徳永ゆうき

徳永ゆうきのニューアルバム『徳永がくる』~10年分の徳ちゃんの魅力がぎゅ~っと!~

徳永ゆうきのデビュー10周年を祝うニューアルバムが発売された。デビュー10周年の記念ソング「なんとかなるさ」を含む全9曲が収録される。タイトルは『徳永がくる』。テレビ番組で”徳永る”という言葉まで生み出した徳ちゃんの魅力がぎゅ~ぎゅ~に詰め込まれた一枚だ。


やっぱり徳永は歌がうまい! 新春早々、『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ系列)に出演。課題曲のサビを音程を外すことなく10曲歌い切り、持ち前の歌唱力を今一度世間に知らしめた徳永ゆうき。このほど、アルバム未収録の近年の作品と、新たに書き下ろした「なんとかなるさ」を収録したニューアルバム「徳永がくる」をリリースした。

シングルの前作は2020年7月に発売した「車輪の夢」だが、コロナ禍でキャンペーンが数える程度しか行えず、直接ファンの反応を知る機会があまりに少なかった。そこで、配信限定盤としてデジタルEPをその1年後に制作。それが『徳永、奏でる』だった。しかしながら、徳永推しの年配のファンにはやはりアルバムが聴きやすい。そこで、さらに楽曲を加えて制作するに至ったという。

今回、新たに収録された「なんとかなるさ」は、デビュー10周年の記念ソングにもなっている。作詞・作曲は前作同様、2人組ユニットのyouth case。ほどよくこぶしを効かせながら、人々に勇気と元気を与えるリズミカルで明るい歌謡曲だ。「若いけれど僕はおっさんやから」と笑わせる一方で、徳永ののびやかな歌声は聴く人に安らぎを与え、素直な気持ちにさせてくれる。オリジナル曲に新旧多彩なカバー曲が加わり、10年分の徳ちゃんを楽しめる魅力ある一枚となっている。

徳永ゆうき

僕の“なんとかなるやろう精神”

――まずは、新曲となる「なんとかなるさ」について。冒頭から徳ちゃんならではの高音を響かせて曲が始まります。

徳永 爽快感があって、気持ちのいい入り。初めて聞いたとき、僕にぴったりやなと。youth caseさんも、徳ちゃんにはこれしかないでしょうということで曲をつくってくれたらしいです。僕もこれまでいろいろな経験をしてきましたが、どちらかというと“なんとかなるやろう精神”でここまで来たところがあります。ありのままの自分で歌える曲ですね。歌詞もカッコつけず、くどくなくてそのまんま。誰にでも伝わるシンプルさがいいですね。このところコロナをはじめ世界的に暗いニュースが続くので、なかなか気持ちが前に向かない人も多いかもしれません。だからこそこの歌を聴いて、カラオケではそれこそ何も考えずに明るく笑い飛ばして歌ってほしい。「失敗してもなんとかなるよ」と、主人公になり楽しんでもらえたらうれしいです。

――とくにお気に入りの歌詞などありますか?

徳永 2番の“どこまでも 紅く染められた 帰り道”というところは、大阪の河川敷の風景を思い出すんですよね。子どもの頃に祖父と夕方になるとよく河川敷まで行って、遠くの空を見つめながら日が暮れるのを待つんです。太陽がいよいよ沈んだら、「じゃあ、帰ろうか」って家路につく。そんな懐かしい風景をダブらせています。

あと、その直後に“がんばれよ がんばれよ”というセリフがあって、バックでハモってくれています。レコーディングのとき、アレンジの佐々木博史さんがスタジオにいる弦楽器、管楽器の皆さんに声をかけて一緒に歌ってくれたんですよ。この歌の隠し味ですね。曲を聴いて、がんばれよという言葉にやる気が出ました、という声も実際にいただいてます!

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なんとかならんかった話!?

――この曲にちなんで、過去に「なんとかなるさ」で乗り切った出来事ってありますか?

