北原ミレイ

北原ミレイがダンサブルな「薔薇の雨」で勝負!~昭和〜平成〜令和と歌を紡いで~

昨年、歌手人生50年を迎えた北原ミレイの通算59枚目のシングルは、リズミカルでダンサブルな楽曲「薔薇の雨」となった。50周年を記念した「愛は一期一会」「明日へのかけ橋」「人生の贈りもの」で、人生もの三部作が終わり、作曲も弦哲也氏から樋口義高氏へ再びバトンが渡された。また、両A面となる楽曲「卒業」では、恋の終わりを卒業という形に表した花岡優平氏の作詞・作曲によるバラードで、北原ミレイならではの味わいある歌唱が光っている。

テーマは“お洒落と愛”

昭和の時代、ナイト・クラブなどで歌い歌唱力を磨いてきた北原ミレイが、満を持して艶やかで伸びのある歌声で「薔薇の雨」を歌った。コロナ禍の影響で、歌手活動が大きく制限された中、新曲のレコーディングでは北原自身がとても元気をもらったと言う。

「2年間我慢しましたから、2022年こそは元気に歌うことを始めたいと思いました。そんな願いも込めて今回の新曲は『薔薇の雨』を選びました。一方、“卒業 二人の愛は”と歌う『卒業』はゆったりとした曲調ですが、こんな時代だからこそ聴いてくださる皆さんに元気を与えられるようにテンポもよくて、楽しくて、賑やかな感じの曲をまずはメインに歌いたいと思います」

新曲の歌詞は当初から内容が変わったという。北原自身の思いを作品に反映したいと、作詞家の田久保真見氏に相談し、新たに書き下ろしてもらったのが「薔薇の雨」だった。

「今回のテーマは“お洒落と愛”です。これは私、北原ミレイがずっと抱いている永遠のテーマなんです。タンゴ調の『rf(リフレイン)ブルー』(2006年/35周年記念曲第2弾)や『ベネチアの雪』(2008年)も同じテーマでしたので、今回もそれが根底にあります。2番に出てくる“花束で 頬を叩きたい”という歌詞を目にした時、これだ!って感じました。情熱的で愛が深く、裏と表が垣間見え、とても格好いい大人の女性のイメージがしませんか? この曲は私しか歌えない曲だと思いました。情熱的な女性を私なりに表現したいと思いました」

同年代の先頭に立って、皆様を引っ張る

歌手生活50周年を飾った「人生もの三部作」とは打って変わって、「薔薇の雨」はどこか懐かしくもポップな歌謡曲に仕上がっており、今も若さがあふれている北原の歌声が光っている。

「まさに昭和の時代のダンス・ホールやナイト・クラブで、ステージの階段を下りながら歌う姿をイメージした作品です。アレンジも華やかな昭和の時代に戻ったようなサウンドにしていただきました。あの時代はカラオケなんてまだない時代でしたから、生バンドの前で歌っていました。『薔薇の雨』では、その頃を思い描きながらダンサブルにエネルギッシュに歌っています」

歌手人生50年の節目がコロナ禍だったため、この2年間ほとんど50周年らしい活動ができなかったことが悔やまれるが、歌一筋に歩んできた北原の若さほとばしるエネルギッシュさが詰まった新曲になった。

「この曲を歌ってみて、私自身が元気を与えられました。そして、『私が世の中の皆さんを引っ張らなくては』という気持ちになりました。じっとしていないで、この曲を聴きながら体を動かしてほしいですね。でも、今回は両A面なので、世の中がもう少し穏やかになったら『卒業』で、みんなを泣かせたいと思います。今はしんみりするより元気を与える方がベストだと思いました。私と同年代のファンたちの先頭に立って元気に踊りながら歌っていきますよ(笑)」

歌手人生50年を過ぎても北原は意欲的だった。

「50年歌わせていただいたことへ感謝して歌を届け続けたいですね。コロナ禍の2年の間に私も気づかされました。凹むのも元気になるのも自分次第、気の持ち様でどうにでもなるとわかりました。この新曲のレコーディングでたくさん元気をもいましたので、今年はさらに健康で前向きにいきたいと思います。皆さんも元気で、健康でいてくださいね」

(文=小西康隆)

北原ミレイ「薔薇の雨」カラオケ・ワンポイント・アドバイス

この曲は、いろんな表現が出来てとても楽しいと思います。薔薇が飾られた部屋が頭に浮かぶくらい曲を聴き込んでください。最初に歌詞をしっかりと覚えておかないと、メロディーに追いついていけません。そして、サビからは主人公になりきって、言葉をたたみ込むようにして歌うとスピード感が出て引き締まりますよ。ミュージックビデオも観ていただき、振り付けも練習して歌っていただくとより一層楽しい気分になれますよ」

 

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2022年1月26日発売
北原ミレイ「薔薇の花」
北原ミレイ

「薔薇の雨」
作詞/田久保真見 作曲/樋口義高 編曲/猪股義周
「卒業」
作詞・作曲/花岡優平 編曲/猪股義周
徳間ジャパンコミュニケーションズ TKCA-91400 ¥1,350円(税込)

「薔薇の雨」は恋人との別れの時、切ない気持ちを伝えるために薔薇の花びらを雨のように散らすというストーリー。チョッと楽しく! 賑やかに! 昭和の懐かしいダンス・ホールのサウンドに乗せて歌って踊れる作品。「卒業」は、恋の終わりを卒業という形で表現したバラード作品。「この曲は私の声質にもとても合っていますので、『薔薇の雨』とは違う私の歌唱表現を堪能してほしいですね」(北原)


Profile
北原ミレイ(きたらは・みれい)
1948年7月18日、愛知県生まれ。高校時代はテニスの特待生奨学生だったほどのスポーツ少女だったが、美空ひばりに憧れ、16歳の頃より浜松市の佐伯一郎に師事する。高校卒業後に上京し、銀座でクラブシンガーをしながら、数々の名曲を手がけた浜口庫之助氏や、ボイストレーナーの大本恭敬氏などに師事。1970年、デビュー曲の「ざんげの値打ちもない」がヒットし、1975年には「石狩挽歌」が大ヒット。シンガーとしての確固たる地位を確立する。シャンソンから演歌まで幅広いジャンルを歌いこなす実力派。2018年からは歌手生活50周年を記念した「愛は一期一会」(2018年)、「明日へのかけ橋」(2019年)、「人生の贈りもの」(2021年)の人生もの三部作を歌った。趣味は豪快な買い物、感性で作る料理、手先仕事。

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