美貴じゅん子が新曲「海峡流れ星」の発売記念ライブ。「詩の奥深さにぽろりと涙しました」。来年6月にはデビュー30周年記念パーティーの開催も決定!
美貴じゅん子が5月15日、東京・港区のライブレストラン「六本木クラップス」で新曲「海峡流れ星」の発売記念ライブを開催し、新曲や来年迎えるデビュー30周年への思いを語った。
本番前のリハーサル取材に応じた美貴じゅん子は「『土下座』という作品でテイチクレコードさんに復帰して、早いもので3年が経ちました」と、感慨深く振り返った。
1996年にテイチクから「ほおずき」でデビューした美貴はデビュー25周年を迎えた2021年に古巣テイチクに復帰。「土下座」をリリースしたが、実に17年ぶりのシングルだった。以来、「雪の海」「放浪(さすらい)かもめ」とリリースし、来年のデビュー30周年に向けた弾みとなる新曲が「海峡流れ星」だった。
「なかなか新曲を出せない時期が長く続きましたので、『新曲を出させていただくことは当たり前じゃない』という思いは誰よりも強いと思います。新曲を出すことよって、ヒット曲に恵まれるかもしれないですから、私がステップアップするための扉を開かせていただいたことを本当にうれしく思います。今日、商品となった実際のCDを手にしましたが、改めてそう強く思いました」
「海峡流れ星」の作詞は石原信一氏、作曲は恩師・岡千秋氏だ。岡氏は「土下座」から続く一連の美貴作品のすべてを手掛けている。
「岡先生からは『じゅん子のいちばんいい声がたくさん出ている曲だ』とつくってただきました。でも、音の上がり下がりが多く、音域も広くてむずかしい歌なので、『気を抜くことなく一字一句、丁寧に歌ってほしい。この歌を伝えるのはじゅん子の役目だから』と。岡先生からここまで言っていただけたのは初めてでした」
作品は一途で深い愛が歌われている。美貴は石原氏から届いた歌詞を読み、「この歌は私にしか歌えないと思った」という。
「石原先生には前作『放浪かもめ』の作詞もしていただいたのですが、この一曲だけで終わりにしたくなくて、もう一度、石原先生にお願いしたいと私のわがままを聞いていただきました。『海峡流れ星』の詩をいただき、詩の本当の意味をうかがったときには、ぽろりと涙がこぼれ、この歌は絶対、私にしか歌えないと思いました。訳あって愛する人と離ればなれになってしまうのですが、また必ず逢える、また必ず一緒になれると信じて、その思いを流れ星に託すという深い愛の歌です。『放浪かもめ』に続いて訳ありの女性の作品ですが、何度も聴いていただきその深さを感じていただければと思います」
美貴は来年デビュー30周年を迎える。リハーサルの直前には所属事務所の社長から電話があり、記念パーティーの開催が決まったという知らせを受けた。
「ついさきほど社長から電話があって、来年の6月22日の日曜日にホテルニューオータニ(東京・千代田区)でパーティーをすることが決まりました。30周年には何かやりたいなと思っていましたが、びっくりしました。これまで出会った皆様への恩返しの気持ちで、30周年も頑張りたいと思います」
美貴はまた、母にこのパーティーを見せたいと語った。
「母は84歳になりますが、これまで何一つ親孝行ができていません。母は女手一つで私を育ててくれました。ですから、30周年という大きな節目のパーティーを母に見せてあげて、感謝の気持ちを伝えたいなと思います」
新曲発売記念ライブでは「海峡流れ星」やカップリング曲の「三日月まいご」のほか、テイチクでの初期作品などオリジナル曲を中心に歌唱。アンコールでは岡千秋氏と「浪花恋しぐれ」をデュエットした。
「岡先生はいつも、一歩ずつ成長していけばいいからとご指導くださいますし、新曲を通して『美貴じゅん子がすごく成長するのが楽しみ』だと言ってくださいました。この曲を私に授けてよかったと思っていただけるように精いっぱい歌っていきたいと思います」