知里が10周年記念ディナーショー。「言葉にならないぐらい濃い10年でした」

知里が11月29日、千葉県・東京ディズニーリゾート内にあるグランドニッコー東京ベイ舞浜で「知里10周年記念ディナーショー」を開催。全幅が60メートルほどもある大宴会場・グランドボールルームで思い出深い曲たちを歌い、駆けつけたファンと大切な時間を過ごした。

2010年6月2日、「やさしい日々」でデビューした知里は、オープニングで本格的な演歌を歌った2017年の「花艶歌」と2018年の「あなたの女です」を会場に響かせると、「(コロナ禍でもあり)今日は本当に開催できるかドキドキしていました」と語り始めた。

「10周年のディナーショーを開催することができてうれしく思います。足を運んでくださった皆様、本当にありがとうございます。長いような短いような、言葉にならないぐらい濃い10年でした」

▲着物姿で登場した知里。「普段、お腹が締まった状態で歌うことがないので、海苔巻きになった気分でしたね(笑)。着物は本当に久しぶりでした。でも、これを機会に着付けも習いたいなあ」

 

ディナーショーの前半は和テイストの曲を中心に歌い、和太鼓の西村忠雄氏から手ほどきを受けた太鼓の披露や、10周年の勝負曲「華ロック」で会場を盛り上げた。

演歌ではないが、特別な“あの曲”も外せなかった。感染防止対策をとりながらの客席ラウンドのあと、会場に設けられたサブステージに立った知里は、「私の大好きな曲です」と、デビュー曲のカップリング「ひこうき雲の先に…」を真心で歌う。

知里は日本大学大学院音楽芸術専攻を修了したあと、韓国留学を経験するなどして、音楽関係の仕事に携わっていた。昼間は音楽専門学校や音楽教室でボイストレーナーとして働き、夜は赤坂や銀座のジャズクラブで歌手活動をしていたのだ。

そんな時、この日“知里バンド”のリーダーとしてピアノとシンセサイザーを弾いてくれたHiromiと出会い、歌謡曲の世界に興味を持つ。そして時を同じくして、「みちのくひとり旅」の作曲家として知られる三島大輔氏に師事することに。三島氏は知里に「詞を読んで、歌を語れ」と教え込んだ。

三島氏が最初に知里に会った時に感じた、等身大の彼女をイメージした作品が「ひこうき雲の先に…」だった。そんな三島氏は2015年に帰らぬ人となった。

「三島先生と初めて会った日のことを思い出し、思わず泣きそうになりました。三島先生に出会って、私の人生は大きく変わりました。先生との出会いがなければ、何かひとつ思い切れなかったら、演歌・歌謡曲の世界で10年も歌わせていただくことはなかったと思います。すごく不思議な気持ちです。その日、その日の判断によって人生ってこうも変わるんですね。12年ほど前の私は、今日のことをまったく予想できなかったと思います」

▲「3年はかかるところを3カ月で覚えた」と、知里の才能と努力に脱帽する和太鼓の西村忠雄氏。「元々楽器を演奏するのは好きなんです。でも、呑み込みが早いって先生が褒めてくださったので(苦笑)。太鼓は叩けば音がなるじゃないですか? 楽しくて楽しくて、お稽古に行くと6時間ぐらいドンドコド・ドンドコドと叩いていました」

 

▲デビュー10周年の勝負曲「華ロック」を披露し、ポーズを決める知里。

 

後半の知里はジャンルレスにいろんな作品を歌っていく。中森明菜の「ミ・アモーレ」やテレビアニメ『鬼滅の刃』の主題歌「紅蓮華」にも挑戦し、デビュー曲「やさしい日々」ではピアノの弾き語りを切なく聴かせた。

エンディング曲には「虹のかなたに」を選んだ。同曲は、千葉のローカル線・銚子電鉄がクラウドファウンディングを活用して制作した映画『電車を止めるな! ~のろいの6.4km~』のエンディング曲に採用され、話題になっている。

「発売した2016年当初は、私っぽい曲をつくっていただいたと思っていたのですが、映画のエンディング曲に選ばれたことで、さらにスケールの大きな曲になりました。まるで映画のためにあつらえたようです。イントロ部分から銚子電鉄の車窓に広がるキャベツ畑(銚子市は春キャベツ日本一の生産量を誇る)がバーンと浮かんでくるような。もしかしたら、4年後の今のためにつくられた曲だったのかな? とさえ錯覚するほど。不思議な感覚です。明日を信じて向かって行こうという、この歌のメッセージもコロナ禍の今にとても合っています」

