【連載】師匠と僕 村木 弾 第14回
「文化勲章受章を祝う会で」
巨匠、故・船村徹先生の最後の内弟子である僕が、師匠との思い出の日々を紐解く。デビュー2年目の年が明けた2017年1月、船村先生の「文化勲章受章を祝う会」で〝あること〟が知らされた。
2017年も快晴の正月を迎えた。村木 弾、二年目の年が明けた。1月2日、今まで栃木・楽想館で行われていた恒例の新年会が、今年から神奈川県藤沢市にある先生の本宅で開かれることになった。先生のご家族をはじめ、鳥羽一郎兄以下、内弟子の兄貴たちと先生を囲んでの宴会であった。各自、仕事の報告や新年の抱負などを先生に伝え、その後はひたすら”飲む”という楽しいひと時を過ごした。
1月18日、都内ホテルで先生の「文化勲章受章を祝う会」が開かれた。500名を超える各界の著名人の方々に出席していただき、盛大なパーティーになった。
先生も前年(2016年)に心臓の手術を受けていたとは思えないほど元気な姿で、お祝いに駆けつけてくださった人たちに笑顔で応対していた。会場でのスピーチや報道陣への取材の際も、先生の”船村節”は健在であった。
会では、先生と鳥羽兄が「男の友情」を2人で歌唱する場面もあり、出席した皆様から割れんばかりの大きな拍手が起こり、すばらしい祝賀会となった。
会の終了後、先生は出席された方々を一人ひとりお見送りし、感謝の言葉をかけていた。その姿をそばで見ていた僕は、自分の先生=お師匠さんがこれだけ多くの人たちに祝福されていることに誇りを感じ、胸が熱くなった。
この会が始まる前、僕は先生とともに控え室で待機していたのだが、その時、先生から声をかけられた。
「君の次の曲、できたゾ。2、3日前に書いたんだが、なかなかおもしろいゾ。カラスが鳴くんだヨ」
僕は思った。「カァ?」と……。そして、この祝賀会の数日後、僕は”カラスが鳴く”という曲のレコーディングを臨むことになる。
船村 徹氏
昭和7年、栃木県船生村生まれ。昭和24年、東洋音楽学校(現東京音楽大学)ではピアノ科に学ぶ。昭和30年、春日八郎のデビュー作「別れの一本杉」で作曲家デビュー。その後、数々の名曲を世に送り出し、作品数は約5000曲以上とも言われる。歌謡曲の作曲家として初めて文化勲章を受章。2017年〈平成29年〉2月16日永眠。
2020年7月29日発売
酒場のギター演歌で勝負!
村木 弾「ほろろん演歌」
「ほろろん演歌」は“望郷”と“酒”がテーマ。過去5作品とは異なる、酒場のギター演歌と言える作品。路地裏の酒場に昭和のギターの音色が流れるなか、都会暮らしに慣れても、時には故郷(くに)が恋しいくなる主人公の気持ちを歌っている。カップリング曲の「男さすらい」は、高田ひろお氏が山でも海でもなく、空をテーマに四行詩を書き上げ、徳久広司氏が三拍子のメロディーをつけた。雄大なメロディーに乗せて男の生き様を表現している。
INFORMATION
私設「村木弾ファンクラブ」(弾む会)ご入会案内
◆設立日:2018年4月18日(水)
・入会金不要
・年会費2,000円(税込) 毎年期間4月1日~3月31日
•新規ご入会の初年度は入会月により変動いたします。
・継続更新時(毎年4月1日)は年会費¥2,000(税込)となります。
・再度ご入会の場合は入会月を問わず年会費¥2,000となります。
◆入会特典
会員証の発行・入会記念ポートレートプレゼント
会報の発行(年間3回程度)
コンサートや出演イベント・チケット等のご案内をさせていただきます。
◆私設「村木弾ファンクラプ」(弾む会)ご入会ご希望の方
下記の住所までお葉書もしくはお電話にてお申し込みをお願い致します。
皆様のご入会をお待ちしております。
私設「村木弾ファンクラプ」(弾む会)・事務局
TEL 090-8101-8196
〒256-0812神奈川県小田原市国府津2-2-3
萩原保子
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Profile
村木 弾(むらき・だん)
1980年秋田県生まれ。鳶職、現場監督の仕事に従事していたが、2003年、歌手を目指して故・船村徹氏の最後の内弟子となる。2016年に、作詞&プロデュース・舟木一夫、作曲・船村氏による「ござる〜GOZARU〜」でデビュー。