知里が地元で新曲「永遠の人」を披露するコンサート。作曲の杉本眞人も駆けつけ、知里とデュエット!
2010年にデビューした知里が10月30日、千葉・市川市の行徳文化ホール I&Iで「知里 10周年記念曲『永遠の人』リリースツアー in 行徳」を開催。知里は地元での新曲発表会を兼ねたコンサートに、「感謝でいっぱいです」と笑顔を見せた。
10月6日に発売された「永遠の人」は、伊藤美和が作詞し、杉本眞人が作曲、照屋宗夫が編曲した作品。星になってしまった“あなた”への想いを持ちながら、新しい恋に「新しい名前に なってもいいですか」「幸せにもいちど なってもいいですか」と歌う。
昨年はコロナ禍で、ディナーショーを1回開催できたものの、大きなショーは開催できなかった。だが、デビュー11年目に入り、2年ぶりとなった新曲「永遠の人」は評判がよく、リリース直後からキャンペーンで走り続けているという。
「人が集まることがずっとできなかったのですが、緊急事態宣言が解除されたタイミングで新曲を出させていただく形になり、無事コンサートが開催できて、本当にほっとしています。同時に、こうしてコンサートを行わせていただいたことに感謝でいっぱいです」
コンサートは昼夜2公演行われ、多彩なゲストも登場し、知里の新曲リリースを祝った。「永遠の人」タイプBのジャケット写真で着用した真っ白なウエディングドレス姿でステージ登場した知里は、気持ちを込めて新曲を歌うと、「思い切ってウエディングドレスにしてみました。でも、一人です」と観客を和ませる。
新曲の衣裳を購入するため、事務所の社長でもある母親とドレスショップへ行ったというエピソードでは、お店には若い2人組ばかりだったとも。「でも、こちらは母親と2人で・・・。『お式はいつですか?』って聞かれても予定がないので、『(新曲発売日の)10月6日です』って答えたら、『おめでとうございます』って(笑)」。
「永遠の人」の物語には前段があると、知里が説明する。
「美和先生がいろんなドラマを観てきたなかで、ヒントをもらってくつられた歌詞です。好きな人は亡くなってしまって星になってしまったのですが、その星になった人とどこか似ている男性と出会い惹かれます。しかも、その男性の体には星になってしまった人の体の一部が移植されています。でも、そのことを知らない主人公の女性は、星になった彼への想いが永遠だとわかりながらも、新しい恋に進もうと、『新しい名前に なってもいいですか』と問いかける。女性の複雑な気持ちが綴られています」
▲知里はこの日、4着の衣裳を披露。「永遠の歌」タイプBのカップリング曲「ひとりにしないで」や、元気の出るオリジナル曲のメドレーでは着物をアレンジしたドレスで歌い、「ちさとマーチ」を歌いながら客席から登場した際には、シルエットが美しいドレス姿を見せた。そのドレス姿では「イヨマンテの夜」も熱唱した。
そんな伊藤の歌詞に、杉本は「等身大の歌を書きたかった」とメロディーをつけた。知里と杉本のコンビは今回が初だった。
「彼女ももう若くはないわけだけど、誰にもそれぞれの年齢の歌がある。だから、等身大の歌を書き続けることがいいんじゃないかな。等身大の歌を送り続けていけば、ヒット曲に出合うタイミングが来る可能性が大だと思っている」(杉本)
「大人の自分が少し出せたらいいな」と知里。キャンペーンでは女性のファンが「友だちにも聴かせたい」と、複数枚のCDを買ってくれるようで、反響の大きさに驚いていた。
コンサートでは、恩師・三浦大輔が作曲したデビュー曲「やさしい日々」やセカンドシングル「追いかけて」をピアノ伴奏で聴かせたり、「花艶歌~あたなの女です~華ロック」の3曲メドレーでステージを盛り上げたり、大学・大学院で学んだ声楽家としての力量が光る「イヨマンテの夜」などを熱唱すると、杉本とのデュエットを披露した。
「杉本眞人先生がつくられた大好きな曲です」と、昼の部で知里が「花のように鳥のように」(作詞/阿久悠 オリジナル歌手/桂銀淑)を歌うと、サプライズゲストとして、杉本がステージに現れたのだ。
「今までのちーちゃんの曲とは違う雰囲気の曲をつくりたかった」と、新曲「永遠の人」について語ると、歌手・すぎもとまさととして、KANAとデュエットした「時間よ止まれ」を知里とのデュエットで届けた。