知里は華やかな水色のドレス姿で「虹のかなたに」を歌い、聴く人それぞれの心のうちにメッセージを届けると、惜しみない拍手に包まれながらステージを下りた。
 

 
 

▲ジャンルレスにいろんな曲を歌うと知里。X JAPANの「紅」をカバーし、ディナーショーの後半をスタートさせると、サブステージでは「イヨマンテの夜」「ミ・アモーレ」を熱唱した。

 
▲会場には新沼謙治の姿も。九州・博多での仕事を終えて駆けつけてきたという。「ちーちゃんは素晴らしい歌手です。小粒でピリリと辛いし、何といってもパワーを持っている。疲れた時は『ちさとマーチ』を聴いています。今日はCDも買わせていただきました。そのうちデュエットしよう、という話も盛り上がっているみたいですよ」。知里も「観に来てくださって本当にうれしく思います。(デュエットの話も)いい方向へ進むといいなと思っています」
 

▲デビュー曲「やさしい日々」はピアノの弾き語りで歌う。

 

演歌・歌謡曲の大先輩は20年、30年と歌っている。一方で、10年で辞めていく人もいる。だから「10年というのはひとつの区切りだと思いますが、自分が歌手活動10年を迎えることができて本当にうれしい」と、あらためて今日という日に感謝する知里。

司会の青空キュートがファンと一緒にアンコールをリクエストする。レースを羽織って会場に現れた知里は「黒百合の歌」を披露した。NHK連続テレビ小説『エール』の主人公のモデルとしてスポットが当たった作曲家・古関裕而氏の作品で、「あなたの女です」のカップリングとして収録したカバー曲だ。

そして、アンコールの2曲目。10周年記念ディナーショーの最後の最後に歌いたいと思った曲は、セリーヌ・ディオンの「To Love You More」だった。

「本当は自分のオリジナル曲をと思ったのですが、いろんな出会いがあって今の自分があります。そんな自分にとってターニングポイントになった曲です」

ジャズクラブなどで歌っていた頃、知里はセリーヌ・ディオンや、マライア・キャリー、ホイットニー・ヒューストンといったソウル系の曲をよく歌っていた。

「『To Love You More』は、私の後援会を立ち上げてくださって、会員番号1番の方が好きだった曲です。まだ本名の金子知里として活動していた頃で、『虹  The Best of Songs On the Web Vol.3』というオムニバスアルバムを(2009年に)インディーズで出した頃から応援してくださっています。今日はご病気でディナーショーにはお越しいただけない状態でした」

▲「このホテルがディズニーランドのオフィシャルホテルなので、ディズニーっぽい、かわいいなと思うドレスを着させていただきました」。水色のロングドレス姿では「紅蓮華」「虹のかなたに」「黒百合の唄」「To Love You More」を歌った。

 

生まれた時から童謡のCDを聴いて育ち、大学大学院の音楽芸術専攻を首席で修了した知里。小さな体からパワフルに、そして魂の歌声で「To Love You More」を聴かせた。

「ダダダダダッっと過ぎた10年でした。与えられたものを一生懸命かみ砕いて飲んで、走ってという感じでした。次の10年はもう少しどっしりと構えて、自分の脳みそをフル回転させて、これまで吸収してきたことをうまく使いたい。この10年間に出会った方たちとのご縁がもっと広がるような10年にもしたいと思います」

 

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2020年12月6日
「知里10周年記念ディナーショー」をツイキャスで配信!

11月29日に知里の地元・千葉県のグランドニッコー東京ベイ舞浜で行われた「10周年記念ディナーショー」の模様がライブ配信サービス「ツイキャス」を通じて配信される。
知里本人も実際のショーの映像を視聴者と一緒に観る。そして配信後には知里のアフタートークが楽しめる。

 

配信=2020年12月6日(日) 13:00~
録画視聴&販売期間=2020年12月30日まで
プレミア配信チケット=3,000円(税込)

▼詳細・プレミア配信チケットの購入はこちらから
https://twitcasting.tv/c:office_kaneko/shopcart/31290

 
映画『電車を止めるな! ~のろいの6.4km~』
https://www.dentome.net/