中村美律子、4カ月半ぶりのステージで「感謝」

新型コロナウイルスの感染拡大でコンサートなどの自粛や中止・延期が続くなか、中村美律子が7月11日、埼玉県・加須のむさしの村で、演歌界では第一号となるコンサートを開催した。

2月に新曲「鬼の背中」を発売した直後、新型コロナウイルス感染予防のために、中村はすべてのコンサートやイベントが中止・延期に。

今回のコンサートも、当初は3月の予定から延期となっていたが、入場時の検温や、アルコール消毒、ソーシャルディスタンスで入場者数を1/3に、アルコール類の提供禁止、お客様同士がしゃべらないように幕を下げない、換気の徹底、大声を出さない、マスク着用などさまざまな配慮のもと、開催に至った。

オープニングアクトには、地元で活躍する桜 ちかこが登場して、新曲「丹後半島」をはじめ「風」、歌謡浪曲入りの「王将一代小春しぐれ」などを熱唱。ステージに花を添えた。

2016年に作曲家・岡 千秋氏の命名でメジャーデビューした桜 ちかこ。メジャー3作目となる「丹後半島」は、京都の半島を舞台にした艶歌。

続いて、いよいよ中村美律子がステージへ。

「新曲を出してから4カ月半ぶりのステージです!正直、いつになったら歌えるのかと……。歌が歌えない寂しさはたまりませんねぇ。今回は、その念願がかない、本当に感謝です」と語り、「だんじり」では久々のステージを楽しむかのようにステージを縦横無尽に跳ねながら、女唄の「大阪情話」「島田のブンブン」では、しっとりと情緒豊かに歌い上げた。

敬愛する美空ひばりの「りんご追分」では曲間の「ひばりちゃん」コールが「みっちゃん」コールに!

MCでは、「今日はね、単の着物を着てるんですけど着物は単でも、中身はふたえですねん。自粛、自粛で、太りましてん(笑)」と自ら告白。中村ならではのユーモアあふれるトークで終始会場を沸かせた。

後半は、「釜ヶ崎人情」や新曲「鬼の背中」などを堂々熱唱。歌謡浪曲「瞼の母」を披露した際には、客席から「日本一!」という掛け声も飛び出すほどの歌世界でファンを魅了した。

最後は、中村の代表曲で大ヒット曲の「河内おとこ節」。1番を中村、2番を桜、3番をふたりで熱唱し、フィナーレを飾った。

「自粛を経て、皆さんの前でようやく歌えるようになりました。こんなチャンスをいただけたことを改めて感謝申し上げます。でも、まだまだコロナ禍。先が見えない状況ですが、日本人は芯が強い。できるだけがんばりましょう!」と語り、笑顔でステージを後にした。

2020年2月26日発売
中村美律子「鬼の背中」

「鬼の背中」 作詞/紙中礼子  作曲/花岡優平 編曲/南郷達也 c/w「笑い神」 作詞/紙中礼子  作曲/花岡優平 編曲/南郷達也 キングレコード KICM-30964 ¥1,273 + 税

関連記事一覧