由紀さおりが78歳の誕生日に55周年記念コンサートの前半戦を締め括り。「来年はロサンゼルスで歌いたい、大谷選手の試合も見たい」とさらなる意欲も!
デビュー55周年を迎えた由紀さおりが78歳の誕生日となる11月13日、千葉・松戸市 森のホール21で「由紀さおり 55thコンサート~新しいわたし~」を開催し、全国ツアーの前半戦を締め括った。
1969年、「夜明けのスキャット」でデビューした由紀さおりは、今年3月の千葉公演からデビュー55周年コンサートのツアーをスタート。東京、大阪、横浜公演を終え、松戸での公演が今年最後のコンサートとなった。
本人の声による場内アナウンスが流れた後、若草色の着物姿で登場した由妃は2013年にリリースした「わたしのうた」から歌い始めた。
挨拶のMCに続いて披露したのは「あさきゆめみし~水の月」だ。谷村新司が作詞作曲し、由紀にとって21世紀最初のシングルとなった「あさきゆめみし」に、都々逸「水の月 手には取れぬと 諦めながら 濡れてみたさの 恋の欲」を挟み、歌声を聴かせた。
「ロサンゼルス生まれ、兄弟子なんだけれどずっとお若いのよ」と三味線奏者、本條秀英二氏を紹介すると、ここからは“由紀さおりのチントンシャンソン”と題し、三味線の弾き唄いで都々逸を届けた。
また5月に行ったフランス公演に向けて、半年ほどフランス語学校に通い発音を学んだというフランス語を交えながらの「ジュテーム♪」には、観客はユーモアのある純邦楽を楽しんだ。
「あさきゆめみし」のジャケット写真から着物姿を披露するようになった由紀は、和装でジャズを歌うという世界感も披露。和やかなムードからジャズへと歌いつないだ由紀は、ペギー・リーの代表作「Is That All There Is」を三味線の伴奏で歌唱すると、本條秀英二氏とバンドメンバーで「三味線ブギウギ」を楽しんだ。観客も手拍子で応え、テンションが一気に高まった第一部のラストだった。
第二部は華やかなドレスに着替えて登場した由紀さおり。「大事に歌ってゆける曲をいただきました」と語り、まずはデビュー55周年の集大成とも言える新曲「人生は素晴らしい」を披露した。前作「初めての今日を」から約2年ぶりの新曲はアンリ・サルヴァドール、セリーヌ・ディオンなどへ楽曲を提供してきたフランスの作曲家ジオアッキーノ・モリシの書下ろしで、作詞は松井五郎が担当した。
ここからは由紀さおりのヒットメドレーで観客を魅了する。
「オリジナル曲は何曲くらいと聞かれることがありますが、それなりにヒット曲がない訳じゃないわ(笑)」
観客を和ませると、「生きがい」「ルーム・ライト」「手紙」など計7曲をコンサートならではのアレンジで聴かせ、奥の深さを感じさせるパフォーマンスをみせた。
本編の最後はデビュー曲「夜明けのスキャット」。その優しい歌声に、観客は万雷の拍手を送った。
そして再び登場したアンコールでは、「50周年のときにアンジェラ・アキさんにいただいた歌でお別れです。聴き惚れないで、みなさんのお声がほしいわ」と伝えると、由紀は「あなたにとって」を観客と一緒になって歌唱した。
約2時間を超えるステージを終えた由紀さおりは、「来年はロサンゼルスでツアーができたら。三味線奏者の秀英二さんの故郷ロサンゼルスも訪れてみたいし、大谷翔平さんの野球も見てみたい。有言実行。日々どうしたらよいか考え過ごしています」と語り、「おめでとう」の声に応えた。
なお、来年のコンサート日程も発表された。2月に埼玉、3月に熊本を回り、デビュー55周年記念コンサートの締めくくりは「~新しいわたし~そしてこれから」と銘打ち、2025年4月9日、東京千代田区の東京国際フォーラム ホールCで開催する。
INFORMATION
由紀さおり 55thコンサート ~新しいわたし~
2025年2月13日(木)
開場15:30 開演15:30
【埼玉】大宮ソニックシティ 大ホール
3月27日(木)
開場16:30 開演17:00
【熊本】市民会館シアーズホーム夢ホール
由紀さおり 55thコンサート ~新しいわたし~そしてこれから
4月9日(水)
開場15:15 開演16:00
【東京】東京国際フォーラム ホールC
2024年4月17日発売
由紀さおり「人生は素晴らしい」
2024年4月17日発売
由紀さおり『由紀さおりベストオブベスト~ 55th anniversary』
由紀さおりデビュー55周年を記念するベストアルバム。初のSHM-CD 3枚組。代表曲とカバー曲 計55曲を収録。由紀さおりは1987年にビクターの専属作曲家・吉田正作品を歌い、ビクターから「お先にどうぞ」というシングルを発売したが、その時、同時にシングル候補曲としてレコーディングした作品「ふられ上手」(作詞山上路夫 作曲吉田正)の音源が見つかり、今作に初収録されている。由紀さおり55年間の軌跡とその魅力を堪能できるアルバム。
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