歌わせたいなという歌手がいたら出そうと思っていたとお聞きしました。
そのことを知った時はどんな気持ちでしたか?
こおり 大谷先生からデモテープが届いた時に一緒に歌詞もいただいて、見たら木下龍太郎先生の直筆をコピーしたものだったんですよ。それを見て、「えっ、木下先生の作品?!」って。実は僕、いつか木下先生の作品を歌ってみたい、歌わせてもらいたいと思っていたんです。でも木下先生の遺作があったとしても、なかなか表に出ることはないだろうなと思っていたのでびっくりして、お名前を見た瞬間に舞い上がってしまいました。本当にうれしかったです。
大谷先生がなぜこの詞をこおりさんに……というお話はありましたか?
こおり 特にお聞きしていないですが光栄です。でも、いつか出そうと、出さなきゃいけないと思っていたんだと思うんです。要所要所で先生がおっしゃっていたのが、「これで木下先生が喜んでくれる」って。これまでの僕の曲を聴いてくださっていただろうし、この世界観をこおり健太にと「よし、ここだ!」って先生も勝負に出られたのかなと思います。だから僕も大切に歌っていくつもりです。
この作品はいわゆる”道ならぬ恋”がモチーフとなっているんですよね。
こおり 一般的に捉えるとそうですね。こういう経験のある人もいるだろうし、ない方は実際にはしてはいけない恋ですからね(笑)、作品に投影して聴いたりされる方もいるかな。でも今回自分の中で不思議だったのが、その道ならぬ恋の別れをテーマにしていると最初は思っていたんですけど、歌えば歌うほどね、人生の終わりを迎える人たちの物語にも思えてきちゃったんです。それでレコーディングの際に、「もういいよ」と言われたんですけど、最後にもう一回だけ歌わせてくださいとお願いして歌わせてもらいました。
涙の整理 したいから
時間を貸して もう少し
乗換駅へ 着いたなら
強い女で 送ります
(「乗換駅」歌詞より)
こおり これでもう会えなくなってしまう。乗換駅って“駅”だけど、この世とあの世をつないでいる場所みたいな……。そこに少し思いが深くなってしまいましたね。このコロナ禍で人と会えないという状況や、「自分もあとどれだけこおりくんの歌を聴けるかわからない」とファンの方からお手紙をいただくこともあったりして、それを思うとどんな状況であっても間口は広げていかなければいけないな、とちょうどレコーディングの頃は気持ちが揺れ動いていた時期だったので、特に思いが入ってしまってギリギリでした。自分でももう一回歌っていたら泣いていたなと思いました。木下先生がいらっしゃったら、どういう思いでしょうかと聞けますけど、お聞きできない分自分なりにすごく考えさせられて、色々な解釈をさせてもらった歌です。
今回この作品を歌われるにあたりなにかこおりさんがこだわった点などはありますか。
こおり これまでの作品でもそうですが、曲のテンポを決める時は少しこだわりますね。あまりにテンポよくいってしまうとドラマも薄れるし、聴く方がついてこられない。かと言ってあまりにテンポを遅くすると、今度は皆さんが歌われる時に声が続かないんですよ。すると難しい曲になっちゃうんですよね。その頃合いというか塩梅を考えつつ、僕も歌いやすいところを探らなければならないし、テンポってすごく大事だなって、改めて今回思いましたね。
奥深いメッセージのある作品だから、やっぱり行間を考える時間を聴いてくださる皆さんに与えたいですもんね。
こおり そうですね。まぁ、列車だからテンポよく”ポッポッ”といっても……あっ! ”ポッポッ”って別に(列車に)かけたわけじゃないからね(笑)! 大谷先生が大事に温めておいてくださった木下先生の素晴らしい歌詞をいただきましたから、大事に歌っていきたいですね。
大きなものを背負う、またひとつこおりさんの宝物がふえましたね。
こおり 本当にね。だからこういう状況ですけれどもひとりでも多くの皆さんに届いて行ってほしいし、歌いに行かなければいけないと思っています。
全国の「乗換駅」を回って歌うキャンペーンはどうかにゃ〜?(笑)
こおり いいね〜! 全国津々浦々、列車を乗り換えながらね(笑)。
最後に、こおりさんの歌を待っているファンの皆さんやオトカゼの読者へメッセージをお願いします!
こおり この曲はイントロを聴くと郷愁とか哀愁を感じられると思うので、そこをしっかり聴いてもらって歌に入ったら前半は語るようにテンポよくポンポンポンと。最後の一行は、もう感情を込めて気持ちよく歌っていただければと思います。そして、また生の歌声を届けられる日が1日も早く来るように願っています。待っていてくださいね! 新曲を披露できることを楽しみにしています。
2021年9月15日発売
こおり健太「乗換駅」
デビュー13年目を迎えるこおり健太の新曲「乗換駅」のカップリング曲「しあわせの場所」は、体を揺らしたくなるような明るくリズミカルな一曲。またひと味違うこおりの歌世界を味わえる。「僕と大谷先生がお会いしてから作ってもらった作品で、『乗換駅』とは全然違う楽しい曲です。今はコンサートで声を出して応援できないから、手拍子やリズムで参加できる歌をという思いで作っていただきました。僕、ほんっとうに暗い曲しかないので……(笑)! なのでここで元気な歌、僕の等身大の歌ですよね。そんな曲を作っていただきました」(こおり)
Profile
こおり健太(こおり・けんた)
1983年1月5日、宮城県生まれ。保育士として3年間務め、その傍ら数々のカラオケ大会に出場して優勝するなど華々しい成績を収める。その磨き上げた実力で臨んだ、福島テレビ『弦哲也のFTVカラオケグランプリ』で第7回グランドチャンピオンとなり、歌手になるという幼い頃からの夢を果たすため単身上京。レッスンを重ね、2008年、「口紅哀歌」でメジャーデビューを果たす。以来、スマッシュヒットを連発。柔らかな物腰と笑顔、高音の美しい天才的な歌声で人気を集めている。
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