山口かおるが新曲「夜は眠れなくて」をお披露目するディナーショーで感涙。コロナ禍で歌を続けるため、クラウドファンディングにも挑戦

2021.12.18

新曲「夜は眠れなくて」をリリースしたばかりの山口かおるが12月12日、東京・台東区の浅草ビューホテルでディナーショーを開催し、涙を見せながらも盛りだくさんのステージを務めた。同ディナーショーは毎年恒例ではあったが、今年はクラウドファンディングで支援を訴え、開催にこぎ着けた。

「山口かおる新曲発表＆ディナーショー with 隼トシヒデ＆シーバード」のオープニングは「アモーレ・ミオ」。山口は濃紺のドレスでステージに登場し、「献身」「ホーリー・ナイト」と、3曲をまずは披露する。山口のハスキーな歌声にマッチしたラテン歌謡の「アモーレ・ミオ」で笑顔でステージを明るくすると、2009年の「悲しきカルメン」のカップリング曲「ホーリー・ナイト」では、「この時期になると、歌いたくなります」と山口。

「2年近くコンサートが延期になったり中止になったりしてきましたが、今日は一生懸命、力いっぱい歌いたい」と話すと、“かおるコール”が入る「愛と憎しみの間に」へと歌い継ぐ。

「大好きな曲です。お手拍子などいろんな形で、エールを送ってくださるとうれしいです」

会場にはたくさんのゲストが来場していた。作曲家の浜圭介や俳優の伊吹吾郎、元・読売巨人軍の香田勲男さんなど。ゲストが紹介される間に、衣裳を着替えた山口は、ここで新曲「夜は眠れなくて」とカップリング曲「あなたを奪いたい」を披露する。

数丘夕彦による歌詞は、大阪弁で綴られる。“アホな夢を見る”（歌詞より）男性についていけなくなった、幸せを求める主人公の女性が“もうエエ　知らんがな”（歌詞より）と別れを決意したが、そう簡単には男性を忘れることができない心情を、山口がじっくりと聴かせる。

前作「ガラスの薔薇」が好評で、YouTubeにアップされているミュージックビデオの再生回数も21万回を超えているが、「夜は眠れなくて」の作曲も引き続き浜圭介が担当した。

東京都葛飾区細田出身の山口かおる。地元を盛り上げてほしいとの要請を受け、細田の盆踊り音頭をプロデュースし、補作詞と作曲は香音鈴（かおりん）名義で山口が手がけた「葛飾区細田かんらん音頭」（山口かおるwith桐谷広人）。細田で生産が始まったキャベツ「中野甘藍（かんらん）」を題材にした歌で、PRキャラクターのかんらんちゃんも応援に駆けつけ、山口と桐谷広人さんが披露した。

ゲストの伊吹吾郎は15歳から弾いているというギターの腕前を披露。「五木の子守唄」などをフラメンコアレンジで聴かせた。

ゲストコーナーなどを挟んで、山口はロングヒット中の「ガラスの薔薇」を披露すると、新曲と同曲の2曲を積極的にアピールしていく決意を語っていた。

ディナーショーも佳境に入ると、ガールズバンド「プリンセスプリンセス」のヒット曲「M」をカバーする。同バンドのドラマーだった富田京子が書いた詞が多くの共感を呼に、今なお歌い継がれている名曲だ。富田は当時、別れた人のことを想って書いたが、のちに、“一緒にいたかった人”は恋人に限らないってわかった、と告白している。

山口のディナーショーではお馴染みだった司会者が、癌で亡くなった。山口には癌だということを明かさず、ショーでは笑顔で司会を務めてくれていたという。「もっと一緒にいたかった」。山口から彼女への追悼だった。