美貴じゅん子が浴衣姿で夏詩を披露。新曲「放浪かもめ」が好調で、「日本作曲家協会音楽祭2023」の奨励賞受賞に笑顔満開!
美貴じゅん子が7月23日、東京・港区のライブレストラン「六本木クラップス」で歌声を届けた。「浴衣ライブ2023~放浪かもめの夏詩~」と題したライブでは、好調なスタートを切った新曲「放浪(さすらい)かもめ」のほか、夏をイメージしたカバー曲などを披露し、観客をもてなした。
浴衣姿で登場した美貴は、もっか絶好調の新曲「放浪かもめ」から歌い出した。石原信一氏が作詞し、岡千秋氏が作曲した同曲は6月28日に発売されると、有線演歌歌謡リクエストランキングで1位(7/5付)を獲得した。
「寂しい女心をかもめになぞらえた一曲です。心に深い傷を負った主人公が流れ流れて小さな港町で、居酒屋の女将になります。たくさんの皆さんにかわいがってもらっているんですが、お客様が帰られたあと暖簾を片付ける時に、ひとりぼっちになります。二度と思い出すまいと思ったあの傷が夜明けにうずく女心が描かれています。作詞していただいた石原先生からはレコーディングの時にアドバイスをいただきました。歌詞の最後に“飛んで行きたい 人がいる”というフレーズがあるんですが、『この一行がこの歌のすべてだから』と。この一行に思いを込めて歌わせていただいています」
美貴は1996年にテイチクエンタテイメントからデビューしたが、2002年を最後に、新曲を出せない時期を過ごした。細川たかしとの出会い、細川一門への入門によって古巣のテイチクへ復帰。2021年、17年ぶりに新曲「土下座」をリリースした。昨年は「雪の海」を発売し、復帰3年目の新曲が「放浪かもめ」だった。
「新曲を出せない時期は、銀座のお店で仲居のアルバイトをしたり、系列店のスナックで歌を歌ったりしていました。ですから、この3年間は充実した日々を過ごさせていただいています。細川たかしさんと出会い、細川一門に入れていただくという大きなチャンスをいただきました。たくさんの方の応援もあり、ご縁に感謝しています」
心残りは「“華の三十代”と言われる10年間をアルバイトで過ごしたことです」という。銀座という土地柄、業界関係者の人と出会う可能性もあり、誰にも出会わないように、いつも裏通りを移動していたそうで、「おかげで裏道には詳しくなりました」と笑う。
浴衣姿を披露した美貴は「雪の海」、デビュー曲「ほおずき」、セカンドシングル「潮騒-しおさい‐」を歌うと、夏をイメージしたカバー曲を披露した。なかでも山口百恵の「ひと夏の経験」はステージ初披露となった。
「年齢が合わないんじゃないか? と言われたりしましたが(苦笑)、私らしくない作品ということであえて挑戦させていただきました」
浴衣にはピンクのバラが描かれていた。「バラの香水」(2001年)を歌っていた頃、「孫」のヒットで知られる大泉逸郎を盛り上げるために結成された“サクランボガールズ”のひとりとして、大泉の山形の自宅(大泉の本業はサクランボ農家)へお邪魔した際に着用した浴衣だという。
思い出の浴衣をファンに披露した美貴は、ライブ前半の締めに、恩師・細川たかしの「応援歌行きます」を歌って会場を盛り上げた。
「細川たかしさんからは『腹筋よりも背筋を鍛えなさい。俺ができることはなんでもやるから』と言われています」
細川たかしのバックアップに感謝する美貴は、ライブ後半には「幸福(しあわせ)だより」、「バラの香水」、「桜色のオ・ヴォワ」、最新曲のカップリング曲「水の炎」などを披露。最後はタイトルのインパクトが抜群だったテイチク復帰第一弾「土下座」、そして、もう一度新曲「放浪かもめ」をフルコーラスで熱唱して、涼しげな笑顔をみせた。
「USENが大好きで自分でもリクエストをします。ですから、USENで私の歌が流れてきた時に、『これ、美貴じゅん子の歌だよね』って思ってもらえるような歌手になりたいと思います」
2021年、デビュー25年目に復活するまでに17年というたくさんの時間を使ったが、復活後はその実力が認められ、「日本作曲家協会音楽祭2023」の奨励賞を受賞した。美貴は「秋に北とぴあ・さくらホール(東京・北区)で行われる授賞式を楽しみにしています」とうれしそうに話していた。
2023年6月28日発売
美貴じゅん子「放浪かもめ」
美貴じゅん子「放浪かもめ」
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