水田竜子が新曲「能登島みれん」で新しい歌の世界へ
大好きな歌を、いちばん聴いてもらいたい人々に届けることができない日々が続いている。だからこそ、表現することの喜びと、初心を忘れずに歌と向き合う。
「歌とともに、成長する歌手であり続けたい」。
新曲「能登島みれん」で、水田竜子はその表現力の幅をさらに広げ、また私たちを新しい歌の世界に誘ってくれる。
Ryuko Mizuta
新しい水田竜子を聴いてほしい
水田竜子に話を聞いたのは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で日本中が初めて経験する緊急事態に直面している時期だった。
「皆さんに会って、直接歌を届けられないことはとても残念ですけれど、きっとこんなことは二度とない! と思って、家での時間も大切にしています。どちらかというとアナログ人間なので、リモート飲み会とかあまり興味がなかったんです。でもやってみたら意外にも楽しくて、自分でもびっくり!(笑)」
水田のハツラツとした声と明るい笑顔は健在だ。
初心を忘れず、自分らしく歌い続けてきて27年が経つ。今回の状況をきっかけに、向き合い続けてきた“歌”に対する意識に少し変化があった。
「もちろん“歌うこと”が好きなんですけれど、それ以上に私は“歌を届けること”が好きなんだなって。それができない今、歌い続けていくモチベーションの根底はそこにあるんだって気づきました」
戸惑いながらも…
そんな時に巡り合った新曲「能登島みれん」は、20周年記念曲「雪の細道」以来の喜多條 忠氏の作詞、シングル曲では初となる弦 哲也氏作曲の作品だ。日本海に浮かぶ島ながら、能登島の海は穏やかなのだという。しかし主人公の女性の思いは、海とは裏腹に荒く強い。
「弦先生ゆかりの地である石川県能登島が舞台。先生方お二人でご旅行に出かけてから作品づくりに入られたそうです。レコーディング前に、いろいろな旅のエピソードを聞かせていただくことができました」
繊細かつダイナミックな詞とメロディー。その両面を表現するのは容易ではなかった。
「感情を抑えることが悲しさを表現するひとつの手法だと思っていたんですが、男性に対する激しい感情を出して歌っていいとご指導いただき、戸惑いながらも思いきって歌いました。歌手としてワンステップ上がれたと思っています」
また、水田はカップリング曲「雨の記憶」でも、表現において新たに挑んだことがある。
「ストーリー性のあるバラードで、映画のワンシーンみたいでしょう? だから今までにないくらい主人公になりきって歌いました。私はフランスの、そうセーヌ川沿いのアパートの窓辺にいました(笑)。昔経験した、初めて海外旅行に出かけた時の雨のイタリアの風景も、どこかオーバーラップしています」
もう1曲の「そして海峡」は、水田がデビュー間もない頃にアルバムに収録された曲。当時は幼すぎてわからなかった世界を、大人になって歌い直すことができて幸せだという。
「早く皆さんの前でこの曲たちを歌える日が待ち遠しいです!」
人生のさまざまなシチュエーションで出合ったすべてを熟成させ、愛する歌に投影する水田。この先、もっと新しい歌の世界を見せてくれそうだ。
(文=寄特由佳)
2020年6月10日発売
水田竜子「能登島みれん」
能登をひとり旅する女の姿、未練心を情緒豊かな詞とメロディーで包み込んだ艶歌で、水田の魅力が引き立つ一曲。「前半は能登島の穏やかな海を表現するように言葉一つひとつを丁寧に歌って、中ほどで主人公の女性の心の奥底にある熱い思いをグッと前に出す感じで。最後は、自分をこんな悲しくさせている男性をカモメにつついてもらうような気持ちでしっかりと歌い、着地は大きく歌ってみてください」(水田)
【INFORMATION】
~すべての女性に輝きを~
水田竜子プロデュース!
ハンドメイドアクセサリーショップ「R’s(アールズ)」
水田竜子のオフィシャルサイト「竜宮城」内にある、水田がプロデュースするオリジナルグッズや、水田竜子ハンドメイドアクセサリー「R’s」を取り扱っている公式通販サイト。
最近は、マスク装着で耳の後ろが痛くならないようにする「マスクフック」が大人気。随時新作も発表しています。女性には、年齢に関係なく“女優”になっていただきたい! という思いも込めて作っています。ぜひ皆さんも覗いてみてくださいね!」(水田)
【WEB情報】
Profile
水田竜子(みずた・りゅうこ)
1977年1月4日、北海道旭川市生まれ。1993年、NHK『のど自慢』のグランドチャンピオンを受賞。17歳の時、キングレコードより「土佐のおんな節」でデビュー。2018年には、東京・浅草公会堂にて25周年記念リサイタルを開催。特技は料理。明るく朗らかな性格だが、本人曰く、「意外とネクラ」。愛猫は黒猫ジーナと16歳のミュウ。2カ月に1度のペースでLINE LIVE配信中。