北原ミレイ

「人生の贈りもの」~北原ミレイが50周年に歌いたかった人生の歌~

北原ミレイは今、歌手人生50周年を迎えている。歌手を夢見て上京した北原が今あるのは、たくさんの出会いと多くの人の支えだった。新曲「人生の贈りもの」はその感謝の気持ちだった。

文=川原田剛

50周年は人生について歌いたい

2019年の12月にリリースしたデビュー50周年の記念作品「明日へのかけ橋」から約1年を経て、北原ミレイは記念曲の第2弾シングル「人生の贈りもの」をリリースした。

「50周年は人生について歌いたいとずっと思っていました。これまでの歌手人生の中で、本当にいろんな方との出会いあり、多くの人に支えられてきました。その感謝の気持ちを歌に込めたいと思って、この曲はできあがったんです」

北原が語るように、彼女の50年のキャリアは、まさに時代をつくった歌謡界の偉人たちとともにつくりあげられたと言っていいだろう。

高校を卒業後に歌手を目指して上京し、レッスンを受けていたのは戦後、数々のヒット曲を生み出した作曲家の浜口庫之助だ。西城秀樹のボイストレーナーとしても知られる大本恭敬も、北原が最初。平尾昌晃の師匠でもあるヘンリー倉田からも、北原はレッスンを受けている。

浜口のもとでレッスンを受けながら銀座のクラブでシンガーをしていた時に、彼女の歌に魅了されて声をかけてきたのは第1回レコード大賞を受賞したことでも知られる歌手の水原弘だった。

北原ミレイQ&A

パワフルな歌声はどこから?

北原 日々のトレーニングや発声練習は確かに大事ですが、それだけではダメ。ステージを踏まなければ声は出ません。身体全体を使って歌うのはステージじゃないとできません。本番の数が何よりも重要です。


北原ミレイ

北原ミレイ、80歳まで現役宣言

1970年、北原のデビュー曲の「ざんげの値打ちもない」を作詞したのは、昭和を代表するヒットメイカーの阿久悠であり、北原の代表曲とも言える「石狩挽歌」は、阿久のライバルともいえる存在で、なかにし礼が手がけている。

「『石狩挽歌』の時の礼先生の情熱はすごかったんです。『お前、そうじゃないだろう』とよくしかられましたが、心で歌うこと、情熱を込めて歌うことを学びました。ハマクラ(浜口庫之助)さんにも『言葉を向こうに捨てろ』と言われたことを覚えています。でも、言葉を捨てたままじゃなく、引っ張ってこいと。テクニックというよりも、歌い手というのは人の思いを表現しなければならないんだ。ただ心の中で思っているだけではお客さんには伝わらない。表現しなければないということを教えられました。たくさんの先生方が鍛えてくれたおかげで、私は50年も歌手を続けられたと思っています」

新曲の「人生の贈りもの」も、現代の演歌・歌謡界を代表するふたりが手がけている。作詞はたきのえいじ、作曲は弦哲也が担当した。

「レコーディングの時に弦先生と、たきの先生が『ミレイさあ、ここに生まれてきたこと、いろんな方に出会ってきたこと、親、兄弟、仲間、支えてくれたスタッフやファンの方は贈り物だろう』と話してくれましたが、その通りなんですね。だからこの歌は私からの感謝状として皆さんに届けたいと思っています」

新型コロナの影響で、かつてのようなコンサートやイベント再開の見通しは立っていない。それでも北原は、前向きに未来を見つめ、自分ができることを精いっぱいやろうと決意している。

「明けない夜はありません。コンサートができるようになったら、50年間、私を歌わせてくれたファンが元気になってもらえるようなステージをしなければならないと思っています。そのために、しっかりとトレーニングをして準備をしています。私は80歳までは現役で歌手をしていくつもりです。まだまだ行きますよ!」

北原ミレイQ&A

食事の際に欠かせないものは?

北原 愛知県の名物、赤味噌です。本当においしいです。子どもの頃は、赤味噌のみそ汁の中にそうめんやおうどんが入っていて、それをごはんと一緒に食べていました。愛知はこれです!

 

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2021年1月20日発売
デビュー50周年記念曲第2弾
北原ミレイ「人生の贈りもの」

「人生の贈りもの」
作詞/たきのえいじ 作曲/弦哲也 編曲/猪股義周
c/w「愛を紡いで」
作詞/たきのえいじ 作曲/弦哲也 編曲/猪股義周
徳間ジャパンコミュニケーションズ TKCA-91250 ¥1,227+税

北原ミレイのデビュー50周年記念曲第2弾としてリリースされた「人生の贈りもの」。愛する人がいることがそのものが、うれしい贈りものであることに気づかされる作品。北原が50周年の節目に歌いたかった人生の歌。カップリング曲「愛を紡いで」は人生の中での出会いの奇跡を喜ぶラブソング。大切な人を思いながら聴きたい曲だ。

 

2019年12月11日発売
デビュー50周年記念曲第1弾
北原ミレイ「明日へのかけ橋」

北原ミレイ「明日へのかけ橋」

「明日(あした)へのかけ橋」
作詞/たきのえいじ 作曲/弦 哲也 編曲/猪股義周
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作詞/たきのえいじ 作曲/弦 哲也 編曲/猪股義周
徳間ジャパンコミュニケーションズ KCA-91250 ¥1,227+税

 

profile
北原ミレイ
(きたらは・みれい)
1948年7月18日、愛知県生まれ。高校時代はテニスの特待生奨学生だったほどのスポーツ少女だったが、美空ひばりに憧れ、16歳の頃より浜松市の佐伯一郎に師事する。高校卒業後に上京し、銀座でクラブシンガーをしながら、数々の名曲を手がけた浜口庫之助氏や、ボイストレーナーの大本恭敬氏などに師事。1970年、デビュー曲の「ざんげの値打ちもない」がヒットし、1975年には「石狩挽歌」も大ヒット。シンガーとしての確固たる地位を確立する。シャンソンから演歌まで幅広いジャンルを歌いこなす実力派。2021年1月、歌手生活50周年記念曲の第2弾シングル「人生の贈りもの」をリリース。

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