【連載】師匠と僕 村木 弾 第21回(最終回)

「これから」

巨匠、故・船村 徹先生の最後の内弟子である僕が、師匠との思い出を紐解く。2017年2月に先生が亡くなり約3年が経ったが、いまだに先生の存在を近くに感じる。いつもそばで歌を聴いてくれているのだ。

 

船村 徹先生が旅立ってから3年が過ぎ、村木 弾も5年生となった。近頃、1年という月日が流れるのをものすごく早く感じるようになった。

内弟子同士でいつも話すことだが、先生遠くへ行ってはいない。いつもそばで自分たちの歌を聴いてくれている。先生の作品を歌う時、先生の話をする時はその場面を思い出し、また、その時の先生のあの笑顔が甦ってくる。そして、”船村メロディー”がたくさんの人に愛され、歌われ続ける限り、ずっと先生はここにいるんだと……。

先生は僕に最高の宝物を遺してくれた。ひとつは「村木 弾」という歌い手のために書いてくれた”作品たち”である。そしてもうひとつは船村先生、舟木一夫さん、村木 弾……。昭和生まれの申年の3人を結びつけてくれた〝縁〟である。この大事な宝物といっしょに、これからも”歌の道”を突き進んでいきたいと思う。

また、船村 徹最後の内弟子として恥じないよう、いい歌を長く歌っていける”歌い手”を目指してがんばっていこうと思う。

最後にひと言――。

「船村 徹先生、本当にありがとうございました」

※この記事は2020年執筆/初出:『ミュージックスター』誌

2015年6月12日開催された「第31回 歌供養」にて。この日は船村先生の83歳の誕生日でもあった

2008年1月2日のひと場面。デビューまでの約12年間、最後の内弟子として先生の自宅で寝食をともにしてきた

 

▶村木弾関連記事(過去連載など)はこちら

船村 徹氏
昭和7年、栃木県船生村生まれ。昭和24年、東洋音楽学校(現東京音楽大学)ではピアノ科に学ぶ。昭和30年、春日八郎のデビュー作「別れの一本杉」で作曲家デビュー。その後、数々の名曲を世に送り出し、作品数は約5000曲以上とも言われる。歌謡曲の作曲家として初めて文化勲章を受章。2017年〈平成29年〉2月16日永眠。

 

記事の感想を送る
 


2020年7月29日発売
酒場のギター演歌で勝負!
村木 弾「ほろろん演歌」

村木弾ほろろん演歌

「ほろろん演歌」
作詞/菅麻貴子 作曲/徳久広司 編曲/杉村俊博
c/w「男さすらい」
作詞/高田ひろお 作曲/徳久広司 編曲/杉村俊博
日本コロムビア COCA-17784 ¥1,227+税

「ほろろん演歌」は“望郷”と“酒”がテーマ。過去5作品とは異なる、酒場のギター演歌と言える作品。路地裏の酒場に昭和のギターの音色が流れるなか、都会暮らしに慣れても、時には故郷(くに)が恋しいくなる主人公の気持ちを歌っている。カップリング曲の「男さすらい」は、高田ひろお氏が山でも海でもなく、空をテーマに四行詩を書き上げ、徳久広司氏が三拍子のメロディーをつけた。雄大なメロディーに乗せて男の生き様を表現している。


INFORMATION
私設「村木弾ファンクラブ」(弾む会)ご入会案内

◆設立日:2018年4月18日(水)
・入会金不要
・年会費2,000円(税込) 毎年期間4月1日~3月31日
•新規ご入会の初年度は入会月により変動いたします。
・継続更新時(毎年4月1日)は年会費¥2,000(税込)となります。
・再度ご入会の場合は入会月を問わず年会費¥2,000となります。

◆入会特典
会員証の発行・入会記念ポートレートプレゼント
会報の発行(年間3回程度)
コンサートや出演イベント・チケット等のご案内をさせていただきます。

◆私設「村木弾ファンクラプ」(弾む会)ご入会ご希望の方
下記の住所までお葉書もしくはお電話にてお申し込みをお願い致します。
皆様のご入会をお待ちしております。

私設「村木弾ファンクラプ」(弾む会)・事務局
TEL 090-8101-8196
〒256-0812神奈川県小田原市国府津2-2-3
萩原保子




Profile
村木 弾(むらき・だん)
1980年秋田県生まれ。鳶職、現場監督の仕事に従事していたが、2003年、歌手を目指して故・船村徹氏の最後の内弟子となる。2016年に、作詞&プロデュース・舟木一夫、作曲・船村氏による「ござる〜GOZARU〜」でデビュー。

日本コロムビア 村木弾ページ
村木弾 公式Twitter