徳永 「車輪の夢」のキャンペーンを「ドライブインライブ」と称してショッピングセンターの屋上駐車場で行ったときのこと。真夏でね、お客さんはクーラーの効いた車内で周波数を合わせて僕の歌を聴けるようになっていて、対して僕は屋根なしの野ざらし状態。めちゃくちゃ暑くて、しかも1曲目を歌い始めた途端に背後から黒い雲が現れて、いきなりのゲリラ豪雨ですよ。仕方なく僕は左でマイク、右には折り畳みの傘っていう不思議なスタイルで、袴をびしょびしょにしながら何とか1曲歌い切ったんです。だけど、機材も裸だったんで結局中止に。もう、めちゃくちゃ残念でしたね。肝心の「車輪の夢」が歌えなかったし、しかもそのあと徐々に明るくなってきて、あっという間に雨が上がってしまった・・・。これは「なんとかなるさ」でなく「なんとかならんかった」話ですね(笑)。

お客さんにも申し訳なくて、それでスタッフにお願いして、お礼を言わせてほしいと再度ステージに上がったんです。まるで校長先生の訓示のように、「今日はありがとうございました~」って長めのトークを展開させてもらいました!

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『徳永がくる』で掛け橋に

――では、改めてアルバム全体のお話を。『徳永がくる』では、以前、デジタル配信で発表したミニアルバム『徳永、奏でる』のカバー作品も収められています。

徳永 『徳永、奏でる』は、フォークで徳永に合う曲はなんだろうというのが制作の始まりでした。ギター、ピアノなど伴奏がとてもシンプルで、それが僕の声とマッチして自分でも気に入っている作品。これをもっと多くの人に届けたいとアルバムに収録されました。懐かしいフォーク曲に、若者の間で広がっている今時の歌も入っています。僕はデビュー当時から演歌と若者の懸け橋になると言ってきましたが、僕がポップスを歌うことによって、逆に若い人の曲を年配の方が聴く機会にもなっていて、「いろんな人の懸け橋になっているよ」と言われています。老若男女、たくさんの人に届いたらいいなと思うアルバムです。

――今時の歌のカバーといえば、若手女性シンガー・和ぬかさんの歌う「寄り酔い」。SNSでも話題になり、言葉を次々紡いでいく斬新な歌です。

徳永 僕がギターでサビだけ歌ってTikTokで配信したら意外とバスりまして、ええやんと。歌詞を覚えるのが大変やなというのが第一印象でしたが、まさに挑戦でしたね。それにしても、最近の曲は体に入ってこない(笑)。テンポ感といい、どこで息継ぎするんやと考えちゃう。でもおかげ様で「徳ちゃん歌えるやん」とファンの皆さんからは好評です。ポップスであってもそこにコブシをちょっと入れると気持ちよく、コブシというのは日本人のDNAの中に落ち着くものがあるんでしょうね。ド演歌でなくても、ほどよく入れるといい化学反応がある。フォークソングも含めてそんな印象です。

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徳ちゃん、戦国武将になる

――10周年記念として、いろんな徳ちゃんを楽しめるアルバムですね。

徳永「なんとかなるさ」でバ~ッと気分アップさせ、「車輪の夢」で落ち着いて、もいちど「渋谷節だよ青春は!」でテンションアップ。感情の起伏が激しいけれど、続いて若者の歌を聴いたら今度はフォークソングでしっとりと。最後は「夜明け前」で再びはじけるという構成です(笑)。ミックスジュースみたいにいろいろなアレンジの楽曲を楽しんでほしいです!

――しかし、なんでジャケットが甲冑写真!?