「杉本先生の曲は大好きで、ずっと聴いていましたが、新曲を杉本先生が書いてくださると、ディレクターから聞かされたときはびっくりしました。そんな杉本先生とのデュエットなので、緊張しました。こういう機会をいただけて感謝です」
うれしさと緊張のなかにいる知里に、杉本は「一応、私は作曲家なので厳しいんですが(笑)、『時間よ止まれ』はキーが合うかどうかが一番の問題でしたが、そこはちゃんと出してくれましたね。すごいなと思って、歌いながら聴いていました」
知里はこの日、4着の衣裳を披露したが、杉本が亡くなった母への想いを歌った名曲「吾亦紅」をギターの弾き語りで歌ってくれると、知里は「永遠の歌」タイプAのジャケットで着用した紅いドレス姿に着替え、カップリング曲「逢いたい人は誰ですか」をファンに届けた。杉本が作曲した作品だ。
「月がきれいに見える夜、あの人はどうしているかな、と、逢いたい人を思い浮かべる作品です。コロナ禍で逢いたくても逢えない日々を過ごしている方も多いと思います。杉本先生からいただいたデモテープを聴いたときは、『先生が歌ったほうがいいんじゃないか』(笑)と思うほど素敵でした。でも、すごくかわいい女性の気持ちを歌った作品で、『うん、あるある』って共感できました。すごくポップな曲調で、かわいいけど、寂しいみたいな曲です」
レコーディングでは「コーラスに杉本も参加してくれた」と、うれしそうに語る知里に、杉本は「『永遠の人』も好きですが、私は『逢いたい人は誰ですか』のほうが結構好きです」と告白していた。
昨年はコロナ禍で、新曲のリリースが叶わなかったが、2016年にリリースした「虹のかなた」が、千葉県の銚子電鉄を舞台にした映画『電車を止めるな!』のエンディング曲に採用されるなど話題もつくれた。
知里はラストソングに「虹のかなた」を選曲すると、アンコールに応えて、もう一度、「永遠の人」を、物語の裏側にある真実“新しく惹かれた人の体には、星になった人の一部が移植されている”を含みながら、今の知里の等身大で歌唱した。
なお、同コンサートでは多彩なゲストとして、杉本眞人のほか、黒木じゅんもステージに彩りを添えた。また協力ゲストとして、地元・千葉を中心に活躍する安田建、御崎京子、水沢きよと、はやしみりい、藤生ひろし、原みよ子がステージに上がった。
知里、「ひとりにしないで」への想い
デビューして11年目に入った知里。デビュー曲「やさしい日々」や、セカンドシングル「追いかけて」を書いてくれた恩師・三島大輔が亡くなって6年の歳月が経った。
「先生は天国へ行ってしまったんですが、デビュー曲をいただいて、今回のBタイプのカップリングの曲も三島大輔先生の曲です。先生が会場のどこかで聴いてくださっているといいな」
「永遠の人」タイプBに収録されたカップリング曲「ひとりにしないで」は、「みちのくひとり旅」などのヒットで知られる三島の作曲作品。知里はステージの中盤、「ショーでも歌ったことがありません」と同曲を初披露すると、「ひとりにしないで」を聴かせた。姉弟子である台湾出身の歌手・真唯林(マユリン)のカバー曲だったが、その真唯林も若くして亡くなっていた。
「真唯林さんも、三島先生と同じ病気で、まだ44歳という年でこの世を去ってしまいました。先輩が病気になったからは、私が先輩のステージを務めたこともありました。思い出の一曲でもあり、大切な新曲のカップリングでもあります」
知里は「ひとりにしないで」を歌い終わると、胸の前でマイクを強く握りしめていた。
多彩なゲストがステージを盛り上げた
前川清にもらったオレンジが鮮やかなジャケットを着て登場したのは、スペシャルゲストの黒木じゅん。「今日は知里ちゃんのお祝いのステージに参加させていただきました」と、黒木は今年5月にリリースした「離れても」を披露した。
同曲は、1991年に「やせがまん」でデビューした黒木のデビュー30周年記念曲だ。そんな黒木の父は、「霧にむせぶ夜」をミリオンヒットさせた昭和歌謡のスター、黒木憲。「離れても」と「霧にむせぶ夜」は、黒木の父の恩師でもある作曲家・鈴木淳の作品でもあった。
「生前、うちの親父から言われておりました。おまえのステージでは必ず俺の歌を歌ってこい」。黒木は父の意志を引き継ぎ、デビュー当時から歌い継いできた「霧にむせぶ夜」をムードたっぷりに聴かせた。
