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水田竜子

「華やかに、艶やかに」。水田竜子がデビュー30周年記念リサイタルで人生を綴る集大成。涙を見せつつも、決意の“カーテンコール”

水田竜子が4月22日、神奈川県・横浜の関内ホールで、デビュー30周年記念リサイタルを開催し、“竜子ちゃ~ん”の声援を受けながら、第一部では思い出のある名曲カバーを、第二部ではオリジナル曲を披露し、アンコールでは涙しながら「40周年、50周年と歌っていく」と決意を語った。

子どもの頃から歌が大好きで、1994年1月21日に「土佐のおんな節」でデビューした水田は5年ごとに大規模公演を行ってきたが、今回は自らが30周年を振り返る構成とした。

開演前の会場内には、キングレコードの後輩、椎名佐千子と水城なつみによる注意事項のアナウンスが流れ、直前には永井裕子と井上由美子のなでしこ姉妹が影アナから緞帳前に登場し、前説で会場を和ませた。

オープニングは「華やかに、艶やかに、水田竜子の歌の世界を楽しみましょう」と、キングレコードの大先輩、原田悠里によるのメッセージに送られ、水田は純白のドレスで登場。名曲「マイウェイ」から歌い始めた。

「幕が上がる前、みなさんが来てくださっているのかドキドキしながら幕の後ろで待っていました。このリサイタルのことは1年前から考えてきましたが、その時点では(コロナ禍により)本当に開催できるのかわかりませんでした。今日は楽しいリサイタルにしたい。30周年の思いをたくさん届け、感じていただきたいと思っています」

コンサートの構成は今回、自らが考えたそうで、ドレスのショールなども「綺麗って言ってもらえるように毎晩、手縫いで縫製しました」とうれしそうに話した水田。第1部では、「歌が大好きな私が歌いたい歌、みなさんが歌ってほしい歌を歌いたいと思います」と、まずは女の旅シリーズとして、「京都から博多まで」(藤圭子)、「津軽海峡・冬景色」(石川さゆり)を披露した。

水田竜子

観客と一緒に「YOUNG MAN(Y.M.C.A)」を歌う水田竜子

子どもの頃、初めて人前で歌ったという「帰ってこいよ」(松村和子)、NHKのど自慢で歌った「男なら」(松原のぶえ)に引き続いて、赤のミニスカートにステッキ姿で登場した水田が披露したのは、軽快なステップを踏みながらの「君は薔薇より美しい」(布施明)だった。

「いかがでしたか?」の呼びかけに、観客からは「かわいい!」の声。

「次の35周年は50歳を超えてしまいます。そうなるとはけないと思って、今日はミニスカートをはいてきました(笑)」

ここからは元気を届けたいと、観客と一緒になって西城秀樹の「YOUNG MAN(Y.M.C.A)」を楽しむと、今度は竜が描かれた黒のスレンダーなドレス姿で、「釜山港へ帰れ」(チョー・ヨンピル)、「北の宿から」(都はるみ)を歌唱すると、憧れの歌手・坂本冬美の「夜桜お七」で第一部を締めた。

水田竜子

第一部終了後にはサプライズも。メーカーの垣根を越えて、日本クラウンの竹川美子と知里が「応援に駆けつけました」と場内アナウンスで登場したのだ。水田がいかに後輩たちに慕われているかがよくわかるトピックスだった。

第二部は水田竜子の歌の旅として、オリジナル曲でたっぷりと披露していった。「霧の土讃線」からから歌い始めると、「霧島の宿」「礼文水道」などを届けていく。

「30年間、いろんな歌を歌わせていただきましたが、隠れた名曲と言いましょうか、デビュー2年目に歌った作品があります。アルバムに収録された作品で、あまり歌う機会がありませんでしたが、大好きな作品です」

水田は2020年の「能登島みれん」のカップリング曲として収録することができた令和バージョンの「そして海峡」を歌うと大きな拍手をもらった。

前作「そのわけは旭川(あさひがわ)」、新曲「京都の町からもう一度」を披露すると、第二部はさらに盛り上がり、水田はここから終盤に向けて「平戸雨情」「紅花の宿」などを聴かせた。

水田は「本日のリサイタルに全国から来てくださって、ホントにホントにありがとうございます」と話し始めた。

「40年、50年と、元気にこれからも歌い続けていきたいなと思っております。20年後の50周年もみなさん来てくださいね」

最後は「大切に歌っていきたい作品」だと、「新庄恋しや」を披露した。

水田竜子

盛りだくさんの内容で、あっという間に時間は過ぎてしまった。ここで帰れない観客はすぐさまアンコール。水田の再登場を待った。

再び幕が開くと、水田はワインレッドのドレスに着替え、2001年にシングルとしてカバーした「酔っぱらっちゃった」でステージへ。「竜子ちゃん、最高!」。会場後方から見ていた歌手仲間の後輩がエールを送ると、照れながらも笑顔を見せる水田。「宗谷遥かに」を挟んで、今日という日を感謝した。

「今日のリサイタルはみなさんのお力をお借りして開催することができました。30年はあっという間でしたが、今日、元気に歌わせていただくことができました」

水田がアンコールの最後に選んだのは、新曲「京都の町からもう一度」のカップリング曲「カーテンコール」だった。

水田竜子の“マイウェイ”が歌われた作品。「歌手になるまでの人生と、これからも歌っていく道を、日野浦かなで先生が書いてくださり、岡千秋先生が素晴らしいメロディーとつけてくださいました。感謝を込めて歌わせていただきます」

ここまで話すと、水田は涙を拭った。

「今日は泣かないと決めてきたんですが・・・」

気を取り直した水田は、自らの人生を綴った作品「カーテンコール」を歌え上げると、何度もありがとうございますと観客に手を振りなら、30周年記念リサイタルの幕を下ろした。

なお、今回のリサイタルを収録したDVDが今夏に発売される予定だ。

 


2023年4月5日発売
水田竜子「京都の町からもう一度」
水田竜子

「京都の町からもう一度」
作詩/水木れいじ 作曲/岡千秋 編曲/南郷達也
c/w「カーテンコール」
作詩/日野浦かなで 作曲/岡千秋 編曲/南郷達也
キングレコード KICM-31094 ¥1,400(税込)