徳永 昨年、朝ドラとかミュージカルにも出演するなどしたので、次は大河ドラマかな!? ってことでこうなったんでしょうね。僕も何でって、最初思いました(笑)。インパクトがあって、印象に残るんじゃないかと思います。

徳永ゆうき

アルバム『徳永が来る』では甲冑姿を披露した徳永ゆうき。黒塗りの兜の前立てには三日月を飾った。

これからも演歌歌手として

――早くも歌手活動10年目ですが、心境をお願いします。

徳永 まだ4、5年しか経っていないような感覚ですね。でも気づけば後輩が増えて楽屋に挨拶に来てくれるようになったし、重ねて来た年月に見合うよう、これからも幅広い世代の方に歌を届けていきたいです。

そして今年はキャンペーン、ステージにもどんどん立てます。「鬼レンチャン」は音程バーにきっちり当てないといけないから変なプレッシャーがあるけど、ステージで歌う時はそれこそ何も考えずに気持ちよく歌える。やはり生のステージはいいです! テレビ出演すると子どもや若い人が声をかけてくれるようになりうれしいんですが、でも反響が大きいのは演歌じゃない歌を歌ったときなので、演歌歌手だということをしっかりと伝えていけるようにがんばります!

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――10年目の節目に、新たにやりたいことはありますか?

徳永 野球が好きなんですが、昨年は阪神の開幕戦で始球式をやらせていただきました。阪神やから黄色の袴をはいて、見事ノーバウンドで投げたんです。でもね、勝っていた試合が途中で逆転され、その日からなんと9連敗。また呼んでもらいたいけど、縁起が悪いと思われているかもしれないと思うと悲しい(涙)。

あとは「一日駅長」をやりたい。警察署長は何回かやったんですが、これだけ鉄道が好きだと言っているのに未だオファーがない。ズバリ、やれるなら地元の阪神電車がいいなぁ。本数が多いので厳しいだろうけど、鉄チャンの僕としては日本全国どこでも行くのでやってみたいです。そして、「車輪の夢」がどこかの駅の駅メロとして使われたらと、そんな夢も抱いています! 鉄道会社さん、声かけて~~~~。

(文=藤井利香)

 

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2023年2月1日発売
徳永ゆうき『徳永がくる』
徳永ゆうき

ユニバーサルミュージック UPCY-7816 ¥2,800(税込)

アルバム未収録の近年の作品と新たに書き下ろした10周年記念ソング「なんとかなるさ」を収録。カバー曲4曲を含む全8曲入り。朗々と響く徳永ゆうきの「声」が明日への活力と肩の力を適度に抜いてくれる。

収録曲
1.なんとかなるさ(新曲)
2.車輪の夢
3.渋谷節だよ青春は!
4.寄り酔い(オリジナル歌手:和ぬか)
5.青春の影(オリジナル歌手:チューリップ)
6.ホームにて(オリジナル歌手:中島みゆき)
7.いちご白書をもう一度(オリジナル歌手:バンバン)
8.車輪の夢piano version
9.夜明け前

UNIVERSAL MUSIC STORE限定盤(特製「徳永がくる」風呂敷付)3,350円(税込)
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徳永ゆうき

profile
徳永ゆうき(とくなが・ゆうき)
1995年2月20日、大阪府生まれ。幼少の頃から演歌歌謡曲に親しんで育ち、カラオケ喫茶で歌うことに喜びを感じる。友人に誘われて出場した『NHKのど自慢』で合格し、第12回チャンピオン大会(2012年)で「はぐれ舟」(大川栄策)を歌ってグランドチャンピオンに輝く。2013年11月、「~日本の孫~ 日本を勇気づける、演歌歌謡界期待の星」として、BEGIN・比嘉栄昇が手がける「さよならは涙に」でデビュー。俳優としても活躍するほか、テレビのバラエティー番組への出演など幅広く活躍。職業にしたかったという鉄道が趣味(撮り鉄)。2023年2月1日、デビュー10周年記念アルバム『徳永がくる』をリリース。同年2月3日、記念ライブ『10th Special Live ~勇往邁進~ ありがとう。これからも。』を開催。

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