▲安田建は今年6月にリリースした「今なら言える」を歌唱。“今なら言える ありがとうと”と、2年前に亡くなった最愛の妻に捧げる作品を歌い上げた。
▲日本舞踊の名取でもあり、カラオケ喫茶を経営する篠崎京子は2018年に発表した「しのぶ詞」を披露した。
▲宮城県石巻出身の水沢きよとは、郷愁漂う「京の川宿」を歌い上げた。同曲は水沢が本名の斉藤清人の名前で作詞し、上沼恵美子の「時のしおり」で知られる南乃星太が作曲した。
▲マレーシア・ペナン島出身の彼女は、2019年8月、杉本眞人の作曲作品「大人の童謡(メルヘン)」をリリース。本作から芸名をはやしみりいと変えた。日本とマレーシアを行き来して歌手活動を行っている。
▲千葉テレビが主催したカラオケ大会で優勝したことが契機となり、1994年にデビューした藤生ひろし。5月に発表した新曲「愛を私に・・・」を届けた。
▲作曲家・佐田みさきに師事し、2017年にデビューした原みさ子は11月3日に発売予定のセカンドシングル「水仙岬」を一足早く披露した。
2021年10月6日発売
デビュー10周年記念作品
知里「永遠の人」
(タイプA)
(タイプB)
2010年にデビューした知里の10周年記念曲「永遠の人」は、初めてのタッグとなる杉本眞人氏作曲の、ラテン調のメロディーに哀愁感漂う切なくも複雑な女心を歌った作品。タイプAのカップリングは、別れた愛する人を思う女性の悲しい心情をしっとりと歌う「逢いたい人は誰ですか」。タイプBのカップリング「ひとりにしないで」は、知里の恩師である三島大輔氏が作曲し、姉弟子である真唯林(マユリン)が歌った作品のカバー。「真唯林さんの曲の中で私が一番好きなのがこの曲。この曲を歌うと、先生と真唯林さんとの思い出がこみ上げてくるんです。今回10周年の記念曲のCDの中に、デビューのきっかけをくださった三島先生の曲を入れたかったので、この曲を選びました。最後に中国語で歌うフレーズ ”我愛你(ウォーアイニー)” があるのですが、ここが大変でした。レッスンに行って練習しました。ぜひ聴いてくださいね」(知里)
INFORMATION
知里『デビュー10周年記念作品』カラオケ・コンテスト開催!
【応募資格】2021年10月6日同時発売の知里新曲「永遠の人」シングルCD【タイプA】【タイプB】両方を購入した方。
【応募方法】住所、氏名、年齢、電話番号を明記の上、歌詩カード右下の応募券2枚を添付した用紙と共に「永遠の人」「逢いたい人は誰ですか」「ひとりにしないで」のいずれかを歌唱・録音したカセットテープ、CD-R、もしくはMDを下記宛先に郵送する。※送付した資料は返却されない。
【送り先】〒141-0001東京都品川区北品川6-5-27-3F 日本クラウン㈱CW制作部 知里 カラオケ・コンテスト係
【応募締切】2022年3月15日(火) 当日消印有効
【審査発表】知里カラオケコンテスト審査委員会(日本クラウンディレクター、プロダクションスタッフ等)が厳正に審査し、2022年4月、首都圏内ホールにて開催予定のコンテストに出演できる優秀者を30名程度を選出する。また本戦で上位5名に入賞すると、千葉テレビで放送中の音楽番組『知里のミュージックエッセンスPartII』に出演できる。
発表は優秀者への通知、及び日本クラウンホームページ、知里オフィシャルホームページにて行います。
Profile
知里(ちさと)
6月27日、千葉県生まれ。生まれた時から童謡のCDを聴いて育ち、幼少期からクラシックを学ぶ。日本大学芸術学部音楽学科声楽コースを卒業。同大学院音楽芸術専攻修了。音楽教員免許を持つ。その後、音楽専門学校や音楽教室のボイストレーナーやジャズクラブで歌手活動を行うなど音楽活動を開始。「みちのくひとり旅」の作曲家として知られる三島大輔氏に師事し、2010年、「やさしい日々」で歌手デビューを果たす。デビュー当時より自身のコンサートでの収益を子どもの臓器移植のために日本移植支援協会に寄付するなどのチャリティー活動を積極的に行っている。
10月30日に行われた「知里 10周年記念曲『永遠の人』リリースツアー in 行徳」でも、収益金の一部が日本移植支援協会へ寄付された。金子社長から同協会の高橋和子理事(左)に目録が渡されると、元看護師である高橋理事は日本での臓器移植の現状を語り、支援を訴えた。