
浅田あつこが三代目 桂春蝶とコラボイベントを開催。デビュー30周年記念曲「道行き」を情感たっぷりに披露
芸能生活30周年を迎えた浅田あつこと落語家・三代目 桂春蝶が10月16日、大阪・日本橋の国立文楽劇場にて「〜『道行き』の世界〜」と銘打ったコラボレーションイベントを開催した。

左から三代目 桂春蝶、浅田あつこ、特別出演の桂福團治。浅田の衣装は、大阪府立泉尾工業高等学校ファッション工学科の生徒が制作した。
舞台は、特別出演の桂福團治の口上で幕開け。2人の30周年を労い祝う言葉を受けて、まずは浅田が情念的な前奏とともに露草色の着物姿で登場した。
浅田はデビュー30周年記念曲「道行き」(作詞:もず唱平/作曲:弦哲也/編曲:南郷達也)を情感たっぷりに歌い上げると、「新曲は心中をテーマにした歌ではありますが、愛する人と一緒に死を選ぶのではなくて、『私は生きることをあきらめない』という気持ち、そして、“生きる権利と命の尊さ”を歌っています」と楽曲が内包している魅力を紹介した。
また、今回の衣装は大阪府立泉尾工業高等学校ファッション工学科の生徒がデザイン・製作を手掛けたということで、デザインを担当した春名姫樺さんを呼び込み、アピールポイントについてトーク。
モチーフとしてあしらわれている月下美人は、タフティングという技工によるものだということや、8月に開催された「第23回 全国高等学校ファッションデザイン選手権大会ファッション甲子園2024」でグランプリを受賞した喜びなどを話した。
続いては、桂春蝶が古典落語の「星野屋」を披露。心中を題材としながらも、叶わぬ悲恋を憂うのではなく、人間の業をコミカルに描き出した演目を妙技で魅せ、絶えず観客の笑いを誘い、楽しませた。
真っ赤な和装ドレスに装いを変えて再登場した浅田は、再び新曲「道行き」を表情豊かに熱唱。
一着目同様、大阪府立泉尾工業高等学校ファッション工学科の生徒による衣装について、「彼女たちの前向きな気持ちがいっぱい詰まっているので、着ていると気持ちが優しくハッピーになれます」と笑顔を見せ、ステージは最終コーナーの“座談会”へ。
桂福團治、桂春蝶とともに改めて“心中”というテーマについて語らう中、今回のコラボレーションイベントの発起人でもある作詞家のもず唱平氏が登壇。浅田の新曲「道行き」に込めた想いについて、「世界は今、まさに人類心中に向かっているといえます。でもなんとか生きていかなあかん」と世界情勢に言及。「でもまずは、一対一でしっかり生きていかないと。頼んまっせという気持ちを(浅田に)託している」と新曲の根源にひそませた想いを明かした。
最後は、浅田と同じく今年30周年を迎える桂春蝶が「40周年、50周年を目指して頑張っていきましょう」と、大阪締めで趣あるコラボレーションイベントを締め括った。
なお、浅田は12月5日に上海でのコンサート、12月17日にはホテルモントレ大阪でのクリスマスディナーショーを控えている。
桂春蝶
戦争を題材とした落語も取り上げてきました。今日のこの試みは、そうした私の日毎のライフワークとリンクするところがあるので、ありがたい機会でした。浅田あつこ
落語とのセッションという素敵なイベントができて感激。落語と歌には共感する部分もあるので、今日は大きな力をいただき、幸せな時間になりました。